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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【防災施策】土砂災害10年で1.5倍に 国交白書「流域治水を推進」
国土交通省は26日、2020年版の国土交通白書を公表した。今回の白書では昨年度に続いて自然災害の現状を重点的に取り上げた。1990~2009年までは年間の土砂災害の発生件数が平均で1000件程度だったのに対して、10年以降は1500件に増えたと分析した。降雨量の推移も分析した。1976~85年と2010~19年を比べると、1時間に50ミリ以上の激しい雨の発生回数が年間1.4倍に増えた。白書では今後の対応策として、個人や企業の防災意識向上や、宅地のかさ上げ、保水機能の確保といった「流域治水」を推進する方針を示した。降雨量の増加などの背景には地球温暖化による気候変動がある。2076年からの20年間の平均気温は、1980年からの20年間に比べて最大で4.5度上昇し、1日の降水量が200ミリ以上の日数は2倍になると予測されている。【6月26日 日本経済新聞より】
▼国土交通省 令和2年版国土交通白書 国土交通省20年目の挑戦
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo08_hh_000161.html -
【地域防災】16の宿泊施設と避難所協定 那智勝浦町、災害時の感染防止/和歌山
和歌山県那智勝浦町は25日、新型コロナウイルスの感染防止対策として、台風・大雨の際に避難所が3密となるのを防ぐため、町内の宿泊施設を避難所として使用するための協定を16施設と結んだ。町によると、台風などの際には避難所となった小学校などでは多くの人が避難して「3密」が発生する恐れがあることから、宿泊施設を避難所として活用することを計画した。協定は、町が避難情報を発令した際、避難宿泊者1人につき1泊5000円を、町が宿泊施設に対して支払うもので、素泊まりであれば町民の自己負担はない。【6月25日 紀伊民報より】
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【防災施策】警察庁が災害対策で投稿サイト 現場状況を早期把握、迅速対応へ
大規模災害などが起きた際に現場の状況をいち早く把握するため、警察庁が広く一般市民からの情報提供を求める「写真・動画投稿サイト」を同庁のホームページに設ける準備を進めていることが25日、分かった。警察庁は8月の運用開始を目指している。サイトは災害発生時に限って立ち上げる。同庁によると、市民らが位置情報をオンにしたスマートフォンなどで被害状況を撮影、写真や動画を送信すると警察庁内でパソコンの地図上に次々と撮影場所を示すマークが表示され、クリックすると画像が現れる仕組みである。【6月25日 共同通信より】
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【地域防災】災害時サポーターにPSJ4店舗 下関市が第1号登録/山口
山口県下関市は、災害が発生した際に避難場所や物資、資機材を市民に提供する企業、団体を登録する市災害時サポーター制度を創設した。23日に第1号として同市岬之町のPSJグループが運営する市内のパチンコ店4店舗を登録した。立体駐車場や店舗の施設の一部を一時避難所として使用できるように準備。避難者に提供する非常食やマスク、ヘルメット、毛布などを各店舗に備蓄している。県外のパチンコ店が避難場所として立体駐車場を開放したとの報道に触れ、同グループが昨年10月に立体駐車場などの活用を市に打診。市が本年度に制度を整えて登録した。市は今後も災害時の支援に協力する企業、団体を募り、サポーターを増やしていく方針。登録した企業名、団体名、支援の内容は市ホームページで紹介する。【6月24日 山口新聞より】
▼下関市 災害時サポーターの登録を募集します
http://www.city.shimonoseki.lg.jp/www/contents/1577231732596/index.html -
【防災施策】通信設備の早期復旧へ 災害時の専門チーム発足 総務省
総務省は去年の台風で長時間にわたって通信障害が起きたことを踏まえ、大規模な自然災害が起きた際に、通信設備の早期の復旧などを支援する専門のチームを発足させた。発足したのは「災害時テレコム支援チーム=MIC-TEAM」と呼ばれ、総務省や各地の総合通信局の職員ら、およそ150人がメンバーになっている。大規模な自然災害が起きた際や発生するおそれがある場合に、規模や場所に応じて被災地の自治体に派遣され、通信会社と連携しながら情報通信関連の被害の調査や、復旧に向けた技術的な支援に当たるということである。また、総合通信局などに配備している移動電源車を使って、通信設備の電源を確保したり、災害情報を伝える臨時のラジオ局を開設するための設備を貸し出したりするとしている。【6月24日 NHKニュースより】
