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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【地域防災】水害時、どう避難する? ハザードマップ活用 江戸川の小学生学ぶ
江戸川区立江戸川小学校(江戸川一)で「防災の日」の1日、4年生が「江戸川区水害ハザードマップ」を活用した社会科の授業を初めて受けた。水害の危険性が身近にあると知ってもらい、発生時の対応や自身の避難計画を考えてもらう取り組みだ。授業では、過去の水害の事例としてキティ台風(1949年)で浸水した平井駅の映像を視聴。この後、ハザードマップで自宅の場所を確認した。家が浸水するかもしれないと知った子どもからは「大切なものを持って逃げる」「避難する場所を決めておかないと」などの声が上がった。ハザードマップは、陸域の7割を海抜ゼロメートル地帯が占める区が、区民の広域避難に役立ててもらおうと昨年5月に作成。区内全戸の約34万世帯に配布した。【9月7日 東京新聞より】
▼江戸川区水害ハザードマップ(2019年5月発行) / 江戸川区
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e007/bosaianzen/bosai/kanrenmap/n_hazardmap.html -
【災害想定】感染症対応の避難所 南砺・福野中部で防災訓練/富山
南砺市福野中部地区の自主防災訓練は6日、同市福野小などで行われ、住民が新型コロナウイルス感染症に対応した避難所を設営し、各世帯の安否確認や情報伝達の手順を確かめた。訓練は最大震度6強の地震が発生した想定で、約1200世帯約3100人を対象に実施された。地区代表の約40人が災害対策本部のある福野小体育館に集まり、検温と消毒を済ませた後、避難者数や被害状況を報告し、段ボールベッドと、新聞紙を活用したスリッパを作った。【9月7日 北國新聞より】
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【地域防災】子ども食堂 防災考える 運営者ら30人 気づき共有/愛媛
愛媛県の宇和島市子ども食堂連絡協議会の主催で、子ども食堂運営者の災害対応力を強化しようと「子ども食堂防災マニュアル講座」が8月23日に開かれた。運営団体や防災士、PTA、自治体関係者らが参加し、「こども食堂防災マニュアル」の作成にかかわった宮崎市子ども食堂コーディネーター黒木淳子さんが講師を務めた。黒木さんはマニュアルを基に、事前準備▽災害時の行動▽発災時にできることを解説。会場としている建物がどういう場所にあるかハザードマップなどで確認しておくことや避難経路のチェック、利用者名簿や緊急時連絡リストの作成、安否確認のルールづくりなどを話し合っておく必要があるとした。調理室に移動して火災を想定した避難訓練も実施した。消火器などの位置を確認後、参加者が役割分担して連絡や誘導、消火などを実践。「いざやってみると声掛けができない」「パニックになって飛び出したり隠れたりする子もいるだろう」など、気づいたことを共有し合った。【9月5日 愛媛新聞より】
▼むすびえ こどもを守る。みんなを守る。 「こども食堂防災マニュアル」リリースのお知らせ
https://musubie.org/news/2237/ -
【地域防災】紀伊水害で被災の水車 災害時の電源に…五條/奈良
2011年9月の紀伊水害で水没後、修復され地域のシンボルとして親しまれてきた奈良県五條市大塔町の木製の水車が、災害に備えた非常用発電装置に生まれ変わった。水車は1978年に当時の大塔村が設置。かつては共同利用され、地元の人が精米したり、餅をついたりしていた。最近は老朽化が進み、取り壊しが検討されていたが、電気自動車を開発する「EVジャパン」の西田長太郎社長が水車の存在を知り、昨年5月に「地域の豊かな水資源を生かした水車。小電力発電に使わせてほしい」と五條市に提案。昨夏に改修し、往事の姿を保ちつつ軸の部分に発電装置を設置した。発電した電気は、つながれた自動車用バッテリー4台に蓄電され、災害時に持ち出せる。1台でスマートフォン約100台、ノートパソコン約20台を充電でき、市は避難所での活用を想定している。今後は水車の電力で電気自動車を走らせることも計画中で、市大塔支所の吉川佳秀支所長は「撤去も考えていた水車が、水害が多い地域の住民の不安を和らげる役割を果たしてくれるとは」と喜んでいる。【9月2日 読売新聞より】
