運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

防災教育チャレンジプラン

防災力の向上を目指す、防災教育活動の情報提供の場

2021年度 長岡技術科学大学

プラン名 地域レジリエンス力獲得のための防災ワクチンTM教材の開発
プランの対象 小学校高学年の部、中学校の部
目的

本学では、地域の小中高生を対象に科学教室を実施してきた。これまで構築してきた地域ネットワークを活用し、SDGsハブ大学として激甚化する災害に対する地域へのレジリエンス力向上を図るための防災教育を着想した。本防災教育では、弱毒化した災害体験により、地域の主体性を高め免疫力を向上する方法である「防災ワクチン 」の概念のもと総合的な防災力を養うことを目的とした。そのために、災害の模擬体験を行うことで自分達の持つ災害対応力を向上させる「防災ワクチン 」教材として開発しその効果を確認し、この教育教材の活用方法について産学官で検討した。

内容

開発した防災ワクチン 教材は、災害が発生したときに生じる現象を想像し、を実際に触れて体感してもらい、考えてもらえるような実験キットで、水害発生時に浸水した家屋内の電気ブレーカーを再現し、電気が水を通しやすいことや通電火災が発生するメカニズムを学習する。これにより、避難時に電気ブレーカーを落とすことによって通電火災の発生を予防することや電気ブレーカーの構造を理解することで住宅内の通電状況を把握する方法等を学習してもらう。

成果

防災教育チャレンジプランを通して防災ワクチン 教材の初版である電気ブレーカー学習キットを作製することができた。また、学習指導要領との整合性を確認するとともに防災学習指導案を作成した。本防災ワクチン 教材を用いて小学校で出前授業を行ったところ小学生の電気ブレーカーの原理の理解、復旧の方法などを効果的に学習してもらうことができ、更に、災害が発生し避難する際に電気ブレーカーを落として避難してもらうことで避難から戻ってきた際に素早く復旧作業に移れること、このことが地域のレジリエンス力向上に向けた一歩になることを学習してもらった。複数の防災産業展に展示し、防災教育関係者に紹介するとともに貴重なコメントをいくつかいただけた。さらに、本防災ワクチン 教材の製品化を検討する企業ともマッチングできた。

報告資料 最終報告書(PDF形式)
団体紹介

長岡技術科学大学は、「UNESCO Chair on Engineering Education for Sustainable Development」として日本の工学系大学初のユネスコチェアプログラムに認定を受けるとともに国連からアカデミック・インパクトSDGs ゴール9(産業と技術革新の基盤を作ろう)の世界ハブ大学に任命されている。2020 年度から東京電力ホールディング株式会社と防災・減災に関する共同研究プロジェクトの設立に向けた包括連携協定を行い、新たな防災教育コンテンツの開発に取り組んでいる。

連絡先 0258-47-9642