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【能登地震】上村貴広(かみむらたかひろ)

災害情報支援ポータル 代表

主な活動地域
石川県 七尾市
最近の防災・減災活動
  • 2024年01月 石川県 金沢市 初動での情報収集、情報・ICT支援

現時点で、能登半島地震の(事前及び事後の)対応で良かったこと、今からでも改善されたら良いと考えること、そして、それらの理由を教えてください。

社会福祉協議会(社協)やNPO等による支援について、過去の災害支援でのつながりが活きた点。2023年5月の地震ではNPOやボランティア等が家屋の応急処置や生活支援に入り、地元行政や社協、被災者との信頼関係を醸成していたため、発災時、いち早く連絡を取り、現地に駆けつけていました。改善点は、様々な情報の集約と共有、それに対する各セクターの役割分担に関わる意思決定が、特に支援団体と行政とで、もう少しスムーズに進めばと思います。その為には、次に繋がる、形式的ではない支援の振返りと、そこからのフィードバックを続けていく。また、実際に現場をマネジメントができる人材の育成も、支援の礎を支えるため必須です。

能登半島地震から、今後の日本が学ぶべきこと、御自身の活動分野で改善が求められることは、どんなことですか?

やはり、初動時に多機関で協働するにあたっての情報共有と意思決定です。特に命に関わる、要救助者や避難所で災害関連死の可能性のある避難者情報をどう集め、共有していくか。そして、どこがどう対応していくかの意思決定は、今回も特にマネジメントで課題があったように感じました。その他、災害廃棄物(元々は大切な思い出の品)置き場と処理方法をどうするかも相変わらずの課題でした。私の分野では、いかに現場の情報を集約して団体に共有、最終的な被災者支援につなげられるか。同時に、そこで出てくるフィードバックや課題をまとめて次につなげる。より良い支援とするために、検証を続けながら探っていきたいと思います。

これからの能登半島が、どのように復興していくことを期待されますか?そこに、御自身はどのように関わる予定ですか?

復興以前の未だに断水が続く地域(仮復旧後の管凍結や、敷地内では、まだ復旧していない世帯もあります)や、豪雨災害からの復旧、諸々の暮らしづらさへの寄り添い支援が、まだまだ必要に思います。復興については、住民の方々主体で進めることは第一ですが、元々高齢化率も高く、生業も限られている地域で、災害からの復興と、日本全国、山間部での暮らしの課題を先取りしての街づくりの観点も重要です。一方、全国からボランティアや支援者が集まり、そのつながりから交流人口が増えている機会を、地元のまつりと掛け合わせるなど、上手く活用されればと思います。私自身は、災害対応の検証をしつつ、能登の魅力を発信し続けていきたい。

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