リレー寄稿
地域防災の担い手をご紹介
【ぼうさいこくたい編】和田章(わだあきら)
防災学術連携体代表幹事、東京工業大学名誉教授、日本免震構造協会会長
- 主な活動地域
- 東京都 全域
- 最近の防災・減災活動
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生年月日:1946年1月11日
出身地:岡山県
最近の防災減災活動:http://www.akira-wada.com/、防災学術連携体 http://janet-dr.com/
・「ぼうさいこくたい」の開催に向けて、伝えたいこと、知ってもらいたいことについてご紹介ください。
日本は米国や中国に比べて小さな箱庭のような国です。周辺は海で囲まれ、7割近くが森でいっぱいの山地ですが、人々が生活し活動する平地の少ない国です。しかし、地形が複雑で、急峻な川が100以上あり、温泉もあり、豊かな自然に恵まれています。温暖かつ湿潤な気候は農業に適している素晴らしい国です。しかし、日本は地震・津波、台風、豪雨・豪雪などの大きな自然災害に耐えてきた国でもあります。このことが、日本の人々に自然を大切にし、大いなる自然への畏怖の念を忘れず、信仰深く、多くの人々に敬意を持ち、仲良く暮らす気持ちを育ててきたとも言えます。 防災学術連携体(JANET-DR)は、2011年3月に起きた悲惨な東日本大震災の直後に多くの学会が専門に閉じこもることなく、日本学術会議を要として互いに専門の垣根を取り払い、互いの交流連携を深める必要があるとして始めた活動を発展させて、2016年1月に設立しました。防災減災・災害復興に関連して、多くの研究者、行政、ボランティアの人々が日々努力していますが、多くの活動は地上で行われ、多くの人々が地上で活躍しています。 一方で、宇宙から地球の動き、大気の動きを観測している最先端の研究と実践があり、カーナビで実用化されているGPS、地理情報の整備も進んでいます。 第2回の「ぼうさいこくたい」では、11月26日の昼の時間に「衛星情報・地理情報と防災イノベーション」、「衛星情報・地理情報を防災に生かそう」の2つの催しを開きます。是非、多くの人びとのご参集を期待しています。 http://janet-dr.com/07_event/171126sympo/20171126_leef.pdf 今の日本人は公共に頼りすぎです。「防災・減災は誰かがしてくれるもの」という考えは間違いです。個人個人・企業などの自助としての努力が第一に必要です。悲惨な災害からの復興だけでなく、さらに重要なことは、国内外で起きている災害を教訓にして、自らの周辺に大災害が起きないための努力が重要です。起こるかもしれない自然災害に想像力を働かせ、安全な地域に村・まち・都市を作り、住宅・建築や道路・鉄道を丈夫に作ることが、時間がかかっても進めるべき最も基本的行動です。- 関連タグ
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