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2025年10月11日(土)開催「2025年度中間報告会」の様子

2025年10月11日(土)開催「2025年度中間報告会」の様子
 
防災教育チャレンジプランでは、プランに採択された実践団体や実行委員を含む防災教育の有識者、一般の方々が参加する「防災教育交流会」と、主に実践団体と実行委員による中間発表や意見交換を目的とした「中間報告会」、両会を併せた「防災教育交流フォーラム」を毎年開催しています。
 
2025年度の「防災教育交流会」については、 こちらの記事 をご参照ください。
 
10月11日に開催した「中間報告会」では、実践団体は事前にこれまでの活動をまとめた報告用の動画を作成し、実行委員等と共有したうえで、課題の共有やこれからの方針等についての意見交換が行われました。
 
 
■ 開会挨拶
 
開会挨拶では、木村委員長よりご挨拶いただきました。
 
「挨拶にあたり、皆さまにまずご報告と御礼をさせていただきます。皆さまに中間報告会のパンフレットが配られておりますが、今日の中間報告会と約一ヶ月前に開催された防災教育交流会、こちらの2つを併せて『防災教育交流フォーラム』として毎年開催しています。防災教育交流会は、『ぼうさいこくたい2025 in新潟』内で『マルチハザード対応の防災教育』をテーマに実施し、様々なセッションと比べても一番多いセッションのひとつではないかというほど多くの参加者にお越しいただきました。実行委員の永田委員、新潟で防災教育に携わられている松井先生、そしてトークセッションでは、この2方に加え、実行委員の木下委員、国崎委員、舩木委員にも加わって、会場からもたくさんの質問をいただき内容の深い議論が行われました。興味のある方はYouTubeで公開されていますので、ぜひ見ていただければと思います。以上がまずご報告と御礼です。
 

 
今日の報告会に向けて、実践団体の皆さんには様々な活動を実施していただきました。事前に実践団体の皆さんの活動報告動画を拝見しましたが、ここまでいろいろ考えて防災教育を進められているのかと、感動するような内容で、防災教育に携わる者として心強く思いました。防災教育チャレンジプランとしては、残り数ヶ月でさらに高みを目指していただればと思っています。皆さんには、防災教育チャレンジプランを1つのステップとして、防災教育を日本の中で、そして世界の中で引っ張っていただきたいと願っています。今日は様々な団体との交流を図ることができる貴重な場です。ぜひ、いろいろな団体の実践を皆さんの学び・気づきとしていただくために”たずねる、こたえる、わかちあう”を目標として交流していただければと思います。
 

 
来年度も防災教育チャレンジプランを実施します。募集の締め切りまであと1ヶ月もないというところですが、チャレンジプランの応募に回数制限はありませんので、今回チャレンジされている方もぜひ引き続きご応募ください。またあわせて、まわりに防災教育を実践されている団体がおられましたらぜひご紹介いただければと思います。」
 
 
■ 趣旨説明
 
続いて、澤野委員より趣旨説明が行われました。
 
「この時間を利用して、今までの成果も含めて今後の防災教育を深めていくヒントになればとお話をします。防災教育チャレンジプランは2004年から20年の豊富な経験と実践があります。実践団体の累計は366団体・個人となります。事前の動画を見ても実践のレベルが上がっていることを実感します。防災教育チャレンジプランの蓄積の学び方として“地域における防災教育の実践に関する手引き”があります。2015年3月に作成し、インターネットで公開しています。この手引きに実践の積み重ねが書かれています。その中で防災教育を実践する上での5箇条などが紹介されています。今年度の実践団体でも、この5箇条に沿って実践しているように思います。
 

 
防災教育の流れとして、準備段階、実行段階、継続段階などで細かく紹介されており、これまでの実践のチェックに役立ちます。取り組みを成功させる6つの要素などもあるので、今後の活動の参考にしていただけたらと思います。
 
もうひとつ、防災教育の学習指導案として「実践的な防災教育の手引き」について紹介します。ネット上で公開されており小学校編、中学校・高等学校編があり、10月20日には特別支援編が公開される予定です。学校の先生であれば、手引きがあればすぐに実践できる内容ですので、ぜひご活用いただければと思います。
 
防災教育で身に付ける能力として「災害に対して正しく知る」、「災害に対して備える」、いざという時的確に行動できる」という3つの能力がありますので、こちらも参考にしてください。
 