▼総務省 総務省・災害時テレコム支援チーム(MIC-TEAM)の立上げ
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban01_04000149.html -
【地域防災】米沢市、災害時は旅館も避難場所に 組合と協定/山形
新型コロナウイルス感染症が収束していない中での災害に備え、山形県米沢市は23日、市旅館ホテル組合、段ボール製品製造会社「東北カートン」の2者と協定を結んだ。組合からは、高齢者や要介護者らの避難場所として、組合加盟の旅館とホテル計9施設を提供してもらう。定員は計476人で、避難所での生活で健康を損なう恐れがある人を対象にするという。東北カートンからは、体育館など避難所で使う段ボールベッドやパーティションの提供を受ける。飛沫感染を防ぐため、ベッドには頭の部分を覆う段ボールも用意されている。【6月24日 朝日新聞より】
▼米沢市役所 Facebookページ
https://www.facebook.com/city.yonezawa/posts/2952857141479262 -
【地域防災】マイ避難計画のススメ 自治体、記入式地図やカード配布/兵庫
激甚化の傾向にある近年の風水害で、避難の遅れは深刻な事態を招いてきた。「平成最悪の水害」となった2018年の西日本豪雨で、岡山県倉敷市真備町では51人が犠牲になり、その8割は屋内で見つかった。兵庫県内では当時、自治体が発令した避難勧告・指示の対象人数のうち、実際に避難所を訪れた人の割合を示す「避難率」はわずか0.6%だった。神戸市は昨年度から、全戸配布の「くらしの防災ガイド」に「わが家の避難ルール」と題したコーナーを掲載。居住地に潜む災害リスクや避難行動を始めるタイミング、避難にかかる時間などの記入欄を設けた。小野市も今月上旬、同様の防災マップを住民に配った。表紙にくじ番号を記載し、毎年抽選で特産品が当たる工夫を施した。姫路市は「命のパスポート」と名付けた避難行動計画を記すカードを作成し、折りたたんで財布などに常備できる。兵庫県も昨年度から「マイ避難カード」作成を呼び掛け、県内8地区でモデル事業を行った。コロナ対策を念頭にした県の避難所運営ガイドラインでは、親族や知人宅への避難も考えるよう促している。県災害対策課は「安全な家屋に移ることも避難の一つ。3密の回避も重要で、日頃から避難の在り方を意識してほしい」としている。【6月22日 神戸新聞より】
▼兵庫県 災害時における住民避難行動に関する検討会
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk42/h30hinan-kentoukai.html -
【防災施策】市街地の高台化構想 水害備え、国交省と東京都
国土交通省と東京都は河川の氾濫に備え、市街地に土を盛ってかさ上げしたり、ビル同士を空中通路でつないだりする「高台まちづくり」構想をまとめた。高台まちづくり構想によると、川沿いでは通常より幅の広い堤防を建設し、併せて内陸側の土地一帯をかさ上げ、道路や宅地を整備し直す。オフィスや駅ビル、公共施設は空中通路で連結する。中層階以上に避難スペースや電源装置を確保し、水没した低地を避けて移動や避難ができるようにする。国交省と都は、昨年の台風19号など、相次ぐ豪雨被害を踏まえ連絡会議を設置し、構想の具体化に向け協議を続けている。公共事業費による対応には限界があり、民間の再開発事業も組み合わせたい考えだ。国交省担当者は「すぐ全ては実現できないが、まちづくりと治水対策を一体的に進めたい」と話している。【6月23日 日本経済新聞より】
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【防災施策】女川原発の避難計画、政府が了承 コロナなど感染症対策を併記/宮城
政府は22日、原子力防災会議を開き、東北電力が再稼働を目指す女川原発(宮城県女川町、石巻市)で重大事故が起きた際の半径30キロ圏内の住民避難計画を了承した。広域避難の手段に加え、被ばく防護措置と新型コロナウイルスなど感染症拡大防止策を両立させる方策も盛り込んだ。原発の避難計画に感染症対策を反映させるのは全国で初めて。住民計約19万9000人が対象となり、広域避難先は全て宮城県内に確保し、避難元の地域ごとに詳細な手段や経路を設定した。感染症対策としては、感染者とそれ以外の人で避難車両や避難所を別にするほか、車両内や避難所では密集の回避を求める。屋内退避時は被ばく防護のため、原則換気は行わない。【6月23日 河北新報より】
