運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

川島勇我(かわしまゆうが)

ボウサイダー制作委員会・代表兼Playing Planner

主な活動地域
神奈川県 鎌倉市
最近の防災・減災活動

生年月日:1978年8月31日
出身地:神奈川県
最近の防災・減災活動:『ボウサイダー:災害時、子ども死者ゼロを目指す』
ボウサイダーは、「大きな地震が来たら、先ずは、自らの意志で高いところに逃げる」という迅速な避難行動の大切さを伝える北陸で伝承される “津波てんでんこ”の教えを、人口の多い都市型沿岸部である湘南・鎌倉に定着させるため、エンターテイメント型啓発の手法で老若男女を巻き込んだ地域防災教育の推進にチャレンジする活動です。
子ども向けの防災コンテンツ制作と、地域の大人が楽しめる避難訓練付きイベント運営の2つを軸に活動しています。その運営資金を募金付き自主事業収益であるサイダー飲料「鎌倉戦隊ボウサイダー!飲料」の売上で賄っています。販売数は延べ1万本を超え、美味しいサイダー飲料と一緒に防災メッセージを届けています。製造は地元メーカーである鎌倉ビール醸造株式会社に委託し、地域産業の活性化にも貢献。子ども達に大人気のボウサイダーは、湘南・鎌倉の防災シンボルとして愛されスクスクと活動は成長を続けています。
また子ども防災、身体機能向上、ダンス教育、音楽、動画、漫画イラスト、デザインなど、各分野の専門家の協力を得て制作した“ボウサイダー体操”には、子ども達が災害時に生き残るために必要な「災害前の心積り」「緊急時の身のこなし」「先ずは逃げる知識」を4分間の体操の中にギュっと凝縮しました。2014.11の完成から2015.5までの間に、地域イベントやお祭り、避難訓練や防災教室などで延べ850人以上の子ども達と一緒に”ボウサイダー体操“を踊る、防災啓発教育を実現。子ども達が真剣に体操する微笑ましい姿に多くの地域住民が魅了されました。鎌倉から生まれたボウサイダーの活動は、沿岸部に住む全国の子ども達に届けなくてはいけないメッセージ。ボウサイダー飲料による自主事業収益+防災エンターテイメントの仕掛けで真面目に楽しい防災啓発教育の全国展開を目指しています。

・ボウサイダー体操
 http://www.youtube.com/watch?v=tLrcTYZhk_0
・鎌倉ボウサイダー公式HP
 http://www.bowcider.com/
・ご当地ボウサイダー制作委員会facebookページ
 https://ja-jp.facebook.com/bowcider
・ボウサイダー活動ご紹介資料(slideshare)
 http://www.slideshare.net/yugatomail/project-39001476
・ボウサイダー飲料販売ページ
 https://bowcider.stores.jp/#!/items/523a6da4a95dcbf27f000007
・鎌倉戦隊ボウサイダーのテーマ(動画アニメ)
 http://www.youtube.com/watch?v=7Zzj7kz8yTA

・地域防災にはまったきっかけは?

海から徒歩数分の湘南地域に引っ越した僅か2か月後に、3.11東日本大震災を経験した。未曽有の津波災害がテレビ放送される一方で、湘南地区では余震で津波警報が鳴り響いていても避難行動をとる地域住民はいなかった。自分の子ども達や周囲の大切な人達を災害から守るには、彼らが自らの意志で逃げる危険を感じ、率先して高所に避難する意識を育む防災教育が必要だと強く感じた。そうしないと生き残れない。そこで先ずは自分の子どもに向けて、楽しく関われる防災教育のやり方を考え、小さく始めたのがボウサイダー活動の“きっかけ”です。

・地域防災に関わって、改めて大切だと感じたことは?

地域防災を通して「災害時、子ども死者ゼロを目指す」の実現を考えると、子ども達への防災教育推進には、その周囲の大人たちの協力が必要です。地域住民をいつ来るか分からない災害対策に日常から巻き込むにためには“楽しさ”や“繋がりの温もり”という人生の楽しさを含んだ防災プログラムの開発が大切だと感じています。ボウサイダーでは“防災エンターテイメント”というコンセプトを掲げ、防災啓発活動を通じて、地域コミュニティに関わる人々に、防災対策以上の価値や楽しみを準備して渡すことを意識しています。その方法で防災の専門家が考えた有益な知識を、地域住民が実践しやすい方法に翻訳する役割を担うのがボウサイダー活動です。 002

・地域防災・減災に取り組んでみて感じる今の社会課題は?

防災を一過性のムーブメントにしない社会の仕組みと仕掛け作りが重要だと感じています。大きな被害があった直後は世の中が防災に意識を向けて、支援や備えの意識を強めます。感情に訴えかける映像や被災者の声もそれを後押しします。その助けたい想いは本当に大切ですが、感情や善意だけで防災活動を長い期間、続けることは出来ません。そこには運営資金を作る仕組みと、日常的に防災に意識を向ける社会の仕掛けが必要です。ボウサイダー活動は、地域社会で住民が盛り上がる娯楽や嗜好性の高いイベントに防災意識をインストールする仕掛けと募金付き自主収益事業の仕組みで地域防災・減災にチャレンジしています。しかし、地域社会に防災を定着させるには、まだまだまだまだ力が足りていません。防災活動を特別なものではなく日常生活の“当たり前”にしたいと想い、日々、ボウサイダー制作委員会のメンバーと頭を捻っています。

・TEAM防災ジャパンの一員に推薦!という方をご紹介ください。

3.11東日本大震災の直後に東京で出逢った鹿島美織さんを推薦します。彼女とは東京から出来る支援の形を一緒に構想していました。しかし彼女は、緊急性、必要性の観点から東京からでは足りないと、単独で東北現地に入って現場の声を聴きながら、その時に必要な「ぐるぐる応援団」を立ち上げました。そして石巻市役所の中に「いしのま★キッチン」を作って現在も活動を続けています。当時、東京から動けなかった僕は、その行動力と使命感に本当に感銘を受けました。「出来る範囲は人によって違うので自分のペースで良い」という彼女の言葉は、ボウサイダー活動を始める上での支えになっています。彼女のようなアクションを起こせる人が緊急災害時の日本を救うと想っています。

・TEAM防災ジャパンへの想い、メッセージをお願いいたします。

防災・減災活動の持続可能性は、結局それを支える“人”と“想い”によります。それぞれの地域社会で防災活動に熱い想いを持って関わっている人が横に繋がってネットワークすることは、お互いの良いところや悩みが共有出来てワクワクします。ぜひTEAM防災ジャパン全国大会のような集まりを期待します。みんなでワイワイ防災の話で盛り上がって、盃を交えたいと思いました!そして災害先進国である日本から世界に防災の知識や意識を届けて、災害で亡くなる命をひとつでも多く減らしたいです。
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