リレー寄稿
地域防災の担い手をご紹介
吉田千春(よしだちはる)
気仙沼おとひめ会 代表
- 主な活動地域
- 宮城県 気仙沼市
- 最近の防災・減災活動
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出身地:宮城県気仙沼市
最近の防災・減災活動:2011年の東日本大地震を機に、休止していた気仙沼おとひめ会の活動を再開。
震災直後は、地元のネットワークを活かして支援ニーズと支援者を結ぶ調整活動を行うほか、気仙沼市外からの支援団体・個人の安全確保のための情報共有等を行う。
令和2年現在も、2年に1回の地域調査を実施している。
防災を取り組み始めたきっかけは?
幼少期、祖母から「防災」や「津波災害」についてたくさんのことを教わりました。 生活の中に当たり前のこととして「防災」があり、いのちを守ることの意味について考える環境がありました。東日本大震災の時、祖母の「高い所に逃げろ」「火を消せ」「冷静に考えろ」「物に執着するな」「できることだけでいい、自分と他人の命を守れ」「騒ぐな」「食べ物と灯りと水を持て」という教えに命を守られました。 私の「防災」の原点は祖母。 私もおばあちゃんのように「いのちを守りたい」と思い、生活の中にある「当たり前の防災」に取り組んでいます。ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
震災後、著しく低下した地域力の回復の手がかりを探るため、2年に1回地域調査を実施しています。 地域調査の回答率は約85%。調査の結果、住民が「防災」、「福祉」、「環境美化」に関心が高いこと、若者、女性が地域に参加したいという意思を持っていることを把握できました。その結果を踏まえ、自治会組織の中に「若者部会」と「女性部会」を立ち上げ住民全員が地域に参加しやすい環境をつくることができました。 障がいのある方々も自分のできることで地域に参加したいという意思を表明し参加してくれています。 多世代交流がなかなか進まないことが、今後の課題です。防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
多様性を認め合うことが苦手なことが課題であると認識しています。 「みんな同じがいい」という教育環境に影響され、自分の価値観に合わないものを批判したり、排除しようとする人がまだまだ多いと感じます。「みんな違ってみんないい」「それぞれの異なる能力を認め合う」「全ての命が資源である」ということ、違いを「個性」として正しく認知することが「つながり」をつくるためには大切なのではないかと思います。 排他的な考え方が、全体の成長を阻害してしまうと考えています。ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!
東日本大震災後、「災害から命を守るために必要なこと」、「命を大切にすること」の意味を語り継ぐ活動を続けておられる南三陸ホテル観洋の営業次長伊藤俊さんをご紹介させていただきます。 伊藤さんは、南三陸町の地域経済活性化、復興地域づくりなどの活動にも真摯に取り組んでおられます。 コロナ禍においてはオンライン授業などで「災害について」「命を守ること」「地域経済の復興」「避難所運営」についてなど多岐にわたり情報を発信し、全国のみなさんに災害や防災について学ぶ機会を提供しています。TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
全国でさまざまな活動をされておられる皆さんの活動のきっかけ、内容、うまくいかないことなどを知る機会をいただいています。共感できたり、活動のヒントをいただけたり、もう少しここを聞いてみたいと思ったり楽しく拝見しています。 防災に関わる人たちが「つながる」キッカケになっていくことを期待しています。- 関連タグ
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