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【防災施策】島原市と日本紙器 段ボール製品供給で災害協定/長崎
長崎県島原市は17日、段ボールなどの製造加工会社、日本紙器(西彼時津町)と災害時の協力に関する協定を結んだ。新型コロナウイルス感染防止のため、災害発生時の避難所に、人との距離を取るために必要な段ボール製物資を供給する。段ボールを組み立てて作る間仕切りやベッドなどにより、安心して避難できる態勢を取ることができるという。締結式は市役所であり、間仕切り付き仕様の段ボール製ベッド100セットの納入もあった。古川隆三郎市長は「災害時に市民の期待に応えるべく物資を活用したい」、杉本潔社長は「地域の安全安心に貢献したい」と述べた。県内で同社との協定は時津、長与両町に次いで3例目。【6月22日 長崎新聞より】
▼長崎紙器 新着情報
http://www.nihonsiki.co.jp/new/index.html -
【防災施策】浸水想定区域の消防署や避難所、移転費用を一部補填
総務省は相次ぐ洪水被害に備えて、消防署や避難所の移転費用の一部を補填する事業に乗り出す。近年の集中豪雨で防災拠点が浸水する事例が起きているためで、財政支援は同省が進めている緊急防災・減災事業を活用する。これまでは東日本大震災を受け、地震や津波による被害を想定した施設整備を支援対象としていたが、大雨や台風で氾濫した河川による洪水被害なども対象に加える。事業費の7割を地方交付税で手当てする。消防署については、浸水想定区域から建物を移して新設する際の整備費用のほか、電源設備のかさ上げなども財政支援する。避難所では、上層階への移設や防水扉、止水板の設置などを支援する。すでに着手済みか、今年度中に着手した工事が対象だ。昨年の台風19号では、福島県須賀川市で広域消防組合の庁舎の非常用発電機が冠水し、一時的に使えなくなった。地方自治体からは、「集中豪雨の発生頻度が高まっている。堤防が決壊、河川が氾濫する台風被害も相次いでいる」などとして、国に支援を求める声が出ていた。【6月22日 読売新聞より】
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【地域防災】大阪北部地震から2年 マンション、進む防災対策
最大震度6弱を観測した大阪府北部地震は、18日で発生から2年を迎えた。神戸・阪神間のマンションでは停電によるエレベーターの停止や断水があり、住民の孤立防止や資材備蓄など、マンション単位での備えの必要性が浮き彫りになった。マンションの防災とコミュニティーづくりをセットで進めようと、神戸市中央区は2016年度、100戸以上のマンションの管理組合や自治会を対象にした支援制度を創設。防災訓練や住民交流の催しの費用を最大10万円助成するほか、防災マニュアル作成を促すため専門家を無料で派遣している。子育て世代を中心に171世帯が暮らす、ポートアイランドの14階建てマンション「イトーピア神戸ポートアイランド」は、5年前に発足した自主防災委員を中心に、地震や津波、台風対策を協議。市の支援制度を活用して作成した防災マニュアルを、全世帯に配布している。マニュアルでは、地震後にとるべき行動をイラスト付きで紹介。最寄りの指定避難所は神戸学院大のグラウンドだが、津波・大津波警報の発令時は「3階以上への垂直避難を推奨する」と明記し、判断に迷わないよう工夫した。エレベーターが止まった場合を想定し、マンションの備蓄庫には、自力歩行が困難な人の移動用に「階段避難車」を備えた。同区は本年度、助成対象となるマンションの世帯数を100戸以上から50戸以上に緩和し、新たに8件の申請があったという。西宮市など、「防災マンション」の認定制度を設けている自治体もある。【6月19日 神戸新聞より】
▼神戸市 中央区「防災・コミュニティ助成」制度のご案内
https://www.city.kobe.lg.jp/d49614/kuyakusho/chuoku/keikaku/shien/mscommunity.html -
【防災施策】災害備え「トイレカー」九州で初導入 島原/長崎
長崎県島原市は、簡易水洗トイレを備えた「トイレカー」を九州の自治体として初めて導入した。トイレカーは軽トラックを改造。簡易水洗トイレ2組を備え、男女が別々に使えるよう出入り口を車の左右それぞれに設けた。1回に最大120人程度が利用できる。災害時の避難所や防災訓練で利用するほか、市外の被災地にも派遣する。市などによると、トイレカーは民間を中心に自治体も含め全国に約600台あり、協力して被災地を支援する仕組みを構築中。古川隆三郎市長は「災害時にトイレは欠かせない存在。自治体間で連携した活動にも取り組みたい」と話した。【6月18日 西日本新聞より】
