運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

防災教育チャレンジプラン

防災力の向上を目指す、防災教育活動の情報提供の場

2013年度 大船渡市立吉浜中学校

プラン名 学び・つなぎ・伝える・キッピン(吉浜)げんき隊
プランの対象 生徒・地区の小学生・地域住民
目的

①奇跡の集落と言われる吉浜地区を生徒が誇りに思う学習の実施。
②地域の方々から当地区の歴史を学び、地域を含めた復興教育の実施。
③教育活動の様子をブログで発信。

内容

①地域の歴史を知り、地域の環境や史跡などを素材とした復興教育の実施。
②福岡県大野城市の中学生との交流事業を、全校生徒を対象として実施。
③明治29年と昭和8年の2度の三陸大津波を機に地域全体が高台移転を実施した。そこから平成の大津波に至るまでの吉浜地区の様子を文化祭の演劇で発表。
④東日本大震災を1000年後まで語り継ぐために、平成の津波記憶石を津波到達点付近に建立。

成果

①4月3日の三陸鉄道南リアス線の開通式で伝統の吉中ソーランを披露し、地域との絆を深めた。
②6月に地元漁港で、主残業であるホタテの耳吊り作業を体験し、漁業従事者との関わりを深めた。
③6月に校外活動時での地震・津波を想定した避難訓練を実施し、生徒たちの判断力を問うた。
④7月に岩手県立宮古工業高校による宮古湾周辺模型を利用した津波防災学習を実施し、地震による津波が湾に押し寄せてくる様子を学習した。
⑤7月に通学路にある復興花壇づくりを地域の方々と共に実施し、お互いの触れ合いと通行人への元気を与えることができた。
⑥阪神・淡路大震災の時に神戸で咲いたひまわりの花から派生した種や学校花壇から得た花や種などを利用し、復興タオルハンガー作りをし、心のセラピーにもつなげることができた。
⑦8月に大野城市中学生との交流を通して、1年生は三陸鉄道南リアス線に乗車し、語り部の案内で被災地を巡ることができた。2年生は吉浜地区をバスで巡り、その後、小船に乗って海上から奇跡の集落吉浜の町並みを直に見ることができた。高台移転の様子が手に取るようにわかった。3年生は世界遺産登録された平泉の中尊寺等を、本校の生徒たちが語り部となって巡った。吉浜と中尊寺の関わりも説明することができた。
⑧9月に地域内の津波危険区域に、自分たちが制作した安全標識を設置した。
⑨NHK東日本大震災プロジェクトの「100万人の花は咲く」を復興合唱曲として、行事の際等に歌っている。
⑩10月の文化祭で「奇跡の集落 吉浜」という手作りによる津波演劇を行い、先人たちが成しえた高台移転の様子を後世に伝える一翼を担うことができた。
⑪「1000年後に伝えたい吉浜」をテーマとした校内写真展と写真集を作成することができた。
⑫子どもたちの学習活動の様子をその都度本校ブログで発信し、広く周知するとともに子どもたちの励みにもすることができた。

報告資料 最終報告書(PDF形式)
団体紹介

学区は大船渡市と釜石市の境にあり、陸中海岸国立公園の一部であり、自然環境に恵まれでいる。吉浜湾を臨む山間地に約480世帯1500人が生活する。主産業は養殖漁業等の水産業であるが、近年は市内事業所等へ勤める保護者も多い。全校生徒の7割が3世代同居の家族構成である。
 東日本大震災による被災は、防潮堤の損壊、田畑の冠潮、漁船・漁具の流出等である。また、勤務先の被災等による解雇や失職等で影響を受けた保護者も多数いる。本校は各学年単学級の計38名の小規模校である。あいさつと学び合い、そして復興教育に力を入れている。

連絡先 0192-45-2153