「学校防災マニュアル」も公開されており、マニュアルに基づいて各自治体でマニュアルなども作られています。体系的に整理されているので、参考になります。今までの経験や知見が蓄積されているマニュアルを使わない手はないなと思います。
最後に「シェイクアウト訓練」について紹介します。林春男(前委員長)が提唱して始まり、参加者登録は600万人を超えて日本最大規模の訓練に発展しています。単純な訓練ですが、地震防災の基本を学ぶものとしてよいかなと思います。11月5日の津波防災の日に合わせて「緊急地震速報シェイクアウト訓練」なども行われます。
 
これまで皆さんが防災教育を深めるヒントをご紹介しました。防災教育チャレンジプランも2024年にアップデートし「新・防災教育チャレンジプラン」となりました。コロナ禍の教訓や気候変動、デジタル・オンライン教育の活用などをふまえて、防災教育の今日的なアップデート、バージョンアップが必要になろうかなと思います。」
 
 
■ 防災教育チャレンジプラン実践団体発表・意見交換、全体共有
 
続いて2025年度防災教育チャレンジプラン実践団体と実行委員・一般参加者による活動発表・意見交換がブレイクアウトルームを用いて行われました。中間報告会における発表と意見交換を通して、2月までの実践をより良くすることが目的となります。参加した実行委員からのコメントは後日、各実践団体へ伝えられ、実践団体が今後の活動のヒントにします。
 

 
また、団体発表・意見交換後は南島委員が司会となり「クロージングセッション」が行われ、各ルームで「リポーター」となった細川委員、永田委員、幾島委員から、それぞれのルームでの議論についてご報告いただきました。
 
 
■ 全体講評
 
木村委員長より下記の通り全体講評のコメントをいただきました。
 
「皆さま、参加していかがでしたでしょうか。新しい学びや気づきがありましたでしょうか。あるいは議論をしながら新たなモヤモヤが膨らんだ方もおられるかもしれません。防災は決まった答えがひとつあるわけではなく、模索しながらさまざまな最適解を試しながら見つけていくのが重要です。この意味でも、他の実践団体の事例なども貴重な答えになるかと思います。今日は3つのブレイクアウトルームの1つにしか参加できなかった実践団体の方は、後日、他のブレイクアウトルームの様子もYouTube限定公開でアップしますので、ぜひ見ていただければと思います。また、いくつかの団体は他の団体と既に連携しているところもあったようですが、もし今回の交流会をきっかけに他の団体と連絡をとってみたいという方は事務局にご連絡ください。連携相手は実践団体でも実行委員でも構いませんので、連絡をとっていただければと思います。実質あと4ヶ月もないくらいで最終の活動報告会※となりますが、皆さんの素敵な活動を結実させていただければと願っております。」
 
※2025年度の活動報告会は 2026年2月7日(土) の予定です。
 
 
■ 閉会挨拶
 
最後に内閣府政策統括官(防災担当)付 参事官(普及・防災教育・NPOボランティア連携担当) 内山委員より、閉会の挨拶をいただきました。
 
「皆さま、本日ご参加いただきましたことに対しまして、心より御礼申し上げます。併せて9月7日開催のぼうさいこくたいにおける防災教育交流会についてもご尽力いただきましたこと、感謝申し上げます。ぼうさいこくたいは皆さまのご尽力もあり盛会に終わり、ご来場いただいた皆さまの数は約19,000人、出展事業者は約470といずれも過去最多となりました。皆さまのご協力に感謝いたします。出展ブースで特に印象に残っているのは高校生・大学生の出展も目立ち、若い方の防災意識の高さに頼もしさを感じました。若者のブースもまわり、個別に、「みなさんが将来の希望だから頑張ってください」と気持ちを伝えました。
 
本日の報告会はもりだくさんで、全てのルームへ伺うことはできませんでしたが、それぞれの立場で精力的に取り組んでいることが実感でき、とても嬉しく思っています。いろいろ拝見していると、私には思いつかないような創造的なアイデアがいくつもあり、皆さまの取り組みを頼もしく思っています。本日は中間報告ということで、今後も引き続き精力的に活動いただいて、最終報告会でさらに充実したお話を聞かせていただければありがたく思います。
 
防災教育は内閣府防災としても重要な取り組みと位置づけております。防災を自分事として受け止め、具体的な行動につなげていただくのが要の部分と考えております。そうしたことを実行するためには、様々な立場の方の取り組みが不可欠です。今後も皆さまのお力添えをいただきながら、防災教育の取り組みを進めていければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。」
 
 
■ 参加者集合写真