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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【災害想定】南海トラフ巨大地震 災害廃棄物は東日本大震災の12倍か
南海トラフの巨大地震が起きると、東日本大震災の12倍の災害廃棄物が発生するという新たな試算が、環境省が設置している有識者などによる作業チームによりまとまった。地域別にみると、四国がおよそ7160万トンと最も多く、中部がおよそ6290万トン、近畿がおよそ4430万トンなどが予想されている。東日本大震災では、災害廃棄物の処理をほぼ完了するのに3年かかったが、今回の試算では、南海トラフ巨大地震についても、全国で広域処理すれば処理は3年で終えられるとした。環境省は、試算の結果や指摘を踏まえ、処理期間や廃棄物の運搬方法などについて検討を進めることとしている。【3月28日 NHKニュースより】
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【地域防災】「心身の不調」人吉46%、八代30% 熊本豪雨被災世帯調査
昨年7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市と八代市の被災者世帯を対象にした専門機関の調査で、「災害発生後に体やメンタルの調子が悪かった人の有無」を聞いたところ、「いる」と答えた世帯は人吉で46.6%、八代で30.0%に上ることが13日、分かった。避難生活に関し、「高齢者に負担」「心的ストレスがある」との声が目立った。調査は両市が調査を委託した一般財団法人ダイバーシティ研究所が、昨年9〜10月に主に対面で聞き取り。人吉市で629世帯、八代市坂本町で926世帯から回答を得た。「調子が悪かった人がいる」とした世帯は人吉が293件、八代が278件。このうち「体の不調が継続している」としたのは人吉は30.4%、八代は18.3%。「メンタルの不調が継続」は人吉29.7%、八代は21.2%だった。【3月15日 熊本日日新聞より】
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【技術・仕組】鹿児島の鬼界カルデラ、海底ケーブル使い活動探査へ
薩摩半島の南方約50キロの三島村海域に広がる「鬼界カルデラ」の調査を進めている神戸大などの研究グループが今夏、海底光ケーブルを利用したモニタリングに乗り出す。巨大カルデラの状況把握と将来予測につなげる狙い。ケーブルを所有する同村と同大海洋底探査センター(神戸市)が4日に連携協定を結んだ。研究グループは2016年秋から船による調査に着手。カルデラ内には溶岩量32立方キロを超える巨大な溶岩ドームがあり、その周辺では地震活動がみられることを確認している。モニタリングは7~8月に始める予定で、枕崎から両島と黒島にのびる海底ケーブル(総延長約190キロ)を使い、1本の光ファイバーに陸上の観測装置からレーザー光を放ち、その散乱光で海底の歪み変化や地震動を計る。ケーブルを「センサー」とすることで長期にわたってリアルタイムに観測できるため、マグマの状態をより正確に把握できるという。【2月14日 朝日新聞より】
▼薩摩硫黄島「概要版」/国立研究開発法人産業技術総合研究所
https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/satsumaioujima/vr/c.html -
【地域防災】震災関連死 認定者の半数、転居5回以上/福島
東京電力福島第1原発事故で避難区域になった福島県双葉郡8町村のうち、開示資料に死亡時期が明記されていた楢葉町では、関連死に認定された人の半数が、亡くなるまで5回以上転居していたことが分かった。震災から半年以降に亡くなった人は7割に上り、安定しない生活と避難生活の長期化が大きな負担となっていた実態が読み取れる。開示資料や町への取材によると、1月末現在、関連死と認定されたのは計140人。入院中に被災し、その後病院で亡くなった1人を除き、139人が避難を余儀なくされた。一時的な入院を除いて平均約5回転居し、半数の73人は5回以上の転居。最も多かったのは13回だった。【2月8日 河北新報より】
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【普及啓発】女川高等学園、ぼうさい甲子園で最高賞 新様式での訓練評価/宮城
防災活動に取り組む学校や団体を表彰する「ぼうさい甲子園(1.17防災未来賞)」で、宮城県女川町の県立支援学校女川高等学園が最高賞のグランプリに輝いた。特別支援学校の最高賞受賞は初めて。新型コロナウイルス下で訓練に工夫を加えた点や、自主防災組織の運用など生徒の主体的な姿勢が評価された。【2月1日 朝日新聞より】
