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2025年9月7日(日)開催「2025年度防災教育交流会」の様子
2025年9月7日(日)開催「2025年度防災教育交流会」の様子
2025年9月7日(日)、朱鷺メッセ新潟コンベンションホール2Fメインホールにて「2025年防災教育交流会」を開催し、200名以上の方が来場されました。

開会挨拶・趣旨説明
冒頭に木村玲欧・防災教育チャレンジプラン実行委員会委員長より、下記のとおり開会挨拶ならびに趣旨説明が行われました。
参考資料:新防災教育チャレンジプラン紹介リーフレット.pdf
2026年度防災教育チャレンジプラン募集要項.pdf

「防災教育チャレンジプランは、様々な災害に対して防災力を上げていこうというプランです。お手元の新・防災教育チャレンジプラン紹介リーフレットもご覧ください。最近は地震や風水害も多く、被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。災害とは滅多に起きないものではなく、日常生活の中で起きるものなのだと考え、災害を乗り越えていくためのチャレンジプランと見ていただければと思います。
チャレンジプランでは企画を募集し、1年間に渡ってプランを実践してもらいます。団体同士の情報交換や交流をしながら、最後に発表会を行って賞を差し上げるといったことに取り組んでいます。お手元の資料に募集要項があります。活動支援金などもありますので、応募してみたいなという方は応募期限までに計画書を送ってください。
今日はマルチハザード対応の防災教育をテーマとして、様々な災害への防災教育について考えていきます。まずお二人の方に事例紹介をしていただきます。新潟地方気象台リスクコミュニケーション推進官の永田さんにお話いただきます。永田さんは専門家として様々な学校・地域で防災教育のお手伝いをされており、皆さんにとっても参考になるものと思います。お二人目は新潟県立新潟高等学校で先生をされている松井さんから、学校での事例について紹介いただきます。その後、チャレンジプランの実行委員も登壇し、会場の皆さんも交えながらトークセッションを行います。どうぞよろしくお願いいたします。」
話題提供①
◯ 永田 俊光 様(新潟地方気象台リスクコミュニケーション推進官)
永田様からは、学校の先生と一緒に取り組む防災教育についてご紹介いただきました。
冒頭に防災教育における成果の見えにくさと評価の難しさ、新潟県内での自然災害(マルチハザード)等について紹介されました。続いて実践的な防災教育プログラムのデザインについて、知識・認知・判断・行動までの一連の流れで学ぶパッケージを動画等も交えてご紹介いただきました。緊急地震速報を用いた避難訓練を例に、今までのマンネリ化した訓練ではなく「対応行動訓練」として、どのように身を守るのかを考え、振り返りをするといったことが大事であるとのお話がありました。先生方が使えるようアクティブ・ラーニングを取り入れた学習指導案等も実践していることや、特別支援学校等でも目標を少しアレンジして障害特性に合わせた実践も紹介されました。知識・認知・判断・行動のパッケージを用いた竜巻防災教育や火山防災教育に関するプログラムやワークシートも作成・提供し、学習目標を達成できているか確認しブラッシュアップしていること、各種のプログラムは文部科学省による実践的な防災教育の手引きにも掲載されていることについても紹介されました。また、デジタル教材を活用した実践として、タブレット端末と「YOU@RISK 子ども版・洪水」を用いた防災教育や、様々なワークシートをダウンロードできる「防災教育リテラシーHUB」についても紹介されました。

話題提供②
◯ 松井 市子 様(新潟県立新潟高等学校 教諭)
松井様からは、津南の高校生たちがどのような防災教育を行ってきたかについてご紹介いただきました。まず代表的な生徒の活動として「NEXUS(ネクサス)」について、世代を超えての段階的な取り組みについてお話がありました。初代は教員研修に参加した生徒から疑問があり、永田さんにもアドバイスを受け防災について調査、地域や高校生国際シンポジウムでの発表し、その成果を後輩へとつなげていく活動について紹介されました。続いて、2代目では新潟地方気象台や新潟大学からアドバイスを受けて小学校への出前授業を行い、そうした取り組みに県や町も関心を持ち津南町の全町民が参加するシェイクアウト訓練等へと発展し活動報告を作成、成果は校内外・国内外でも発表されたことについて紹介されました。3代目では大雪災害への備えについて小学校への出前授業や探究活動では、新潟地方気象台・新潟大学・役場・住民、長野県北部地震の経験者と連携した実践的な防災教育を実施したことや、地域と学校との連携についての報告が紹介されました。4代目では先輩方からの活動では過年度に出前授業を受けた防災意識の高い生徒も入学してきたことや、大雪時の大地震について「知る・伝える・備える・行動する」をテーマに取り組んだことについて紹介されました。最後に、松井先生が取り組まれる防災(地震)と外国語教育の融合について、訪日外国人が緊急地震速報を理解できるように想定シナリオを作成し、外国人の方に聞いてもらうプログラム等について紹介されました。また、現任校の新潟高校でも防災教育に取り組んでいることや、卒業生が能登半島地震でボランティアとして活動していることについても紹介されました。

■ トークセッション
トークセッションは、話題提供をいただいた新潟地方気象台の永田様、新潟県立新潟高等学校高等学校の松井様に加え、防災教育チャレンジプラン実行委員の木下委員、国崎委員、舩木委員が参加し、木村委員長によるコーディネートのもとで進行しました。
永田様、松井様の実践事例等についての各委員からのコメントや、会場からの質疑応答なども交え活発な意見交換が行われました。詳細につきましては、下記のアーカイブ配信をご視聴ください。
<コーディネーター>
木村 玲欧 兵庫県立大学環境人間学部・大学院環境人間学研究科 教授
(防災教育チャレンジプラン実行委員会 委員長)
<登壇者>
永田 俊光 新潟地方気象台 リスクコミュニケーション推進官
(防災教育チャレンジプラン実行委員会 委員)
松井 市子 新潟県立新潟高等学校 教諭
木下 史子 文部科学省 総合政策局男女共同参画共生社会学習・安全課
安全教育調査官
(防災教育チャレンジプラン実行委員会 委員)
国崎 信江 危機管理教育研究所 代表
(防災教育チャレンジプラン実行委員会 委員)
舩木 伸江 神戸学院大学 現代社会学部社会防災学科 教授
(防災教育チャレンジプラン実行委員会 委員)

■ アーカイブ配信(YouTube)
https://www.youtube.com/live/cjMguXUH4z4?si=I4l9bHVwbRAp5_ij