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運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

矢守克也(やもり・かつや)

矢守克也(やもり・かつや)

京都大学防災研究所

生年月日:1963年3月25日
出身地:大阪府
最近の防災・減災活動:
◆主な著書
矢守克也・GENERATION TIMES 2014 被災地DAYS:時代QUEST−災害編− 弘文堂 (共著)
矢守克也 2013 巨大災害のリスク・コミュニケーション:災害情報の新しいかたち ミネルヴァ書房 (単著)
矢守克也・前川あさ美 2013 発達科学ハンドブック7巻:災害・危機と人間 新曜社
藤森立男・矢守克也 2012 復興と支援の災害心理学−大震災から「なに」を学ぶか− 福村出版 (共編著)
矢守克也 2011 増補〈生活防災〉のすすめ−東日本大震災と日本社会− ナカニシヤ出版 (単著)
矢守克也・渥美公秀・近藤誠司・宮本匠 2011 ワードマップ:防災・減災の人間科学 新曜社 (共編著)
矢守克也 2009 防災人間科学 東京大学出版会 (単著)
吉川肇子・矢守克也・杉浦淳吉 2009 クロスロード・ネクスト−続:ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション− ナカニシヤ出版 (共著)
矢守克也・諏訪清二・舩木伸江 2007 夢みる防災教育 晃陽書房 (共著)
矢守克也・吉川肇子・網代 剛 2005 ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション:「クロスロード」への招待 ナカニシヤ出版 (共著)

・地域防災にはまったきっかけは?

夢のない話で恐縮ですが、地域防災に関わっているのは、それが「私の仕事」だからです。プロとしてそれに関わっているということになります。しかし、言い訳めきますが、地域防災はプロが成立しにくい分野です。地域防災では、自然科学のように、いつでもどの地域にでも通用する普遍的な知識を武器にすることは困難です。むしろ、地域Aでうまくいった具体的な知恵aを別の地域Bにご紹介し、aをもとにbを作る作業をお手伝いすることが大切です。お手伝いに過ぎませんが、お手伝いにはお手伝いなりのプロフェッショナリティはあると信じて仕事をしています。


・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

私は研究者なので、研究者としての関わりについてしかわかりません。その限りで言うと、理詰めで学究的なスタンスと、それとは正反対に具体的で実践的なスタンス、両者の間の「振れ幅」をできるだけ大きくすること、その大きな「振れ幅」を、この私一人のふるまいの中にどれだけ同居させられるか。これがポイントだと考えています。


・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

一人一人の暮らしも、地域社会の営みも、多くのことを含み込んだ複雑な「全体」です。たとえば、津波避難一つをとっても、たとえば、このおばあちゃんの健康状態、子どもや孫との関係、暮らしている住宅への愛着、趣味や食べ物の好み…そういったことの「全体」が関わってきます。ところが、防災・減災に取り組む人は、仕事熱心のあまりでしょうけれど、「避難の成否=津波到達までの余裕時間×建物の耐震性×避難場所までの距離」といった世界に閉じこもりがちです。「防災・減災のエキスパートの社会知らず、人間知らず」こそが、一番大きな社会的課題だと思います。


・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

自分が地域防災のお手伝いをしている地域のキーパーソンを数名ご紹介したいと思います。高知県黒潮町役場情報防災課の松本敏郎さん、高知県四万十町役場の危機管理課の井上義之さん、大阪府堺市役所危機管理室大前琢郎さん、以上のお三方をご紹介します。


・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

いつもの座右の銘でお許しください。「Think practically, Act theoretically」。「実践的に考えよ、そして理論的に行動せよ」という意味です。理論的に考えるのは研究者なら当然の責務、実践的に行動するのは実務者なら必須の要件。そこまでなら多くの人が到達できる。でも、この中間が、実は一番むずかしい。TEAM防災ジャパンを通じて、この姿勢を共有できる仲間が一人でも増えればいいなあと思います。

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