まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

※寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

浅川達人(あさかわ・たつと)

浅川達人(あさかわ・たつと)

早稲田大学人間科学学術院・教授

出身地や活動地域:長野県出身、岩手県大槌町にて活動
最近の防災・減災活動:【論文】浅川達人、2021、「マクロ統計データによる東日本大震災被災地の動向」ESTRELA、no.324、pp.2-9 【研究交流会】第7回震災問題研究交流会の開催:https://greatearthquakeresearchnet.jimdofree.com 【シンポジウム】「東日本大震災10年の軌跡と大規模災害からの復興をめぐってー新たな「日常」への模索」にてシンポジストとして報告:https://www.waseda.jp/flas/rilas/news/2020/12/18/7627/

防災を取り組み始めたきっかけは?

阪神淡路大震災の発災時、火の手が上がった市街地の映像を目にし、災害は他人事ではないと実感しました。それ以来、個人的に防災に取り組むようになりました。
また、東日本大震災の被災地である、岩手県上閉伊郡大槌町に通うようになってから、社会学者として防災・減災をどのように捉えるべきか、考えるようになりました。


ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

東日本大震災の被災地である、岩手県大槌町吉里吉里には、この地域の方言をまとめた『吉里吉里語辞典』がありました。
筆者である関谷徳夫さんのご自宅は津波によって流され、保管していた辞典も全て流されてしまいました。津波で流された思い出の品々を回収・整理していたボランティアが、吉里吉里語辞典を1冊発見してくれました。私はそれを持ち帰り全てを電子データ化しました。そして、インターネットを通じて、画像データを見ながら文字データとして入力するボランティアを募集しました。
全国から集まったみなさんの入力作業のおかげで、『復刻版 吉里吉里語辞典 いとしく おかしく 懐かしく』をハーベスト社さんから出版することができました。


防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

できれば災害に遭うことを避けたいと、誰もが願っています。しかし、それは叶わぬ願いです。そのため、たとえ災害に遭っても災害による被害をできる限り少なくすることが、防災・減災活動では重要になります。津波や洪水といった災禍は、誰に対しても同じだけの被害をもたらすわけではありません。体力が衰えた人びとにとっては、迅速に避難することは困難です。言語がわからない人びとは、危険を告げる情報を受け取ることができません。
地域社会で暮らしているさまざまな脆弱性を帯びた人びとと、きちんとつながっていること。このことが、防災・減災活動では大切だと考えており、それが実現できていないことが課題であると考えます。


TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

防災・減災活動というと、例えば、非常時持ち出し袋を用意するといった活動を想起する方が多いことと思います。もちろん、そのような災害に備えた個々人の準備活動は大切です。
しかしながら、防災・減災活動においては、地域社会で暮らしているさまざまな脆弱性を帯びた人びととつながることが大切であり、またどのようなことが「脆弱性」につながるのか、そのことを一つひとつ考えていくことも大切だと考えております。


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