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【防災施策】水害タイムラインの本格運用開始 吉井川水系、被害最小化狙い/岡山
台風や豪雨時における岡山県の吉井川水系の大規模氾濫に備え、流域自治体など関係37機関の役割を時系列で定めた「吉井川水害タイムライン」の本格運用が15日、始まった。タイムラインは、水害が予測される3日前からの対応について、大雨・洪水警戒レベル(1~5)に応じて7段階に分類。2日前には県などのダム管理者が事前放流の実施を判断したり、高齢者らの避難が必要な「レベル3」では市町村が避難所を開設したりするなど、各段階でチェックする計458項目を明記している。昨年7月に立ち上げた検討会(座長・西山哲岡山大大学院教授)が取りまとめた。タイムラインは、国管理だけでなく、県管理区間も含めて策定した。昨年6月の高梁川水系に続いて全国2例目で、2017年3月に国管理区間を対象に作った旭川も県管理区間への拡大を検討している。【6月15日 山陽新聞より】
▼気象庁 『吉井川水害タイムライン≪令和2年度版≫』完成報告について
http://www.cgr.mlit.go.jp/okakawa/kouhou/kisha/R2/200610kisha/200610kisha.pdf -
【地域防災】大津波警報に緊迫 対応確認 新潟地震56年 市役所で訓練/新潟
新潟地震から56年となった16日、新潟県新潟市は、大規模地震時の対応や情報伝達を確認する訓練を市役所で行った。発生時刻の午後1時2分に、新潟市沖でマグニチュード7・5の地震が発生し、市内で震度5強を観測。大津波警報が発表された想定で行った。市役所本庁では市職員が机の下に一斉に潜り、落下物から体や頭を守った。地震後10分程度で、市役所本庁と海岸線がある5区役所をウェブ会議システムでつなぎ、避難所開設や避難者の受け入れといった初動対応の状況を聞き取った。各区からは「津波被害の恐れがある避難所以外は全て開設した」などと報告があった。中原市長は、新型コロナウイルス感染症を念頭に、避難者のニーズを把握した上での3密を避けた避難所運営を指示した。【6月17日 新潟日報より】
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【防災施策】大雨特別警報「解除」を「切り替え」に 氾濫の警戒呼びかけへ
去年10月の台風19号では、気象庁が大雨の特別警報を解除したあとに、川が氾濫するケースが各地で相次いだが、特別警報の解除で災害の危険が去ったと受け取られ、避難先から自宅に戻る人が多くいた。これを受け国土交通省と気象庁は特別警報の「解除」を警報への「切り替え」と表現を改めたうえで、国が管理するおよそ300の河川で水位が上昇している場合は、今後の予測を示す新たな情報「河川氾濫に関する情報」を発表することになった。特別警報を切り替える際に、6時間先までの水位上昇の予測を示すのに加え、利根川や阿武隈川など14の大きな河川では最大で24時間ほど先までの水位の見込みを示すということである。情報を発表する際には、国土交通省と気象庁が合同で記者会見を開いて、どの川に氾濫の危険があるのか説明し、大雨のピークが過ぎた後でも、川の氾濫に警戒するよう、強く呼びかることにしている。ただ、「河川氾濫に関する情報」が発表されるのは国が管理する大きな河川で、都道府県が管理する中小河川では発表されない。中小河川については、都道府県の発表する「氾濫危険情報」や「水位の情報」、気象庁のホームページなどで見ることができる「洪水危険度分布」などを、確認する必要があり注意が必要である。【6月16日 NHKニュースより】
▼気象庁 「自らの命は自らが守る」社会を支える取組について ~防災気象情報の伝え方改善~
http://www.jma.go.jp/jma/press/2005/28a/20200528_tsutaekata_torikumi2.html -
【地域防災】密にならない避難確認 塩釜市が総合防災訓練 市民の参加は見送り/宮城
宮城県塩釜市は14日、総合防災訓練を本庁舎や指定避難所20カ所で実施した。市職員ら約500人が参集し、新型コロナウイルスの感染症対策を踏まえた避難所開設などに取り組んだ。指定避難所の塩釜三小学校では、市職員が飛沫感染防止用の透明フィルムを張った受け付けを昇降口の外に設置。避難者に検温や体調を聞き取り、発熱などの症状がある人とそれ以外の人とを分けて別々の部屋に案内するまでの手順を確認した。収容人数が最も多い体育館には、密集を避けるために4人用パーテーション22基を配置。1メートルの間隔を空けて区画割りをしたブルーシートも敷いて、感染症に対応した収容人数を確かめた。同小の避難所設営状況を視察に訪れた佐藤光樹市長や町内会長らに、担当職員の泉俊輔班長は「距離を取って避難させると、体育館は従来定員の6割しか収容できない。学校と協議し、教室を使えるようにすることが必要だ」と報告した。佐藤市長は「市民を密集させない避難所の在り方が課題になる。今回の訓練を検証し、足りない資機材を整備できるようにしていく」と語った。【6月16日 河北新報より】
