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特集

「豪雨災害みんなで応援!ミーティング」レポート

2017年9月13日

 

平成29年7月5日に発生した平成29年九州北部豪雨災害から1ヶ月以上経過した、平成29年8月21日(月)、22日(火)の2日間、NPO 法人 Angel Wings、NPO 法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク (JVOAD)が主催した「豪雨災害みんなで応援!ミーティング」が開催されました。被災地の復興に向けては、これからますますの支援が必要な状況の中、九州北部豪雨災害の支援に関心があるNPO・企業・経済団体などが集まって、これからの支援を考えるミーティングついての情報共有が行われました。

1日目の21日(月)の福岡県小倉総合庁舎には、被災地でボランティア活動をしているNPO団体や支援を検討している自治体や企業の担当者など、およそ40名、2日目の22日(火)の福岡県吉塚合同庁舎にはおよそ70名が参加しました。


2日間のミーティング終了後に、ミーティングの主催者に本ミーティングの開催を通じた感想や現状の課題などを伺いました。

NPO 法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク (JVOAD)事務局長 明城 徹也氏

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〇「豪雨災害みんなで応援!ミーティング」を開催してみた感じたことは何ですか?

今回、災害ボランティアに実際に取り組んでいる方や、災害ボランティアに関心がある方など、多くの方に来てもらえ、情報交換をできたことは有益でした。本ミーティングを通じて、現地で起きていることを理解し、自分たちができることは何か、どうやったら現地の支援に入れるかなど、様々な分野から具体的な話がされていました。本ミーティングで得たことを今後の支援に生かしていきたいと思います。特に、まだ解決されていないニーズに対して、新たな支援を受け入れるためには、行政や現地で活動するNPO等との連携を強化し、現地の受入機能を強化することが必要だと感じました。まだ支援の届いていない人たちがいる中で、支援の広がりを作っていくことが、課題だと思っています。

〇TEAM防災ジャパンサイトの読者をはじめ、全国に伝えたいことは何ですか?

依然としてマンパワーは圧倒的に足りないので、今後も継続的に参加していただきたいと思います。但し、参加しなくてもまずは被災地に見に来てもらって、現状を見て、感じて欲しいと思います。そこから、ボランティアに参加するようになっていただければうれしいですし、様々な専門性を持った人のサポートを必要としています。今回は九州北部にて豪雨災害がありましたが、昨今の異常気象の中、全国各地でこのような災害が起きる可能性があります。そのような時の備えにつなげるためにも、まずは来て現状を知って欲しいと思います。


NPO 法人 Angel Wings代表 藤澤 健児氏

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〇九州豪雨ボランティアをはじめたきっかけは何ですか?

災害ボランティア支援プロジェクト会議における災害ボランティアの支援として、JVOADの地元の進行役として、情報交換会を毎回主催しています。また、県内ネットワークをサポートしています。さらには「うきはベース」という、大学生災害ボランティアセンターの実行委員長をやっており、毎日様々な立場で支援活動を行っています。

〇支援活動を行っている中で、どのようなことについて課題だと感じていますか?

朝倉市の泥だしのボランティアはまだまだ不足しているので、参加してもらいたいです。また、東峰村や日田市は、依頼された支援活動はひと段落ついたことで、既に終わったように思われ、マスコミ報道が少なくなってきていますが、まだ3万人弱が避難している状態です。そのような中、ボランティアスタッフの支援体制も、いつまでも続けることは難しい状況です。土砂が片付くかがまだ分からず、被災された住民の負担が、一層増えることも予想されます。被災者の日々の生活の中で、様々な課題が出来ており、支援の形態が変わってきていますが、もっと多くの支援者の手が伸びないと続けていくことは厳しい状況です。特に、福岡県内のNPO団体の活動が見えていません。そのため、この2日間の会は、NPO団体のつなぎの場として設けたので、会を通じて、今後につながればよいと思います。また、この2日間の会を検証した上で、必要に応じて、このような会を今後も続けて行きたいと思います。

〇TEAM防災ジャパンサイトの読者をはじめ、全国に伝えたいことは何ですか?

今後もずっと朝倉市、東峰村、日田市の支援は継続していきたいので、いろんな団体の協力を得ながら、活動を続けていきたいと思います。


続いて、現在も被災地にて支援活動を行っている登壇された方々にお話を伺いました。

東峰村いせあげ-水路-緊急支援プロジェクト実行委員長 柳瀬 弘光氏

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〇支援活動を行っている中で、どのようなことについて課題だと感じていますか?