▼EVジャパン 奈良県五條市大塔支所水車発電プロジェクト
https://ev-jpn.com/naragojoshisuisyahatuden/ -
【地域防災】大雨時 高台目指せ 「防災の日」岡谷で避難訓練/長野
「防災の日」の1日、長野県岡谷市内の高齢者施設が大雨災害に備え、入居者を高台にある別施設へ避難させる訓練をした。社会福祉法人平成会が岡谷市内で運営する「松風」「さわらび」の2特養施設など計4施設の職員ら計50人が参加。大雨によって岡谷市から「避難準備・高齢者等避難開始」が発令された想定の下、県の土砂災害警戒区域にある施設から、区域外の別施設に利用者を避難させる訓練をした。訓練では、利用者役の職員が座った車椅子を次々と到着する車両に乗せて避難。誘導役の職員は「大丈夫ですよ。安心してください」と声を掛け、移動先では検温や血圧などの体調確認を行った。同じ建物の上の階へ逃げる垂直避難の訓練も行った。【9月2日 信濃毎日新聞より】
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【地域防災】「かまどベンチ」児童ら学ぶ 一宮で災害時炊き出し向け講習
災害時に炊き出しに使える「かまどベンチ」の使い方を児童らが学ぶイベントが30日、一宮市光明寺の138タワーパークで開かれた。かまどベンチは普段はベンチとして使い、災害時には座板部分を外し、かまどとして使用できる。パーク内には六基あり、定期的に使い方の講習が開かれている。児童や保護者はかまどベンチの仕組みを知った後、マッチで火のおこし方を体験。多くの児童はマッチを使うのが初めて。最初は怖がっていた児童も繰り返し着火することで慣れていった。マッチを縦に持つと火が長持ちすることや、丸めた新聞紙と合わせると小枝が燃えやすくなることを学んだ。【8月31日 中日新聞より】
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【歴史・教訓】播磨7市町、最大5メートル超浸水 兵庫県が「最悪」高潮想定
兵庫県は31日、「想定し得る最大規模」の高潮が播磨沿岸(明石市~赤穂市)で発生した場合、対象の8市町のうち明石市を除いた7市町で浸水が最大5メートル以上になる、とする想定区域図を公表した。徒歩での避難が難しくなる0.5メートル以上の浸水面積の合計は、加古川市とほぼ同じ144平方キロメートルに及ぶ。国は2015年の改正水防法で、最悪の高潮を想定した浸水想定区域図の公表などを義務付けた。県は阪神、神戸地域を公表済みで、今回は播磨沿岸と淡路島沿岸を対象にした。浸水は1934年の室戸台風などを参考に、「500~4000年に1度」クラスの台風が、潮位が最も高い状況で上陸して全堤防が決壊し、河川も「100年に1度の大雨」で氾濫したとの想定で予測した。【8月31日 神戸新聞より】
▼兵庫県 想定し得る最大規模の高潮浸水想定区域図の公表
https://web.pref.hyogo.lg.jp/press/20200831_6002.html -
【地域防災】避難所の感染対策入念に 由利本荘市職員ら60人訓練/秋田
秋田県と秋田県由利本荘市は30日、地震と津波を想定した県総合防災訓練を市内6カ所で実施した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、避難所での感染症予防策などを入念に確認した。同市尾崎小であった避難所の開設・運営訓練には、市職員や日本赤十字社県支部関係者など約60人が参加。入り口で避難者の検温と手指消毒を行い、発熱した人がいた場合は他の避難者と接触しないように別室に案内する手順を実践した。仮設テントは2メートルずつ間隔を空けて設置した。同校を訪れた訓練統監の佐竹敬久知事は「災害時に新型コロナ対策をどうするかが大きな問題。課題を改善できるよう積極的に取り組んでほしい」と激励した。訓練は、秋田沖を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、大津波警報が発令された想定で行われた。密集を避けるため、市民の参加は見送られた。【8月31日 河北新報より】