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【防災施策】8月にモデル都市選定/水害対策・まちづくり連携/国交省が指針
国土交通省の「水災害対策とまちづくりの連携のあり方検討会」は12日、第3回会合を開き、治水施設の整備、水災害リスクが低い地域への居住・都市機能の誘導、住まい方の工夫を一体的に実施する必要があるとの考えを打ち出した。6月下旬にもまとめる提言に盛り込む。水災害対策とまちづくりの連携に必要な事項を示すガイドラインを策定するとともに、8月にモデル都市を複数選定して地域の取り組みを支援する。検討会は、気候変動によって水災害リスクの激甚化・頻発化が懸念されるが、治水施設整備のみで地域の安全度を向上させるのは容易ではないと指摘。居住・都市機能を誘導する区域から完全にハザードエリアを除外することは困難なため、水災害リスクがある地域は都市機能上の必要性とリスク受容度のバランスを考慮してまちづくりを行う必要があるとの考えを示した。治水施設整備、より水災害リスクが低い地域への居住・都市機能の誘導、地域の地形・特性に応じた住まい方の工夫の一体的な実施に向け、必要な対応の方向性も提示した。水災害ハザードエリアとして指定されていない区域の解消を急ぐとともに、水災害ハザード情報を充実させ、その情報を踏まえて地域のリスクを評価し、防災目標を設定するよう求めた。水災害リスクがある地域は、時間軸を意識しながら、ハードとソフトが一体となった防災・減災対策をまちづくりと連携して実施する必要があるとしている。【6月15日 建設通信新聞より】 ▼「水災害対策とまちづくりの連携のあり方」検討会
https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_tk_000059.html -
【地域防災】高潮被害うけ調査 防潮堤整備へ/兵庫
一昨年の台風21号による高潮被害を受けて兵庫県が沿岸部の調査を行ったところ、44か所で防潮堤や堤防などの高さが不十分だったことがわかり、令和10年度までに順次、対策工事を進めることになった。一昨年9月、神戸市付近に上陸した台風21号では、記録的な高潮で芦屋市や西宮市、尼崎市などの沿岸部で住宅の浸水などの大きな被害が出た。これを受け、県が海岸の防潮堤や河川の堤防の高さを改めて測量し、最新の台風のデータを用いて算出した新たな基準と比較した結果、海岸と河川の沿岸の少なくとも44か所、あわせて51キロメートル分について、防潮堤や堤防の高さが不十分だったことがわかった。対象の44か所は、大阪湾で19か所、播磨沿岸で9か所、淡路島沿岸で9か所、但馬沿岸で7か所となっていて、このうち芦屋市の南芦屋浜で最大2.2メートル、洲本市の都志と淡路市の富島で最大2メートル、また、香美町の無南垣では最大1.9メートル、高さに不足があった。このため県は、防潮堤などのかさ上げや水門を整備を進める10か年計画をまとめ、高潮対策を進めていくことになった。兵庫県では「台風の被害が大きかった芦屋市や西宮市の沿岸部などではすでに先行して工事を始めており、県全域での対策を急ぎたい」としている。【6月15日 NHKニュースより】
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【防災施策】避難情報リアルタイムで 熊本県防災サイト運用始まる
熊本県は、避難情報の発令や避難所の開設状況をインターネットの地図上でリアルタイムに確認できる専用サイト「防災情報くまもと」の運用を始めた。避難情報のほか、大雨・洪水などの気象情報、地震情報や河川ごとの水位が地域ごとに随時更新される。地図は拡大縮小することができ、県が作成した洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域のハザードマップも表示される。スマートフォンなどで専用のQRコードを読み込むほか、県ホームページからも利用できる。県危機管理防災課は「災害時の避難ルートや避難場所を決める参考にしてほしい」と話す。一方、県は6月から、市町村とオンラインで結んだ地図上に、土砂災害や家屋被害の状況を記入するシステムの運用も始めた。情報が錯綜(さくそう)した熊本地震の教訓を踏まえ、情報共有の効率化を図る狙い。【6月15日熊本日日新聞より】 ▼防災情報くまもと
https://portal.bousai.pref.kumamoto.jp/