まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

※寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

田村幸雄(たむら・ゆきお)

田村幸雄(たむら・ゆきお)

重慶大学土木工学院・教授

出身地:福岡県
最近の防災・減災活動:2009年にUN-ISDR(現UNDRR)の International Thematic Groupの一つとして、IG-WRDRR (International Group for Wind-Related Disaster Risk Reduction)を立ち上げる。バングラデシュでの竜巻防災に関する一連の活動、Mini Safe Roomプロジェクトの実施(2011-2013)

防災を取り組み始めたきっかけは?

建築物の耐風設計に関連する研究を大学院で始め、その関連で1975年に八丈島を襲った台風13号の被害調査を行ったのがきっかけである。
激甚な建物被害の他に、地形の影響、飛散物の影響に衝撃を受けた。その後、台風や竜巻による多くの災害調査に従事し、活動の場も国内だけでなく、海外へと拡がっていった。研究者としての活動は、建築物や構造物などの耐風性能の向上のためのものであり、広い意味で常に防災に繋がっているが、2007年に国際風工学会の会長に就任して以降、より直接的に強風防災、特に発展途上国の強風災害低減活動に、取り組むこととなった。


ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

紹介したいエピソードは、竜巻による人的損失が世界一であるバングラデシュで行ったミニセイフルーム活動で、土間床に2平米程度の食品貯蔵庫兼シェルターを現地で安価に作成した。ところで、最近の日本の自然災害による経済的損失は年平均2兆円を大きく越えている。いま一番必要だと考えているのは「実大ストームシミュレータ」である。実大の住宅等を入れて極限レベルの風、雨、雪などを作用させて、種々の構工法、建材などの性能を調べるものである。建築物等の耐風性能を計算で評価することは難しく、実物で破壊してみないと分からない。
数%でも被害を低減できれば初期コストやメンテナンス費用を遙かに超えるメリットが生み出せる。


防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

色んな意味での「つながり」があるが、私自身の身近なところで言えば、風工学と気象学など異なる学問分野間のつながり、研究者と自治体や住民とのつながり等、重要であるが必ずしも旨くいっていない繋がり構築の課題は多い。
強風災害の最も重要なのは台風である。これは多くの場合、高潮や豪雨を伴い、風災害と水災害は同時に発生し、気候変動の影響などもあり、両者の激甚災害数は近年著しく増加している。世界中での自然災害による経時的損失の8割近くが風水害によるとも言われている。住民の避難などを考える上でも、一方だけでなく、両者を密接につなげて対策を練らなければ危険である。これも広い意味の解決すべきつながりである。


ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!

2009年に国連関連組織やNPO、NGOで防災活動をされている方々との繋がりができ、学術団体や研究者だけの閉じた世界での活動から、社会との直接的な関わりへ向けて活動の幅や奥行きを広げる大きな機会となった。当時、UN/ISDRにいらっしゃった小野裕一さん(現・東北大学)、アジア防災センターADRCの角崎悦子さん、バングラデシュBDPCのSaidur Rahmanさんなどには大変お世話になった。
小野裕一さんには風関連災害低減国際グループIG-WRDRRの議長を引き継いで頂き、角崎悦子さんには更に多くの国内外の方々との繋がりをアレンジして頂き、風工学からの防災活動への貢献を後押ししていただいている。


TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

日常的に、防災への一般の人の興味や関心を引くのは難しい。Push タイプの活動も必要な気がする。社会を構成する重要な要素は、個人、営利法人、非営利法人、病院、学校、自治体、国などである。防災活動には、これら全ての結集が必要であるが、必ずしも十分とは言えない。特に、防災関連企業以外の営利法人、つまり一般企業の参画は殆ど目に見えない。
本サイトを通じて、より効率的な働きかけを期待したい。

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