寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
- 主な活動地域
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岩手県 全域
- 最近の防災・減災活動
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生年:1979年
出身地:岩手県釜石市
最近の防災・減災活動:本学主催で最も大きな災害医療に関する研修、「日本災害医療ロジスティクス研修」が今年も開催され多くの方々にご参加いただき盛会のうちに終了いたしました。本研修は東日本大震災で被災した施設に御協力いただき、実際に現地に派遣するといった実践的な研修です。今年で第5回を数えますが定員に対して参加希望者がはるかに多く、災害医療ロジの重要性を痛感しております。
・防災に取り組み始めたきっかけは?
2008年に発生した岩手宮城内陸地震の際、当時私は多数傷病者が運ばれた岩手県内の災害拠点病院に勤務していました。そのことで災害医療の重要性を認識しました。岩手宮城内陸地震から約半年後にDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)となり、2011年にあの悍ましい東日本大震災と対峙しました。私にとって災害医療と深く関わるきっかけとなったのは、被災地のど真ん中で対応したこの2つの災害によるところが大きいです。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
東日本大震災の超急性期に大槌地域の情報収集の任務を仰せつかりヘリで向かいました。眼下に広がる光景は想像をはるかに超えるもので何から手をつければいいのか愕然としました。まずは現地で対応にあたっていた地元消防に接触したところ、なんと私の小中学校時代の後輩でした。彼の活力に触発され自分を奮い立たせ、本部への情報提供など任務を遂行できたことが記憶にあります。その後輩による後日談では、私が行った直後から大槌への支援が活発になったとのことで、感謝の言葉をちょうだいしました。支援が活発化したのは私の果たした任務に起因するものではないと思いますが、少しでも役に立てたかもしれないという気持ちで非常に嬉しかったです。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
防災活動、私たち医療の分野では災害医療活動と言いますが、災害医療活動における現状の課題として2つのことを挙げたいと思います。まず1つ目は、災害時の情報通信についてです。災害時は平時の通信機器が使えなくなることが多く情報連絡に支障をきたします。これは医療分野だけの問題ではありませんが、一刻も早い人命救助活動を要求される我々医療にとってはなおさら重要な問題です。今後は人工衛星地球局や衛星携帯電話のさらなる普及と円滑に使いこなせる人材育成が課題です。2つめとして挙げさせていただく課題は、災害医療は平時の医療つまり病院経営と直結しないという考え方を持っている方が少なくないため災害医療の担い手が育ちにくいということです。また現在災害医療活動を頑張っている方でも業務ではなくプライベートな時間を削ってボランティアで災害医療活動している方も少なくありません。今後はもっと災害医療のプロを増やし、災害医療は災害大国日本における医療分野のむしろ柱として世界にアピールしてもよいのではないかと個人的には感じています。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
災害医療分野に身を置くようになり、いろいろな刺激を受け一人の人間として磨いていただいている感じを覚えます。そんな環境を与えてくれている、日本集団災害医学会・DMAT・国際緊急援助隊の関係者の方々、災害時の通信について共に取り組んでいるスカパーJSATや関係者皆様には大変感謝しております。また、岩手では警察(Police)・消防(Firefighting)・自衛隊(self Defense forces)・医療(Medical)で構成するPoFiDeMe会(ポフィデメ会)なるものを作っておりそのメンバーとは繋がれてよかったと常々思っております。そして忘れてはいけないのが、当方の岩手医科大学職員の皆様です。救急・災害・総合医学講座の皆様や救急センターのスタッフ、災害時地域医療支援教育センターの皆様です。災害というのは被災地で活動した人が脚光を浴びがちですが実はその裏で出動した人達の分まで通常業務を担ってくれているスタッフがいることを忘れてはいけません。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
防災においては、職種や組織の垣根を超えた対応が必要不可欠です。来るべき大規模災害にオールジャパンで臨むためにもより多くの方が繋がることが大切です。このサイトはその点においてとても寄与していると感じますので今後もますますの発展を期待します。
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