まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

神谷秀美(かみや・ひでみ)

株式会社マヌ都市建築研究所取締役
認定NPO法人日本都市計画家協会理事
NPO法人幕張海浜公園を育てる会副理事長

生年月日:1964年11月19日
出身地:東京都足立区
最近の防災・減災活動:
①季刊まちづくり39号(2013年7月発行) 特集「復興まちづくり3年目の課題」 陸前高田市広田地区の復興まちづくりのプロセスと課題
②建築防災2015年2月号 特集「阪神・淡路大震災から20年 その4 その教訓とその後の対応」防災まちづくり

・防災に取り組み始めたきっかけは?

元々は、主に歴史的建造物の保存活用や景観まちづくりに取り組んでいましたが、ある時、弊社の所長から「あなたは防災をやりなさい」と言われ、いやいやながら防災分野に転身しました。しかし、学生時代は登山に明け暮れていた僕にとって、防災の世界は合っていたのでしょう。学ぶほどに面白くなり、徐々にのめり込み、1995年に阪神・淡路大震災を目の当たりにした頃には、どっぷりと防災の世界に浸かっていました。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

防災に取り組み始めた頃、一番難しいと感じていたのは、市民等に「災害イメージ」を理解してもらうことと「防災意識」を高めてもらうことでした。阪神・淡路大震災で一時的に防災への関心は高まったものの、首都圏の住民にとって関西での出来事はやはり対岸の火事でしかなく、2~3年もすると元に戻ってしまいました。そのため、その後の国による様々な啓発活動に伴い、コンピューターのシミュレーションツールを作成して地区の「災害イメージ」をヴィジュアルに説明するなどの工夫を試みました。その試みは一定の成果が見られましたがやはり実体験には敵いません。東日本大震災では首都圏も強い揺れに見舞われ様々な被害が発生しました。首都圏の住民もそれぞれの実体験を持っています。その後は、東日本大震災後は被災当時の記憶を呼び覚ましてもらった上で様々な被災地で見聞したことを紹介することで、自ずと「災害イメージ」が共有され、「防災意識」を高めてもらえるようになってきたと感じています。


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

20年くらい前に、ある自治体の地域防災計画改訂作業を手伝っていた時、当時の課長が「我々が作っているのは防災分野の縦割りの計画ではない、総合行政計画だ。災害時に行政組織をどう運営するかという、市長の視点からの総合的な計画づくりが求められているのだ。作業を始めてみて、今やっとそれに気がついた」と言っていたことが忘れられません。また、阪神・淡路大震災の復興まちづくりをリードした業界の大先輩が「災害時に“やらなければならないこと”はそれほど多くない。でも、一人一人が“やれること”はたくさんあるはず」と助言してくれたことも忘れられません。
災害時には、あらゆる分野の人たちが自発的・能動的に活動し、それが有機的に結びつかなければ円滑な対応はできないと思います。その分野横断的かつ自発的な活動を受け止められる社会的認識の醸成と、それらを円滑にコーディネートする仕組みやノウハウの構築、それを担える人材の育成が、現在の大きな課題のように感じています。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

自分が住むまちの防災活動にも約20年前から参加しています。防災をきっかけに地域の人々と繋がり、信頼し合える関係づくりができました。もし、僕が不在の時に大災害が発生してもまちの人々が僕の家族を守ってくれることでしょう。仕事のみならず、個人的にもそのような地域との関係を築けたのは大きな財産だと思っています。また、近年は福祉分野の方々(研究者、社会福祉協議会、当事者)等との繋がりが深くなり、防災をきっかけに自らの視野と理解の幅が広がりつつあることを楽しんでいます。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

災害はいつ襲ってくるかわからないため、防災活動は継続性が必要になります。その継続性を保つために、最近は、ただ真剣に取り組むだけではなく、「楽しみながら防災」に取り組むことが重視されてきているように感じます。TEAM防災ジャパンサイトでは、そのような楽しそうな取り組みも多く紹介されているので、新たな取り組みのアイディアを考える際に役立ちそうです。今後も幅広い視野から、「防災×〇〇」のような楽しそうな情報を積極的に発信していただけることを期待しています。