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【地域防災】迅速な災害支援へ、鹿島市社会福祉協議会が協定/佐賀
佐賀県の鹿島市社会福祉協議会は25日、災害に備え、市内の防災組織、ボランティア団体との3者で協定を結んだ。協定を結んだのは市民有志らでつくる「かしま防災サポーターズクラブ」、被災地の支援を行っているボランティア団体「DIWA」。災害時、ボランティアの受け入れは市社協が窓口となる。2団体は、被災者のニーズの把握、派遣先の調整などの業務で協力する。物資の受け入れや資材の調達も支援する。7月豪雨時もボランティア活動に加わるなどして連携した。【8月26日 佐賀新聞より】
▼鹿島市社会福祉協議会 災害時におけるボランティア活動に関する協定を結びました
http://www.kashima-shakyo.com/publics/index/1/detail=1/c_id=3/page3=1/type014_3_limit=5/#page1_3_65 -
【地域防災】県が7月豪雨で課題検証 コロナ禍の避難調査へ/岐阜
岐阜県は21日、7月豪雨の検証結果に関する中間とりまとめを公表し、避難所以外への避難や、新型コロナウイルスの感染拡大が避難行動に与えた影響などを把握するために、避難の実態調査を実施する方針を示した。県によると、今回の豪雨で避難勧告や指示などの対象となったのは約50万人。うち避難所への避難したのは延べ約3800人で全体の約1%だったという。2年前の西日本豪雨では約9500人で2%だった。市町村は住民に親戚や知人宅など避難所以外の避難先の検討を促していたといい、避難者も感染を危惧して避難所への避難をためらったとの声もあったという。避難所では2メートル間隔を確保し定員を減らしたために避難者に他の避難所へと移動が必要になった事例もあり、コロナによる影響を含めて実態を調査する。また、民間施設の避難所としての活用を図るために、市町村が要配慮者らの避難所として宿泊施設を利用した場合に県が経費を補助する制度の周知や、市町村と民間施設との協定締結を進める。最終報告は9月上旬までにまとめる予定。【8月22日 岐阜新聞より】
▼岐阜県 令和2年7月豪雨災害の検証について
https://www.pref.gifu.lg.jp/kurashi/bosai/shizen-saigai/11115/r0207saigaikensyo.html -
【地域防災】土砂災害想定し重機訓練 山口市消防本部など 救助の流れも確認
全国で相次ぐ自然災害に的確に対応するため、山口市消防本部と市消防団は22、23日、土砂災害などを想定した対応訓練を、市消防団小郡訓練場で行った。本格的な台風シーズンなどに備えて企画し、22日は同本部の救助隊員や消防団員ら約30人が参加した。訓練は大規模な土砂災害などが起きたとの想定で行い、参加者たちは災害現場に向かうため重機を使ってがれきや木材を撤去する手順や、助けを求める人を救助するまでの流れを確認。チェーンソーの使い方なども学んだ。企画した同本部の梅月大佑主査は「全国で大規模な災害が相次ぐなか、県民の期待に応えられるよう、これからも訓練を重ねていく」と話した。【8月24日 読売新聞より】
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【地域防災】開通前に避難路利用 陸前高田・気仙町の国道45号/岩手
国が山側に移設を進める岩手県陸前高田市気仙町の国道45号の一部区間は24日、本年度内の開通を前に、避難路として利用を始める。近くの道の駅高田松原から高台までの避難距離が約300メートル短縮され、現行ルートより5分ほど早く避難できる。市によると、避難路として使うのは気仙大橋西側の信号機から南の約120メートル区間。同道の駅からの避難は信号を南に直進し、新国道や市の管理用道路を通るルート。市指定避難所である気仙小近くの高台まで約1.2キロで、歩けば約20分で着く。市が国側に打診し、開通前の利用が実現した。【8月23日 岩手日報より】
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【地域防災】西町と寺町が災害時に独居高齢者の避難を共同支援/京都
