リレー寄稿
地域防災の担い手をご紹介
【関東大震災100年】池谷浩(いけやひろし)
山梨県富士山科学研究所 客員研究員
- 主な活動地域
- 山梨県 富士吉田市
- 最近の防災・減災活動
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2024年01月 山梨県 全域 富士山火山防災協議会 山梨県コアグループ会議
https://www.bousai.go.jp/kazan/fujisan-kyougikai2/index.html -
2023年09月 山梨県 富士吉田市 令和5年度富士吉田市防災の日 講師
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2023年12月 群馬県 嬬恋村 浅間山北麓ジオパークフォーラム2023 コ-ディネーター
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関東大震災から100年経ちましたが、教訓として伝わっていると考えられることはなんですか?
・神奈川県にある大山阿夫利神社の門前町では、関東大震災の際、地震による被害はほとんどなかったが、地震から2週間後の豪雨による土石流で人家140戸が流失するという被害がでて、震後の降雨に要注意と言う教訓となった。・現在では震度5強以上の地震が発生した地域において「土砂災害警戒情報」が降雨の基準値を下げて運用されている。強いゆれのあった所では、地震後は平時より少ない雨量でも危険ということを知っておくことが大切。
いま、関東大震災級の地震が起きたら、心配なこと、解決していないと思う課題はなんですか?
・関東大震災では、神奈川県は県下のほとんどの地域が震度5強以上であった。過去の地震災害をみると、震度5強以上の地域で土砂災害が多発している。関東大震災級の地震がおきると、広域で土砂災害が同時に多発することが想定される。・高齢化のすすむ我が国において、高齢者の命を守るための対策、例えば、高齢化率の高い地域での避難のあり方など、広域で同時多発する災害に対して地域特性を考慮した対応の検討が必要。
関東大震災からの100年に学び、子孫たちに何をどう伝えていくか、考えていることをお聞かせ下さい。
・関東大震災による土砂災害では、他にあまり例のない1,000名をこす死者をだした。また崩れた土砂による道路や鉄道などインフラの被害も大きく、被災範囲も東京、静岡、神奈川、山梨、千葉の1都4県と広域に及んだ。しかし、これらの事実はあまり知られていない。・そこで次世代をになう児童・生徒に災害実態や教訓を伝える防災教育の実施が必要である。できれば、小学校、中学校、高校とそれぞれの段階で防災教育を実施し、地震による土砂災害での死者ゼロを目指してほしい