まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

早川直喜(はやかわ・なおき)

札幌市危機管理対策室危機管理対策部危機管理対策課 地域防災担当係長

生年:1969年
出身地:北海道南富良野町生まれ、置戸町育ち(小学校卒業まで)
最近の防災・減災活動:札幌市は平成29年度に危機管理対策室に地域防災担当係長を新設し、地区防災計画策定のモデル事業を始めました。跡見学園女子大学の鍵屋一教授と三重大学の川口淳准教授にご指導をいただき、ふたつの地区において、勉強会やワークショップ、避難場所運営研修などを重ねながら、地区防災計画の策定に取り組んでいます。

・防災に取り組み始めたきっかけは?

2004年に札幌市で三重県からDIGが生み出されるきっかけとなる活動をされた南部美智代さんを招いたDIGの研修会があり、そこに参加したことがきっかけです。ただ、これだけではない気がしていて、一見防災に関係のない記憶もモチベーションになっているような気がしています。例えば、同じ保育園に通っていた障がいのある子のお母さんの、この子が死ぬまでおばさん、死ねないんだぁ、というつぶやきだったり、炭鉱で保安をしていたおじが、サイレンが鳴ると飛び起きてヤマに出掛けて行く姿だったり、爆発が起きた坑道に注水するという説明に、親戚のおじさんが、まだ人がいるんだよ、と怒鳴っているニュース映像などが、自分を動かす力になっていると感じています。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

札幌市でDIGがまだほとんど実施されていなかった2006年に、連合町内会を対象にDIGをしました。同じ連合町内会で2017年に、町内会主体で100人を超えるリアルHUGを実施することになり、そのお手伝いをしました。最初に相談を受けたとき、HUGをやったことがないと聞いたので、いきなりそんなに大きなリアルHUGはおすすめしません、と言ったのですが、町内会の皆さんが見事にやり遂げてしまいました。地域が自分の想像を超えた熱意と行動力を持っていたことと、自分が地域に恩返しができたようで嬉しかったです。防災に取り組み出した当初はまちづくりという視点から防災を見ていました。今も安全安心が全ての起点ではないかと考えています。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

つながりの意味が変わるかもしれませんが、過去と現在と未来のつながり、防災とそうでないもののつながりが課題だと思っています。これらをつなぐには、防災をいろんなものに「○○with B(防災)」というように組み込むのはどうかと思っています。と同時に、もう既に組み込まれているかもしれない防災のエッセンスに気付けるようになることでしょうか。
先に挙げた課題を自分に当てはめて、大学生になった自分でも一瞬ふらつくくらいのいっぱいの野菜を前かごと後ろの荷台に積んだ自転車を漕いで迎えに来てくれた農家だった亡き祖母から感じた、家族を思う気持ち、地域を思う気持というものを、自分の仕事につなげられたらと思っています。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

繋がってよかったのは、2004年の南部さんを招いた研修会の進行等を務められ、2006年に私が企画したDIGでご指導をいただいた、北海道教育大学の佐々木貴子教授です。佐々木教授には、それ以来大変お世話になっており、感謝しております。
繋がりたいと思っているのは、南三陸町立志津川中学校の佐藤公治先生です。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

まじめにやっている人が幸せでいられる、そんな世の中であって欲しいと思っています。災害が、そんな日常への壁となり、谷となるので、それを乗り越え、むこう側にすすむための橋が必要です。それは、災害時に刻々と変化する状況に対応するための知恵だと思います。日本の豊かな自然と災害とを切り離すことはできませんので、これまで日本は、たくさんの災害に見舞われ、その度に大切なことを学んできたはずです。ここに蓄積されている、自然から決してひとりでは学ぶことのできない防災の知恵を、今後とも多くの方々に伝え続けていただけたらと思います。