京都府福知山市の旧市街地にあり、一人暮らし高齢世帯の多い西町自治会と寺町自治会は、豪雨による水害などが起きた時に、避難が難しい住民たちの支援活動を共同で行う計画を立てている。今年2月に開かれた昭和学区の東八町自治会長会による合同研修会で、寺町の塩見自治会長が、西町の大西自治会長の避難支援活動に関する発表を聞き、一緒に活動ができたらと、協力を打診した。両自治会は由良川堤防に近く、いったん堤防が決壊すると大きな被害が出ることから、西町自治会も支援者のマンパワーや車の確保、情報共有のためにも協力していくのが良いと判断。2自治会での活動態勢を整えた。有事の際はそれぞれの自治会で避難困難者を両地区から近い三段池体育館に避難させ、館内に合同の支援本部を設置。更に緊急で避難を希望する人たちが両地区内にいないか確認し、支援要望があった場合は、両自治会の用意した車で即座に対応する。このほか避難所での避難困難者らの世話や帰宅時の判断なども、共同でしていく。【8月21日 両丹日日新聞より】
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【地域防災】災害時安否確認、玄関先の旗で 迅速な状況把握狙い/長野
長野県松川町生田の生東区自主防災会が今夏、大規模な土砂災害や地震などの際、住民が避難状況や傷病者の有無を周囲に知らせる旗を作り、区内の約160世帯に配布した。同区は民家が点在する中山間地域にあり、災害時の各戸の安否確認に時間がかかることが課題だった。旗は赤と青の2色あり、それぞれ約25センチ四方。無事を知らせるのは青で、家にいて安全の場合や、避難する際に掲げる。傷病者の救援が必要な場合は赤で、外出などで安否確認できない人がいる場合は青を三角形に折って掲げる。玄関やベランダにも取り付けやすいように洋服用ハンガーを付けた。自主防災会では35の安否確認班を組織。災害時は各班が担当の世帯を回って旗を確認する。同区は昨年度から自主防災会の態勢づくりに力を入れており、高齢者の一人世帯や自治会未加入者を念頭に置いた安否確認が必要と考えた。県内の自治体でも同様の取り組みがあると知り、参考にした。【8月20日 信濃毎日新聞より】
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【地域防災】瀬谷消防署 高齢者宅で防災呼びかけ 火災や怪我予防を助言/神奈川
神奈川県横浜市の瀬谷消防署が今月から、75歳以上の人口構成比率が高い地域を対象とした防災訪問を始めた。職員が家を訪問して、住宅用火災警報器の点検や、家での転倒事故防止などを呼びかけていく。防災訪問は、職員証を携帯した職員が火災や怪我が懸念される個所を確認して、助言するもの。同消防署では2014年から、地域や住民の要請を受けて続けてきた。2020年度は瀬谷区連合町内会自治会連絡協議会や自治会町内会の協力のもと、75歳以上の構成比率が高い5地区を優先的に啓発。訪問を希望する高齢者宅で、アドバイスを行うことになった。【8月20日 タウンニュースより】
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【地域防災】災害時の妊婦などの避難先に専門学校を活用 茨城 古河
茨城県古河市は、妊婦や乳児を連れた母親を災害時に受け入れる専用の避難先として看護師などを養成する市内の専門学校の校舎を活用する協定を結んだ。17日、市と学校法人との間で取り交わされた協定では、看護師や助産師などを養成する専門学校の校舎を災害時に妊婦や乳児を連れた母親が一時的に避難する施設として活用するとしている。校舎内には高さを調節できるベッドがあり、最大12人の妊婦を受け入れることができるほか、乳児をもく浴できる浴槽があり、幼い子どもを連れた母親の避難にも対応できるとのこと。【8月17日 NHKニュースより】
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【歴史・教訓】水害の備えに先人の知恵 山形・庄内地方に風化防ぐ遺構残る