▼令和2年度ぼうさい甲子園特設サイト
http://bousai-koushien.net/ -
【防災施策】知事 「福祉避難所」確保急ぐ/兵庫
阪神・淡路大震災からまもなく26年兵庫県の井戸知事は、NHKなどのインタビューに対し、新型コロナウイルスの影響で不足するおそれのある障害者や高齢者のための「福祉避難所」の確保を急ぐ考えを示した。災害時、体が不自由な高齢者や障害者などを受け入れる「福祉避難所」をめぐっては、神戸市の調査でほとんどの避難所が新型コロナウイルスの感染防止を理由に定員を減らすと答えるなど不足が懸念されている。また、「災害弱者をいざというときにどのように避難させるかが重要だ。個々人の『マイ避難計画』は、まだ県内で10%ぐらいしか作られていない現状であり、これをさらに推進していくことが重要だ」として避難が困難な人、ひとりひとりのニーズに即した避難計画づくりを広めたいと述べた。【1月4日 NHKニュースより】
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【災害想定】津波対策の高台移転「実施・計画」が4割超
今後30年以内に70~80%の確率で起きるとされる南海トラフ地震。その津波被害が特に懸念される太平洋側の139市町村のうち、4割超の計62市町村が東日本大震災後、公共施設の高台移転を実施、または計画していることが、朝日新聞のアンケートでわかった。国の想定では、南海トラフ地震が起きた場合、最悪でマグニチュード9.1の地震が起き、津波などによる死者・行方不明者数は最大で約23万1千人に上る。東日本大震災の津波で危機管理対応の要となる庁舎の浸水が相次いだ教訓から、国は庁舎建設の財政負担を軽減する制度を設けるなど、高台移転を推し進めてきた。同社は今月「津波避難対策特別強化地域」になっている千葉から鹿児島までの14都県139市町村にアンケートを行い、すべてから回答を得た。2015年にもこの地域に同様のアンケートを実施している。【12月21日 朝日新聞より】
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【歴史・教訓】津波で84人が犠牲 大川小学校の教訓生かす報告書まとまる/宮城
東日本大震災で多くの児童と教職員が犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校の教訓を生かそうと、県が設置した有識者会議は、想定を超える災害に備えた防災マニュアルの整備などを盛り込んだ報告書をまとめた。報告書では、具体的な取り組みとして、想定を超える災害に備えた複数の避難場所や避難経路を防災マニュアルなどに整備し、訓練を行うことや、教職員の危機対応力を高めるための体験型の研修などを行うよう求めている。また、地域住民と連携しながら防災マップを作成することや、子どもたちに、自分自身の避難計画を作成してもらうことなども盛り込まれており、宮城県教育委員会は、報告書の内容を、県内の学校に周知し防災対策に生かすよう促すこととしている。【12月14日 NHKニュースより】
▼大川小学校事故検証委員会 平成26年2月大川小学校事故検証報告書
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo5/012/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/08/07/1350542_01.pdf -
【地域防災】諫早、雲仙市民アンケート 諫干 防災効果を評価 地域活性化の実感乏しい/長崎
国営諫早湾干拓事業や自治体合併の影響について、諫早、雲仙両市民の意識を探るアンケートの結果がまとまり、12日に諫早市内で報告会があった。堤防道路の利便性や防災効果を評価する人が多い一方、経済や観光などの地域活性化の実感が乏しい状況が明らかになった。大学教員らでつくる「活力ある地域社会の形成」研究プロジェクト(代表・加藤雅俊立命館大准教授)が9~10月に実施。18歳以上の2100人(諫早1600、雲仙500)に郵送、731人(同556、同175)が答えている。干拓事業に関して、諫早の65.1%が「河川の氾濫防止」を、雲仙の81.7%が堤防道路の利便性を評価した。【12月14日 長崎新聞より】
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【歴史・教訓】水戸・旧圷渡里地区 水害の教訓見つめ直す 伝承碑拓本や被害調査/茨城
