寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・防災に踏み込んだ(取り組み始めた)きっかけは?
大学で自然地理学を学び、活断層や地震性地殻変動、古気候の復元などに取り組んだことがきっかけです。自然災害は、人と自然環境の間で生じます。地形や気候を知れば、水害や土砂災害、そして地震や津波、火山に対して、私たちがどう向き合い暮らすべきか、おのずと答えが見えてきます。「見えないものが見えてくる」という科学の魅力を学び、それをどう暮らしに活かすのか。「見えないものを見せる」メディアの仕事に就きました。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
私自身でうまくいったことはありませんが、15年ほど前、NHK名古屋にいたときに「防災いろはかるた」を募集しました。7歳の女の子が投稿してくれた「本当は、いざより今の備えだよ」という作品がとても“うまく”、防災の本質をついていると感じました。今でもたびたび引用させていただいています。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
「防災は地域、自助、共助」と言いますが、高齢化が進み「地域のつながり」が希薄になっていることは、大きな課題ですね。我が町内でも、参加していた少年消防団が解散、子ども会は参加人数が減り、寿会が増えています。地域づくりの中で、災害リスクが高い場所から低い場所に誘導する政策(公助)を検討する必要があると思います。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
災害時には、よく「行政も被災する」といいますが、防災にかかわる各個人も災難にあうことはあります。そんな時に、ふと声をかけてもらえたり、支えになってもらえる人とのつながりは、とても大切です。そして、海外の方とのつながりも。2006年に「ハリケーン・カトリーナを受けてアジア太平洋地域の若手防災担当者(市長、知事、行政、メディア、NGO)18人と約1カ月、ニューオリンズやワシントンDCをめぐりながら、災害軽減戦略や復興政策について討論しました。当時は、日本の阪神・淡路大震災が、復興のお手本だと皆さんが言い、参加者の一人は、直後に日本に留学してきました。2012年のハリケーンサンディーでは、アメリカは教訓を生かし“タイムライン(和製英語)”と呼ばれる事前対応をとりました。国を超えたつながり、情報交換、切磋琢磨も大切だと感じます。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
約10年前、中央防災会議に「災害軽減のための国民運動推進に関する専門調査会」が設置され、私も参加しました。その活動が、このTEAM防災ジャパンにつながり、夏の第一回防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)として結実したことをとてもうれしく、心強く思います。
「地域のつながり」が希薄になる中で、ネットを使った防災のつながりづくりが果たす役割は大きいと思います。そして、まだまだできることはありますね。「災害大国から防災大国に」日本を一緒に変えてゆきましょう。これからも宜しくお願いします。
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