寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・防災に取り組み始めたきっかけは?
元海上自衛官、元大阪市役所職員としての経験を基に国土強靭化に民間の立ち位置から貢献できないかと漠然と考えていたました。縁あって看板サイン事業を手掛ける会社の代表者から停電しても消えない看板を開発して防災に役立てたいとの相談を受けたのですが、どうせ取り組むのであれば、戦前から脆弱である日本の都市災害対策において、サインがmitigationの突破口にならないかという仮説をたてることで、防災に対する新しいアプローチに挑む決意をしたのが契機です。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
LED によるエマージェンシーサインにより、多種多様な方法で確実に災害情報を伝えることができるシステムを開発し、小学校と保育園に導入して頂きました。日常的に同システムを用いた避難訓練を毎月実施されており、防災の備えを学習することで児童の自助意識を高め、率先避難につながる実践的な防災教育に役立てて頂いております。また、災害情報の可視化による多様な情報伝達の展開というテーマで内閣官房の国土強靭化民間事例にもとりあげていただきました。小学校や保育園だけでなく多様な施設への普及を目指していますが、動機づけとして防災の定義が定まらない中で、共感はいただけるものの共有には至らない壁にぶつかっています。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
防災の定義を被害抑止のみに限定するのであれば、減災や事前防災、さらに広い概念である危機管理、災害からの回復を指す復興など、それぞれがイメージし目指すゴールが異なってしまいます。そういった現実がある中で、「つながり」が重要であることは言わずもがなではありますが、共有のゴールが定まらない中では、所詮は砂上の楼閣ではないかと空虚な気持ちになってしまいます。少なくとも国家の共通の目的として、いかなる自然災害であろうが、ミサイルであろうが、テロであろうがまずは、自らの命は自ら守りきるという意識が醸成されるのであれば、自助⇒共助⇒公助とステップアップし結果として、平時においては、活き活きとした地域づくりの契機になるのではないかと信じています。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
一方的ではありますが、防災の世界的第一人者の京大名誉教授河田惠昭先生、列島強靭化の京大大学院教授藤井聡先生、国民強靭化の東京大学特任教授片田敏孝先生、危機管理の専門家としての青山繁晴先生です。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
日本の防災は後付で法的にも確立されてきた分野ですので、まずは当該サイトが問題提起の場として一緒に考える空間であればよいなと期待します。
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