昨年10月に発生した台風19号(東日本台風)で浸水被害を受けた水戸市渡里町の旧圷渡里地区住民らが、過去の被害や課題などを整理するなど「自助・共助」の取り組みを進めている。那珂川沿岸に位置し、これまで複数回にわたり水害に見舞われてきた同地区。昨年の教訓や過去の記録などを見つめ直し、地域独自の防災対策や住民意識の向上策を探っている。今年11月下旬に1940年に建立された鳥居前の伝承碑「戊寅水難の碑」の清掃と拓本を実施。碑は10月に国土地理院のウェブ地図「地理院地図」に掲載されるなど、再び注目が集まりつつある。今後は洪水対策への住民意識の高揚へ向け、新たな防災活動も模索していく。将来的には地域独自のハザードマップ作成や緊急連絡網の整備も目指していく。地区の住民は「地域でできる対策を整理することで、自助、共助、公助の取り組みをしっかり構築していきたい」と話した。【12月7日 茨城新聞より】
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【施設・機関】無人艇使い海底地殻変動を長期観測 東北大と海洋機構が成功、「ゆっくり滑り」検出期待
東北大と海洋研究開発機構が自動で航行する無人艇を使い、海底地殻変動の長期観測に成功した。観測は、東日本大震災のようなプレート(岩板)境界で起きる地震の規模の想定やメカニズム研究の鍵を握る。有人船舶に比べて大幅な低コスト化と弾力的な運用が可能になり、観測強化を実現できる。震災前は海底地殻変動のデータが不足し、マグニチュード(M)9の巨大地震を想定できなかった一因となった。観測の重要性が増す中、今回の成果は長期連続観測に向けた一歩となる。今後期待されるのが、プレート境界が揺れを伴わずに、数日~数年かけて低速でずれ動く「ゆっくり滑り」の検出。巨大地震が切迫している南海トラフの広い領域で確認され、震災でも直前に起きていたことが分かっている。プレート境界で周囲の固着域へのひずみを増加させ、地震の引き金になる可能性があるため、近年、地震学で注目を集める研究領域である。【11月30日 河北新報より】
▼長期的ゆっくりすべりについて 気象庁
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/nteqword.html -
【企業・BCP】九州豪雨在宅避難者のニーズは 大阪の研究所が現地調査 支援改善へ熊本と連携
7月の九州豪雨で被災した熊本県人吉・八代両市で、壊れた家屋で生活する「在宅避難者」の困りごとを聞き取る調査を、災害弱者支援を続ける一般財団法人「ダイバーシティ研究所」(大阪市)が始めた。人手が足りない自治体に代わって約4000世帯を対象に調査。11月までに結果をまとめて行政に提供し、支援策の改善につなげる狙いだ。研究者だけでなく、熊本県内のボランティアや被災者も聞き取りに参加している。新型コロナウイルス感染防止のため避難所の過密を避けるべく、国も在宅避難を推奨している。ただ、水道などライフラインが途絶した状況では炊事やトイレもできない劣悪な生活となり、災害関連死も招く。熊本地震(2016年)で熊本県が17年末に実施した調査では関連死の4割は亡くなる前に自宅で生活していた。【11月9日 毎日新聞より】
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【地域防災】熊本豪雨、被災世帯調査 人吉市が開始
熊本県人吉市は12日、7月の豪雨で被災した世帯の実態調査を始めた。半壊以上の約2900世帯が対象。市が委託した一般財団法人ダイバーシティ研究所(大阪市)が調査する。12日は調査員12人が、避難所の人吉スポーツパレス(同市下城本町)を訪問。2人1組で、浸水の程度など家屋の状況や食事、生活費などの生活状況、今後の見通しや心配事など、7項目を聞き取った。27日までの土、日、祝日に調査員が避難所や自宅へ出向き調査する。回答はパソコンやスマートフォンからも可能。同研究所の森章浩研究員は「9月末を目標にデータをまとめたい」と話している。市は調査結果を、被災世帯への総合的支援に向けて設置する「地域支え合いセンター」運営の基礎資料にする。【9月14日 熊本日日新聞より】
▼令和2年7月豪雨による生活影響調査実施のお知らせ/人吉市
https://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/756/14144.html -
【歴史・教訓】南海トラフ地震の津波被害、海底地滑りで増大 過去5000年間で駿河湾沿岸に4回襲来
