まなべる、いかせる、つながれる。防災・減災のオンライン基地。

運営:防災推進協議会 企画編集:助けあいジャパン 協力:内閣府防災担当

リレー寄稿

笠岡(坪山)宜代 (かさおか(つぼやま)のぶよ)

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 室長
同 大震災健康・栄養調査プロジェクト 研究員
(公社)日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)エビデンスチーム リーダー
日本災害食学会 理事

最近の防災・減災活動:
1.制作物:
・災害時の食支援DVD(岩波映像)
・リーフレット「いざ!という災害時に備える栄養と食事」(日本栄養士会)
・リーフレット「もしも!の災害時だからこそ弱い立場の人に優先して食事を!」(日本栄養士会)
・保育所における災害時対応マニュアル-給食編-((公社)日本栄養士会)
・災害時の栄養・食生活支援マニュアル(国立健康・栄養研究所、(公社)日本栄養士会)
・避難生活向けリーフレット「栄養・食生活編、衛生管理編、赤ちゃん・妊婦・授乳婦編、高齢者編」(国立健康・栄養研究所、(公社)日本栄養士会)
・派遣専門職向け栄養・食生活エビデンス解説「栄養・食生活編、衛生管理編、赤ちゃん・妊婦・授乳婦編、高齢者編」(国立健康・栄養研究所、(公社)日本栄養士会)ほか
2.講演
国際会議、国際学会、国内学会、行政機関など講演多数。
3.論文:
・共著. 災害時の栄養・食生活支援に対する自治体の準備状況等に関する全国調査?地域防災計画と備蓄について?. 日本栄養士会雑誌58:517-526, 2015.
・共著. 東日本大震災後に日本栄養士会から派遣された災害支援管理栄養士・栄養士の支援活動に関する分析. 日本栄養士会雑誌58:111-120, 2015.
・共著. 日本栄養士会が東日本大震災の被災地に派遣した災害支援管理栄養士・栄養士の「思い」の分析. 日本栄養士会雑誌 58:35-44, 2015.
・共著. What factors were important for dietary improvement in emergency shelters after the Great East Japan Earthquake? Asia Pacific J Clinical Nutr 23:159-166, 2014.
・共著. Nutrition and earthquakes: Experience and recommendations. Asia Pacific J Clinical Nutr 23:505-513, 2014.
ほか多数

・地域防災にはまったきっかけは?

東日本大震災で管理栄養士としての災害派遣を経験してからです。現地で見た、食事環境にビックリして何とかしなければ!!と使命を感じました。避難所でお年寄りの方が、一人で下を向いて食べている姿は目に焼き付いて離れません。また、腎臓疾患の被災者の方から、「実は配られる食事を半分以上食べられなかった。。。」とコッソリ打ち明けられた時も衝撃でした。


・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

〜食べることは生きる事〜 この当たり前のことが、今の日本では軽視されていると言うことです。以前から、「日本の栄養問題はもう存在しない」と、言われるたびに心が痛かったのですが、災害時は、栄養不足が危惧される最も過酷な状況でした。三度の温かい食事が、当たり前のように食べられるのは、「生産」「流通」「製造」「加工」「小売り」「作り手」等の沢山の人の力によって支えられていること、どれか一つでも欠けるとチェーンが切れてしまう事を改めて感じました。


・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

物が無ければ、食べることは出来ないし、食支援もできない。国は家庭での食糧備蓄は推奨していますが、地方自治体や国自体の備蓄計画が明確になっていないと感じています。災害が起きてから慌てて、食糧をかき集める仕組みではうまくいくはずがないですし、企業の増産も限界があります。根本的な仕組みを変えていかなければと痛感しています。


・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の中沢 孝さん
“宇宙食と災害食は似ている!” そう感じたのは、私が研究者として機能性宇宙食に携わっていた時の事です。簡単に食べられる事、コンパクトで保存性が良い事等を参考にしていました。そんな時に、中沢さんと出会い、宇宙食と災害食の融合を現実のものにしてくださいました。今後の大規模災害時の食事を変えるため大きな一歩を進めてくれた方です。


・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

災害時の食を支えるには、ヒトも重要です。現在、災害栄養士としてJDA-DAT(The Japan Dietetic Association-Disaster Assistance Team)が立ち上がり、既に700名以上のトレーニングを受けたスタッフが待機しています。一方、日本災害食学会では、災害食の認定を開始し、普段使いの食事を災害時にも活用するための取り組みが始まっています。このような食支援の動きを他職種の方々にも広く知っていただき、いざという時にお互い力を合わせて連携が出来るような体制の足掛かりになると期待しています!