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リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

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【能登地震】神谷秀美(かみやひでみ)

株式会社マヌ都市建築研究所・代表取締役、認定NPO法人日本都市計画家協会・理事

主な活動地域
石川県 輪島市
最近の防災・減災活動
  • 2024年02月 東京都 千代田区 日本都市計画学会能登半島地震震災復興討論会~時代を見据えた復興の論点の見取り図を考える~での緊急提言

    https://www.cpij.or.jp/com/rev/open_meeting/20240224.html
  • 2024年03月 石川県 輪島市 黒島地区勉強会講師

  • 2024年06月 石川県 輪島市 休眠預金活用事業「黒島地区の住宅の安全確保と2次避難者の帰還支援」の事業責任者

現時点で、能登半島地震の(事前及び事後の)対応で良かったこと、今からでも改善されたら良いと考えること、そして、それらの理由を教えてください。

発災の数日後に県が「能登への不要不急の移動は控えてください」と発表したこと。これには批判的な意見もあるが、結果的には交通・宿泊機能が崩壊した中で災害支援に熟練したボランティアのみを招き入れ、支援者の殺到による混乱を防ぐ効果を発揮したと推察する。その後、限られたボランティアで効率的に支援するための連携体制が芽生え、その活動を休眠預金活用事業等が資金面で支えるなど、官民連携の活動体制に発展したと思う。

能登半島地震から、今後の日本が学ぶべきこと、御自身の活動分野で改善が求められることは、どんなことですか?

先述の県の発表によりボランティア支援が少なかったにも関わらず、何とか応急対策期を乗り越えて来られたのは、支援がなくても相互に支え合いながら自立的に長期の被災生活を続けることができた住民の逞しさがあったからこそ。自然環境と共生する伝統的な暮らし方と地域コミュニティのなせる業であり、そのような日本の伝統文化を防災の面からも再評価し、現代の暮らしに活かす方法を考えていく必要があると思う。

これからの能登半島が、どのように復興していくことを期待されますか?そこに、御自身はどのように関わる予定ですか?

奥能登地域は被災前から深刻な過疎化と高齢化に悩まされていた地域であり、集落部では地域の復興の担い手として期待できる世代は数えるほどしか見当たらない。この震災を機に移住者や関係人口を積極的に募り、地域の伝統文化を活かしつつも、移住者や関係人口が新たな地域づくりに取り組む復興が期待される。自分も、単なる外部支援者ではなく、新たな地域づくりの担い手の一人として末永く関わり続けるつもりである。

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能登半島地震