まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

畑佐真司(はたさ・しんじ)

一般財団法人日本気象協会 防災ソリューション事業部 防災支援課

生年月日:1969年10月3日
出身地:岐阜県
最近の防災・減災活動について:JICA統合自然災害リスク管理国家戦略強化プロジェクト本邦研修における講師。

・地域防災にはまったきっかけは?

防災活動を意識したきっかけを思い返すと、小学生の時に遡ります。夜中に大雨が降り、普段はザリガニやカエルを獲っていた小さな川が氾濫しかけたことがありました。近所の大人の方々が声を掛け合って、協力して土のうを積んでいた場面を思い出しました。
自分の父親を含め、近所の大人たちがとても頼もしく見えたことを覚えています。この体験が地域防災に関わる原点のような気がします。


・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

現在私は、緊急情報等の発信を通じて、防災活動をソフト面で支援していく部署で働いています。自然災害をハード面で完全に対策しようとすると、膨大な予算が必要になることはご承知の通りです。自治体の防災メールや緊急放送を使って、防災情報を多種多様な方法で届けることはできますが、情報を入手した人が、避難行動に結びつけて初めて大切な命を守ることができると思います。情報の提供からさらに踏み込んで、どうしたら適切な避難行動を促せるかということが大切であると感じています。


・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

最近は地域コミュニティとの結びつきが希薄になってきて、極端な話になると隣近所の住民の顔も知らないということもあります。地域防災においては、災害発生前に、適切に避難するという行動が重要になりますが、不意の災害で落ち着いて行動できるという人は、全体の一割と言われています。そして、多くの人は、自宅に留まることを選択する傾向にあります。そんな時に地域で、防災リーダーが避難の呼びかけをすると、多くの人の避難行動を誘発することに繋がると思います。防災における共助体制を支える地域コミュニティ活動や防災リーダーの育成が今後の社会課題であると考えます。


・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

長野県下伊那郡泰阜村で、20年以上地域再生に取り組み、自然体験を通じて子供たちに自然との共生、昔の人の知恵を継承する活動に取り組んでいる、「NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター」代表理事の辻 英之さんを推薦します。
厳しい自然の中で、「地域の安全は地域住民で守る」を実践し、また、阪神大震災、中越地震、東日本大震災などで被災児童を山村留学として受け入れる等、支援活動に取り組んでいます。


・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

津波防災教育を通じて、東日本大震災の「釜石の奇跡」と呼ばれる成果を残した片田敏孝教授の講演を聞いて、一番心に響いた話を紹介します。
片田先生は釜石市で防災教育に取り組まれたとき、多くの大人達が防災に対し無関心であることを危惧され、「小学生、中学生に徹底して防災教育をする」ことを決意された。そして、「子供を通じて親の意識を変えよう」と考えたそうです。2004年に始まった取り組みは、7年後に多くの人々を救うことになりました。防災意識の定着は一朝一夕にできるものではないということを教えられる逸話だと思います。
私も、TEAM防災ジャパンの活動を通じて、防災リーダーの育成、国民の防災意識の向上に貢献できるよう取り組んでいきたいと思います。