リレー寄稿
地域防災の担い手をご紹介
寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
加藤 知愛(かとうともえ)
北海道大学 北極域研究センター 特任准教授
- 主な活動地域
- 北海道 全域
- 最近の防災・減災活動
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2024年11月 北海道 登別市 論文:「津波避難対策特別強化地域における防災システム構築アプローチ」土木計画学研究発表会
http://hdl.handle.net/2115/93615 -
2025年11月 北海道 登別市 論文:「人的被害を減らす津波避難対策特別強化地域の防災システム構築アプローチ」寒地技術シンポジウム
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ctc/41/0/41_022/_pdf/-char/ja -
2024年03月 全国 全国 著書:『ソーシャルイノベーションの教科書:災害に強いレジリエント社会を創る』(ミネルヴァ書房)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b641518.html -
2021年03月 北海道 札幌市 論文:「災害復旧・復興を担う人材育成プログラムの構築」『公共政策学』15, 63-85.
https://hdl.handle.net/2115/81799
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防災を取り組み始めたきっかけは?
阪神・淡路大震災、東日本大震災、胆振東部地震からの復旧・復興史は、私の同時代史でもありますが、世界史上では古代ローマ時代/日本史では日本書紀時代から、領土侵攻や自然災害に遭いながら、人々はその度に傷ついた社会を共同作業によって回復し再建してきました。こうした歴史的な営みを感じる時、私自身もその一員となる道を選ぶしかありません。私の防災研究のルーツも「災害の発生は、カタストロフィーの世界からレジリエントな世界へ、構造が変化する契機となる」ことに気づいたことにあります。ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
記憶に残るアウトリーチを紹介します。 1つは、ある避難訓練で、のぼりべつ女性防災ネットワークの皆さんと避難した要配慮者の方が、最短避難ルートの確保と適切な支援があれば、津波到達予測時刻前に避難を完了できる可能性が示されたことです。もう1つは、沿岸近くの救助活動中に消防車両と消防官が津波に巻き込まれる予測に対して、消防官の皆さんが、安全確保と二次避難誘導を重視する実施要綱を策定し、登別市と市議会が制度改定・運用改善を行ったことです。「災害で失う命をゼロにする」目標に、少しだけ近づけたことを実感できて嬉しかったです。防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
「つながり」は「複合的な統治=ハイブリッド・ガバナンス」と言い換えることができます。ハイブリッド・ガバナンスとは、危機に対峙するために、多セクターのアクターが互いの制度を越えて協働的な統治システムを形づくることをいいます。リスボン大地震の頃から見られる、国際協力チームが被災コミュニティを支援する過程では、当該地域の復旧・復興が進められる一方で、ノウハウが他の地域にも移転して、事前復興計画に盛り込まれることがあります。それが災害時に起動する現象は、ハイブリッド・ガバナンスの一形態と捉えることができます。ハイブリディティと防災・減災との接点には「つながり」を構築するヒントがあります。TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
DPES研究から、実践知は共有され、応用され、フィードバックされることで、次の実践の力になることがわかりました。TEAM防災ジャパンのサイトが、「命を救うための経験、理論、方法論、手法、試行錯誤の記録などが共有されるコミュニティ」となり、災害エキスパートの実践後のフィードバックの情報が、時間や空間を超えて次の担い手に届いて、かつ、まさにカタストロフィーの中にいる人々のために活用される循環の場であることを期待します。- 関連タグ
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