まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

※寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

山口真吾(やまぐち・しんご)

山口真吾(やまぐち・しんご)

慶應義塾大学環境情報学部 准教授

出身地:神奈川県
最近の防災・減災活動:
・総務省 非常用通信手段を取り扱う人材育成制度の創設(2017年度~)
・総務省 大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会(2015年12月-2016年6月)
・日比両国の「防災ICTシステムの模範的活用事例集」(2015年)の作成
・総務省 フィリピン緊急警報デジタル放送実験プロジェクト(2014年-2015年、マニラ)

・防災に取り組み始めたきっかけは?

東日本大震災が発生した当時、総務省で情報通信技術(ICT)のイノベーション政策を担当していました。当時の補正予算で防災・減災のための研究開発プロジェクトを企画する仕事をしたのがきっかけです。その後、プロジェクトの中から役立つ研究成果が出てきたので、それらを社会実装に結びつけることが目下の関心です。今年4月から2年間の予定で慶應義塾大学に来ていますが、人工知能(AI)と防災・減災を上手に結びつける研究を私の研究室の研究テーマに据えています。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

総務省で「大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会」を平成27年11月に立ち上げて、報告書を公表しました。情報通信分野と災害医療分野の間でポテンヒットになっていた通信途絶問題を扱いました。多くの有識者委員に恵まれたため、内容の濃い報告書に仕上がりました。この報告書が裏付けになることで、今年4月に改定された国の防災基本計画では、災害情報を迅速かつ正確に分析・整理するため、国・自治体に対する最新の情報通信技術の導入努力義務を新たに盛り込むことができました。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

日本の防災・減災は、災害時の「災害情報の価値」や「活動の情報ネットワーク化」の重要性が軽視されていると思います。ほぼ全員がスマートフォンやSNSを使いこなす時代なのに、なぜ災害時には必ず情報不足と情報混乱が起きるのか。なぜ被災者・避難所の支援が情報混乱でうまく動かないのか。なぜ応急対策は、組織縦割りで非効率的なのか。なぜ防災分野に最新の情報通信技術がなかなか普及しないのか。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

日本の防災・減災は、個人の熱意と属人的ネットワークが“エンジン”となっています。それは素晴らしいことで否定されるものではありませんが、本来は、政府・自治体・企業がリーダーシップを発揮してもっと前に出るべきです。防災・減災に関する制度・組織・標準化・予算施策・ネットワークをよりダイナミックに進化させて、実効性のあるものに変えていくことが必要だと思います。こう考えますので、これからも防災・減災で協力し合えるよう、大勢の方と繋がれる(ご縁を持てる)ことを願っていますが、繋がれることを希望する具体的な人物や団体・企業はあえて挙げません。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

技術革新の激しいスマートフォンや人工知能といった情報通信分野と比較すると、防災・減災分野で起こるイノベーションの貧弱さ気になります。そのギャップを埋めていくような役割に期待しています。異分野同士を結びつけるオープンイノベーションのエンジンの役割も期待しています。

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