まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

涌水 彩(わくすい・あや)

水道産業新聞社(上下水道を中心にした水の総合専門紙) 記者

出身地:兵庫県姫路市

・防災に踏み込んだ(取り組み始めた)きっかけは?

過去の大規模災害では被災地の広範囲で水洗トイレが使えなくなり、被災者が劣悪なトイレの使用を強いられるなどトイレ問題が浮き彫りになりました。特に女性がトイレを我慢して膀胱炎になったり、水分を控えて亡くなられた方がいらっしゃいました。そこで、本紙の読者である上下水道関係者に、災害時のトイレを考えるきっかけにしてほしいという思いを込めて取材を開始。国土交通省下水道部が『マンホールトイレ整備・運用のためのガイドライン(平成28年3月)』を策定することを知り、そのタイミングで「災害時のトイレ問題を考える」座談会を企画しました。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

1人でも多くの方に災害時のトイレの実態を知っていただくことが重要です。熊本地震が発生した際には、マンホールトイレを中心とした被災地のトイレ事情について報道しました。熊本市ではマンホールトイレを整備していた4つの避難所で活用され、避難者から「段差がなく、洋式なので非常に快適に使えた」と好評を得るなど、災害時にマンホールトイレの機能が発揮できることが再確認されました。その記事が、ある下水道関連の企業の方の目に留まり、下水道関係者に注目記事として拡散していただいた嬉しい出来事もありました。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

災害時のトイレ対策の全体統括責任者について、半数以上の自治体が〝決めていない〟といったアンケート結果がありました。「自分たちの部署の担当ではない」と災害時のトイレ対策に対して積極性に欠けるケースもあるようです。熊本地震の被災者の方に「被災して何に一番困ったか」と質問したところ、「トイレと水」と何度も繰り返されていました。災害時に不自由することのないトイレ環境をつくるためには、危機管理部局、下水道部局、環境部局、さらには水道部局とのつながりを強化することが大切だと取材を通し痛感しました。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

「災害時のトイレ問題を考える」座談会にご登場いただいた方々(行政、企業、学校の職員)とのつながりができたことは大きかったです。座談会実施後もメールやLINEで災害時のトイレに関する情報を共有して、自分たちの活動のヒントにしながら、それぞれの立場から災害時のトイレについて考える種まきをしています。異業種の方と災害時トイレに関する意見交換をする中で、これまでと違った見方ができたり、新たな発見があるほか、活動にどんどん広がりが出てきています。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

つながるからこそ、できるようになる防災・減災がたくさんあります。様々な立場の方々の考えや経験などが紹介されているTEAM防災ジャパンサイトは大変貴重だと思います。いつどこで発生するか分からない大災害の防災・減災につながることを期待しています。