運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

防災教育チャレンジプラン

防災力の向上を目指す、防災教育活動の情報提供の場

2018年度 学校法人自由学園 危機管理本部

プラン名 「そなえるカルタ」で防災を学ぶ?防災教育で企業と協働?
プランの対象 高校生
目的

これまで本校では、学習者が学習の結果として、防災を“我が事化(個人の行動へと具体化)”するような学習形態を模索してきた。その中で、昨今教育現場へ導入が進められているアクティブラーニングに着目し、そこで活用できる教材として「そなえるカルタ(三菱地所レジデンス(株)が自社の防災活動用に制作)」を取り入れてきた。今回のプランでは、その「そなえるカルタ」を軸とした学習の成果を定量的に捉える共に、どのような“我が事化”に結びついているのかについても検証した。併せて、学校と企業とが、防災活動で同じ目標へ向かって協働できるという事例報告にもなれば幸いである。

内容

・「そなえるカルタ」を使った防災学習会の実施。
・補助教材として「そなえるドリル(本校が三菱地所レジデンス(株)などと協働で制作)」の学習   過程への導入。
・「防災意識尺度(防災科学技術研究所)」を使ったアンケート調査の実施および学習効果の検証。

成果

・防災学習会の前後で実施したアンケート調査からは、男女共に「被災状況に対する想像力(災害が起きたらどんなことが起きるか、何が必要か、何をするかを想像する力)」、「災害に対する危機感(災害をどのくらい深刻に捉えているか、現状ではまずいと思っているか)」、「他者志向(社会や人のために何かをしようと思う心)」という三つの項目で、事後の得点が伸びかつ平均を上回るという結果が得られたことから、この学習形態が及ぼす肯定的な影響の範囲を推察することができた。
・防災学習後には、「家族と災害時のことについて話し合いを持った」、「非常持ち出し袋の内容を見直した」、「家庭の防災用品を補充した」という“我が事化”を行った生徒が見られた。
・三菱地所レジデンス(株)では、「防災を“やる人”と“やらない人”が二極化する現状」、「災害時、中高生に活躍してほしいがマンション防災ではそことの接点が無い」という課題を抱えており、本校との協働の機会は、その解決の糸口が得られる場となっているようだ。

報告資料 最終報告書(PDF形式)
団体紹介

学校法人自由学園は、1921年に羽仁吉一・もと子夫妻によって東京都豊島区西池袋に設立され、その後現在の東久留米市学園町へ移転した。約3万坪の敷地の中に、幼稚園から大学部までの在校生・教職員合わせて850名ほどが生活をしている。防災への取り組みは、東日本大震災の翌年の2012年に、安全対策本部(現危機管理本部)を発足させ、学内の防災力強化と並行して、学校の安全・安心を地域との連携の中で確保することを目指している。そのために行政だけでなく、企業や大学研究室などとも積極的に協働してきている。

連絡先 042-422-3111