まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

※寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

河村宏(かわむら・ひろし)

2018年7月17日

河村宏(かわむら・ひろし)

特定非営利活動法人支援技術開発機構

生年:1947年
出身地:東京都
最近の防災・減災活動:2001年に厚生科学研究費による「災害時に障害者を支援する情報システムに関する研究」プロジェクトによる国際共同研究を始め、浦河べてるの家をはじめとする北海道浦河町の皆さんと進めてきたアクセシブルでわかりやすいマルチメディア防災マニュアルの開発とその国際的普及を行っている。第3回国連防災世界会議において障害者グループのフォーカルポイントを務めた。
・国連広報センター 「DAISYをもっと多くの障害者のもとへ

・防災に取り組み始めたきっかけは?

学生時代に地学の巡検で岩手県の田老町(現・宮古市)を訪問して津波の脅威と防災の重要性を学ぶ機会を得たことが、防災を考える原点になっています。その後、障害者の情報アクセスを研究する仕事に従事するようになり、タイムリーな避難が生死を分ける大規模災害における防災情報のアクセスが、多くの障害者に保障されていないことに慄然としました。研究領域として、特に社会的偏見が強く支援方法も当時あまりよくわかっていなかった精神障害、自閉症、知的障害等の人々が災害リスクとリスク軽減方法とを正確に理解するために、1996年以来開発を進めてきたDAISYというマルチメディアの国際標準規格とその開発のための国際的なネットワークが役に立つと直感しました。


・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

障害のある人も無い人も、本人が避難する決断をしないと避難できません。誰かに支援してもらわないと避難できない人も、避難すべきタイミングと避難場所および最も適切な避難経路を知っていなければ安全を確保することが難しいのです。人一倍学習し避難訓練に参加しないと安心と安全を手に入れることが難しいからこそ、本当にリスクを理解したときに、障害がある人々は熱心に避難訓練に参加します。町役場や自治会の協力を得て、浦河べてる(https://bethel-net.jp/)の家の皆さんがDAISY版の避難マニュアルを活用して自発的に避難訓練を重ねてくださり、本当に良かったと思いました。特に東日本大震災の際には整然と訓練通りの避難を実行して、地域の率先避難者グループとなりました。この実践は、精神障害を抱えながら地域で暮らす人々が、地域の取り組み次第で率先避難者としての役割を果たせる証拠として、仙台で開催された第3回国連防災世界会議を通じて世界に発信されました。
”Inclusion builds resilience” by By Andy McElroy.


・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

防災は公的機関のタイムリーかつ正確な情報提供と、それを受ける個々人の適切な判断による安全行動によって成り立ちますが、情報の出す側と受ける側とのつながりが、まだまだ不十分です。特に情報の出し手の公的機関が、もっと情報のアクセシビリティと分かりやすさに配慮して、Webや電子出版および放送のアクセシビリティ基準に沿った情報発信に努めてほしいと思います。


・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。

ホテル等は、災害時に客の安全に責任を負わなければなりませんが、土地勘が無く言葉もわからない人々の安心安全に多くの課題を抱えています。アクセシブルで分かりやすい防災情報に多言語という要素を加えることによって、ホテル等の宿泊施設が、地域防災に積極的に繋がるようになると思います。


・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

防災に関わる情報が充実していると思いますが、各自治体の防災情報のリンクがアップデートされていると一層便利なサイトになると思います。