寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・防災に踏み込んだ(取り組み始めた)きっかけは?
1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の時、増え続ける死者の報道をテレビで見て衝撃を受けました。これをきっかけに防災関係の研究室に入りました。学科は情報工学系だったのですが、研究室は土木系、修士の指導教員は理学系で、学際的な防災研究への道は、ここで培われたと思います。ちなみに博士の指導教員は建築系でした。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
社会人博士過程の3年生の時、妊娠・出産をした事ですね。3月には学位論文が間に合わなかったため学位取得は7月になったのですが、大きいおなかで公聴会を行ったのは研究科でも初めてだったのではないかと思います...育児をしながらの研究はいろいろ大変な事も多いですが、その大変な事一つ一つが災害とはどういうことか、防災とはどういうことかについて、大きな気づきを与えてくれています。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
現在、防災リーダーの育成事業に関わっているのですが、多く聞かれるのは「防災リーダーになったものの(防災士は取得したものの)、活動の場がない、何をしたら良いか分からない」という声です。講座を開けば良いというものではなく、育成した人材がどうあれるか、まで考えた仕組みが必要ですね。私の所属している清流の国ぎふ 防災・減災センターでも、つながりの場づくり、活動の場づくりの取り組みを進めているところです。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
岐阜大学では、岐阜県と協働して清流の国ぎふ 防災・減災センターを設置し、防災減災の実践と研究を両輪で進めています。実践と研究を一緒に行う事によって、PDCAサイクルを実現することができます。防災減災は関係各所が顔の見える関係にあるかどうかで出来る事が随分変わりますので、行政、大学、地域はもちろん、医療、福祉、介護(特に地域包括ケアと防災は一緒に考えたいですね)、NPO、企業、みんなが一緒に考える場を作って行きたいと思っています。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
防災はやはり「顔の見える関係」がとっても大事ですので、情報提供だけでなく実際に顔をつきあわせる場にもつながると良いと思います。また、距離が遠いと同じ場所に集まることが難しい場合もあると思いますので、公開ハングアウト(オンライン会議やワークショップ)など、オンライン上でもつながれる企画もあるといいですね。そうすれば、家を空けられたない人や、移動が難しい人、海外からでも参加出来ますしね!
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