静岡県焼津市の駿河湾沿岸で地質調査などをしたところ、過去五千年間に南海トラフ巨大地震による津波に4回襲われ、うち1096年の永長東海地震と1498年の明応地震では、海底で生じた地滑りによって被害が増大した可能性があることが分かったと、静岡大や東京大のチームが31日に発表した。チームの北村晃寿・静岡大教授(古環境学)は「海底地滑りが起きて想定以上の被害が出ることを考慮した津波対策が必要だ。調査を続け、地滑りの規模と頻度を明らかにしたい」と話した。チームは2015年から、焼津市浜当目の12カ所でボーリング調査し、採取した津波堆積物を分析。紀元前3000年以降、4回の津波の痕跡を見つけた。マグニチュード8クラスの地震の発生間隔は90〜270年とされるが、紀元前3000〜紀元後1000年の約4000年間で確認できた津波は、紀元前805〜紀元前405年にあった1回だけ。かつては海岸から延びた砂の防波堤が存在し、浸水を防いでいたとみられる。【8月31日 中日新聞より】
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【普及啓発】コロナと災害、避難所どうする 環境防災総合政策研究機構 アンケート
東京大大学院の松尾一郎客員教授監修のもと、NPO法人「環境防災総合政策研究機構」が4月、インターネット上で災害時の避難に関する意識調査を実施した。5261人のうち7割以上が、「新型コロナウイルスの流行が避難行動に影響する」と回答しており、国や自治体は新たな策を講じることが求められる見込み。新型コロナが流行する中、地震や水害時の避難行動に影響するか尋ねたところ、73.3%が「影響する」と答えた。具体的な影響(複数回答)としては、「マイカー等を使って車中泊避難をする」(41.7%)が最多。「親戚や知人の家に避難する」(17.4%)のほか、「避難所に行かない」(21.8%)、「災害リスクがあっても自宅に留まる」(14.3%)との回答もあった。また、「避難所で感染防止対策が行われていれば避難するか」との質問には、18.1%が「避難する」、63.4%が「対策の内容によって判断する」と答えた。自治体が避難所でどこまで感染防止対策を徹底できるかが、住民の避難行動の鍵となる見込み。【7月6日 産経新聞より】
▼災害時の避難における新型コロナ感染症対策等に関する国民の意識や行動調査全体集計結果(速報)
http://www.npo-cemi.com/labo/works/202006_covid-19_ver2.pdf -
【地域防災】高潮被害うけ調査 防潮堤整備へ/兵庫
一昨年の台風21号による高潮被害を受けて兵庫県が沿岸部の調査を行ったところ、44か所で防潮堤や堤防などの高さが不十分だったことがわかり、令和10年度までに順次、対策工事を進めることになった。一昨年9月、神戸市付近に上陸した台風21号では、記録的な高潮で芦屋市や西宮市、尼崎市などの沿岸部で住宅の浸水などの大きな被害が出た。これを受け、県が海岸の防潮堤や河川の堤防の高さを改めて測量し、最新の台風のデータを用いて算出した新たな基準と比較した結果、海岸と河川の沿岸の少なくとも44か所、あわせて51キロメートル分について、防潮堤や堤防の高さが不十分だったことがわかった。対象の44か所は、大阪湾で19か所、播磨沿岸で9か所、淡路島沿岸で9か所、但馬沿岸で7か所となっていて、このうち芦屋市の南芦屋浜で最大2.2メートル、洲本市の都志と淡路市の富島で最大2メートル、また、香美町の無南垣では最大1.9メートル、高さに不足があった。このため県は、防潮堤などのかさ上げや水門を整備を進める10か年計画をまとめ、高潮対策を進めていくことになった。兵庫県では「台風の被害が大きかった芦屋市や西宮市の沿岸部などではすでに先行して工事を始めており、県全域での対策を急ぎたい」としている。【6月15日 NHKニュースより】
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【歴史・教訓】福島県、防災研究者育成へ 双葉に新設「伝承館」
今夏にも双葉町で県アーカイブ(記録庫)拠点施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」が開所するのに合わせ、県は若手研究者の育成に乗り出し、地震や津波、原発事故の複合災害を経験して得た知見を後世に引き継ぐ。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年目に入り、伝承館を拠点として記憶や教訓の継承に向けた風化対策を本格化させる。今年度、まず県内外で防災やリスクコミュニケーションに関する研究に取り組む大学教授らを上級研究員として迎える。上級研究員は3人程度を非常勤で雇用し、主な研究領域の検討を進める。研究分野は災害対策の行政対応や原子力防災、応急や中長期の避難、被災者支援、ボランティア、防災・減災教育などが見込まれる。【5月24日福島民報より】
▼ふくしま復興ステーション 東日本大震災・原子力災害伝承館
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list275-2061.html -