7月末の記録的豪雨により河川の越水が起きた山形県庄内地方に、先人の知恵を生かした自前の対策で水害に備えた川沿いの集落がある。山形、秋田両県境にそびえる鳥海山の麓、山形県遊佐町高瀬地区の中山集落。2級河川、月光川の支流、洗沢川の右岸約500メートルに並ぶ約20世帯は、石積みの多段式の自営堤防に守られている。石堤建設の経緯を伝える記録はないが、少なくとも戦前には整備されていたといい、集落の先人が手を入れてきたとみられる。今なお現役で、河川行政の関係者は「水害対策の歴史を伝え、今も活用される貴重な構造物だ」と評価する。集落は石堤の上にあり、川に向かって各戸が石垣と門を隙間なく築いている。門柱や敷石に彫った幅5センチほどの溝に板を落とすと、石垣と門と板が面的に連続する防水壁となる。1級河川の赤川に支流の梵字川が合流する鶴岡市熊出集落にも自衛策が見える。赤川左岸の堤防直下には敷地の周囲に石積みの塀を設けたり、門柱の間に板をはめる仕掛けを施したりした家々がある。集落では過去に氾濫が繰り返し発生し、江戸時代の古文書「奥羽道程記」にも現在の市中心部を守る上で治水の要所と記された。今なお現役で、河川行政の関係者は「水害対策の歴史を伝え、今も活用される貴重な構造物だ」と評価する。【8月17日 河北新報より】
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【防災教育・啓発】避難所のコロナ対策をチラシで/北海道
北見市は、災害時に開設する避難所の新型コロナウイルス対策として、マスクや消毒液を持参したり安全な場所に住んでいる親戚や知人の家などに避難したりすることを紹介するチラシを市民に配布した。チラシでは、避難所でのルールとして、マスク、消毒液、上履きなど感染予防に必要なものを持参したり、家族以外とは距離をとり会話を最小限にして接触を避けたりすることなどを呼びかけている。【8月17日 NHKニュースより】
▼北見市の防災~災害に備えよう! / 北見市
https://www.city.kitami.lg.jp/docs/2020073100085/files/001omote.png -
【災害想定】口永良部島で火山性地震増加 噴火の可能性115回/鹿児島
気象庁は5日、鹿児島県の口永良部島で火山性地震が増加していると発表した。同日午後3時までに115回の地震を観測。震源は新岳火口付近の浅い所と推定している。噴火の可能性が高まっているとして、火口から約2キロ圏では大きな噴石の飛散や火砕流への警戒を呼び掛けた。ただ、警戒レベルは3(入山規制)を継続する。GPSなどを使った観測では、1月ごろから地殻の動きが明瞭となっている。【8月5日 共同通信より】
▼気象庁 口永良部島の活動状況
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/509.html -
【地域防災】命守った“避難ルール” 8家族、声掛け合い冷静に 土石流発生の熊本県芦北町海浦・滝の上集落
7月の豪雨で大規模な土石流が発生した熊本県芦北町海浦の滝の上集落。急傾斜地に8家族約20人が暮らす小さな集落では、危険を察知した住民が互いに声を掛け合って避難し、駆け付けた消防隊員の誘導で集落を無事脱出した。4日早朝、大雨で集落の中を流れる幅わずか1.5メートルほどの小川があふれ、濁流が沿道を覆った。集落で最も高い所にある上野達也さん方の裏山が音を立てて崩れ始め、土砂や倒木が家屋に迫った。上野さん家族は、隣近所を一軒一軒回り声を掛けた。土砂に押し流されていく倉庫を横目に、沿道を下って集落を出ようとしたが、倒木が折り重なり、脱出を阻む。孤立状態に陥った8家族のうち、2家族4人には足の悪い者もいたが、幸い、比較的安全な場所だったためそれぞれの自宅で避難。残り6家族19人は、濁流や土砂を回避できそうな場所にある空き家など2軒の家に分かれて救助を待った。そこへ、倒木をかき分け、水俣芦北広域消防本部の楠原幸男通信指令室長が現れた。住民から借りたチェーンソーで倒木を切断し、人が通れる隙間をつくり、消防団員や町役場職員も協力し、住民全員を集落から脱出させた。集落の班長を務める上野治雄さんによると、過去の水害体験から、災害時に避難する家や空き家を住民同士で話し合い事前に決めていたという。「小さな集落で日頃の近所付き合いがあるからこそ、声を掛け合い、まとまって冷静に行動できた」と住民たちは口をそろえて話した。【8月6日 熊本日日新聞より】