東峰村は、全壊している家屋も多く、今でも雨になると交通止めになります。未だに道路沿いの斜面も倒壊しているところもあり、通行するのも危ない状況が続いています。さらに、川底に土砂がたまり、水深が上っているため、水害の危険も増しています。また、田んぼにも土砂が溜まっているとともに、流木土砂が多数あり、まだ手付かずの状態となっている場所も多くあります。電車も止まっている状況が続いているため、様々な面での生活支援を必要としています。

〇TEAM防災ジャパンサイトの読者をはじめ、全国に伝えたいことは何ですか?

田んぼや川底の溜まった土砂を取り除くためには、更なるボランティアの力が必要です。特に東峰村は稲作が主産業のひとつなので、生活を続けていくためには、田んぼの早期の復旧が必要となります。このため、「東峰村いせあげ-水路-緊急支援プロジェクト」として、水路から土砂を取り除くプロジェクトをやっていますが、全ての水路で実施するには、多くの人手や時間が必要なので、興味を持った方には是非参加していただきたいと思います。


YNF代表 江崎 太郎氏

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〇支援活動を行っている中で、どのようなことについて課題だと感じていますか?

この2日間の会を通じて、九州北部豪雨災害は忘れられた災害になっていると感じました。特に、福岡市内において、災害に対する関心が少ないと感じました。被災があったのは、博多祇園山笠まつりの時期でもあったため、タイミングが悪かったとも思います。しかし、福岡県民をはじめ、もっと多くの人に関心を持ってもらわないと、我々だけでは、やれることが限られしまいます。今回の災害は、局所的でありますが、1件1件の被害状況は東日本大震災とあまり変わらないと思います。その状況を伝えていくことは、非常に大切であると改めて感じました。

〇TEAM防災ジャパンサイトの読者をはじめ、全国に伝えたいことは何ですか?

まだ復興活動がはじまったばかりなので、どのような支援が必要なのかというニーズが見えきっていない状況です。目に見える被害とともに、目に見えない被災者の生活環境やメンタル的な問題もあると思い、それを回復するには長い時間が必要だと思います。日々新しい課題が出てくる中で、それをひとつひとつ対処していくことも大変になってきます。特に、農業被害も大きいため、被災者は大きな収入減であり、地域としてその割合が高いため、その集落が地域として成り立たなくなってしまう恐れもあります。生活再建できないレベルになってきており、一人一人にかかる被害は大きくなっています。東北だろうと熊本県だろうと朝倉市だろうと、被災状況は代わらないので、この被害を風化させてはいけないと思っています。このため少しでも多くの人に、九州北部豪雨災害に関心を持ってもらいたいです。


ピースボード災害ボランティアセンタースタッフ 垣貫 紀彦氏

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〇支援活動を行っている中で、どのようなことについて課題だと感じていますか?

東峰村では未だに雨振ると裏山の法面などの土砂崩れがあり、道がストップする恐れがあり、その都度被災者は避難している状況です。道路や法面の整備工事は行っていますが、時間がかかるため工事が完了するまでは、ボランティアの支援が必要となります。
また、被災者がこれから自立発展するためにはどういう体制でやるべきかを、話しているところです。人口規模の小さいところで恒久的な支援のためには、支援してくれる団体・組織が必要です。特に、田んぼの復旧は、東峰村の中では大きな課題となっています。棚田100選に選ばれている素晴らしい景観は、東峰村の代表的な部分でした。また、高齢者の人が多いため、自給率をどう挙げるかが課題であり、そのためには早く以前の生活に戻れるようにすることも必要ですし、農業をはじめとした産業の復旧も大事です。

〇TEAM防災ジャパンサイトの読者をはじめ、全国に伝えたいことは何ですか?

朝倉市は、まだまだ人手が必要ですので、ボランティアに参加して欲しいと思います。東峰村は生活支援など息の長い支援が必要となっています。東峰村の景観を取り戻し、それを見に来る人が出てくるところまでは支援が必要だと思います。大きなメディアに取り上げられることもよいことですが、今はSNSなどいろいろな発信媒体があるため、それらをもっと活用して欲しいと思います。まずは来てもらって来た人がSNSを通じて、現状をいろんな人たちに発信し、一人でも多くの人に関心を持ってもらうことが大事だと思います。