【防災施策】伊豆東部と富士山南東、地形把握へ 県が詳細3次元データ公開/静岡
静岡県は、伊豆半島東部と富士山南東部をレーザーで計測した詳細な3次元データをウェブ上で公開した。25センチ方眼の点の集まりで、このデータを使えば地形や距離をほぼ正確に把握できる。津波や水害などの災害対応や観光面での活用が見込まれる。一般的な無料公開データの400倍の細かさで、こうした高密度なデータを自治体が公開するのは全国でも珍しいという。3次元データは2019年度、レーザースキャナーを使って軽飛行機やヘリコプター、自動車、電車から計測し、収集した情報を重ね合わせて作成した。公開データの対象面積は1050平方キロで県全体の7分の1ほどに当たる。産学官の提供データをまとめたG空間情報センターのウェブサイトから、南北約300メートル、東西約400メートルのエリアごとに誰でも無料でダウンロードできる。公開対象エリアは計測の進捗(しんちょく)に従って順次拡大し、将来的に全県の詳細3次元データの公開を目指す。ウェブ上で航空写真を俯瞰(ふかん)できるグーグルマップのストリートビューは画像の集まりなのに対し、県の公開データは測量データの集まりで、精度の高い距離の測定に利用できるのが強み。災害の前後で地形がどのように変化したのかをいち早く把握し、早期の災害復旧に役立てる。津波や水害の際の浸水を立体的に予測し、仮想現実(VR)を使って住民の意識啓発にも活用できる。観光面では伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」(伊豆市)でジオサイトを多角的に見られるVRを本年度、導入する。県建設技術企画課は「航空写真と異なり、建物や木を取り除いて地形だけをイメージ化したり、斜面の角度を色付けして危険箇所を見える化できたりする」とデータ活用の可能性を指摘している。【5月20日静岡新聞より】
▼「VIRTUAL SHIZUOKA」富士山南東部・伊豆東部エリアのデータ公開
http://www2.pref.shizuoka.jp/all/kisha20.nsf/c3db48f94231df2e4925714700049a4e/02c1ee8264a1b658492585420007c620?OpenDocument -
【歴史・教訓】資料20万点、閲覧伸びず 有効活用促す工夫必要 開設3年、熊本地震デジタルアーカイブ
熊本地震に関する写真や文書などの記録をデータ化し、一般に公開している熊本県の「デジタルアーカイブ」が4月で開設3年を迎えた。これまでに集めた資料は当初目標の20万点を突破した。一方で利用は伸び悩んでおり、専門家は「次の展開を考える時期に来ている」と指摘する。大勢の被災者が身を寄せ合う体育館、支援物資の配布時刻が書き足された避難所の掲示板、道路や農地の被害をまとめた自治体の会議書類…。県のアーカイブには、地震発生初期の混乱ぶりを克明に伝える資料が並ぶ。事業は2016年9月、資料の散逸を防いで熊本地震の記録を後世に残そうと、有識者会議の提言を受けて着手した。市町村や民間にも協力を呼び掛けて写真や行政文書を中心に幅広く収集した。【5月19日熊本日日新聞より】
▼熊本県 熊本地震デジタルアーカイブ
https://www.kumamoto-archive.jp/ -
【地域防災】安曇野の地下に六つの大規模断層 信大グループが発見/長野
信州大の研究者らでつくる「信大震動調査グループ」(代表・小坂共栄(ともよし)名誉教授)は14日、安曇野市内の地下にこれまで存在が知られていなかった大規模断層が少なくとも六つあると明らかにした。いずれも活断層の可能性があり、調査した原山智名誉教授は「これまで地震が想定されていた松本盆地東縁断層(糸魚川―静岡構造線活断層帯の一部)だけでなく、今回見つかった断層も合わせて被害対策を見直す必要がある」としている。 新たに推定されたのは松本盆地東縁断層に平行し、南北に縦断する9本。うち6本は2本ずつつながっている可能性がある。最も長い断層は同市穂高有明から同市堀金三田にかけて8キロに及び、垂直方向に500メートルほどのずれが確認できたという。市からの委託調査で、同グループが2018、19年度、高精度な地震計を使い、微小振動(微動)の伝わり方から地下構造を調べた。いずれも地下にある「伏在断層」で、原山名誉教授は「被害を出す地震の多くは地上から確認できる活断層ではなく、伏在断層である場合が多い」と指摘し、注意を促している。同グループは市街地一帯の地盤の軟らかさと厚さから推定した「揺れやすさマップ」も作成。穂高有明や堀金三田などが揺れやすいと分かった。市は本年度中に改訂する防災マップなどに反映させる。【5月15日 信濃毎日新聞より】