寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
・防災に踏み込んだ(取り組み始めた)きっかけは?
1995年阪神・淡路大震災の折には、支援者として西宮に通っていました。障害のある方の支援をしようと、避難所にも行きましたが会うことはありませんでした。しかし、2001年車いすを使う障害を持つ身になってから当時の模様を多くの障害当事者から聞くことが出来ました。当時の防災は、健常者のみが対象の防災でした。2005年から大学院でユニバーサルデザイン(UD)の講師になり、防災もUDにすべきと考え調査・分析し可視化しました。
・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
2010年には防災のユニバーサルデザインの論文発表の機会がありましたが、会場やホテルもバリアフリーとは言い難く、論文を取り下げました。2011年に東日本大震災と原発事故が起こりました。これからは、地域密着型の防災のUDを考え、論文を一般の方々に解り易く書き直し講演活動に入りました。今では、少しずつ根付き、地域密着型の防災のUDが育ち始めています。
・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
防災には①まちづくり②ものづくり③仕組みづくり④人づくりの4つの柱とUDの視点が必要です。地域を一番ご存じの方は地域の方ですが、障がい者(児)の存在は殆ど知られていません。要援護者を中心にし、地域で弱者を守る事を考え実践すると、誰でも安全・安心は手に入ります。要援護者の中の傷病人とは、災害時にけがや病気をしている方も対象です。要援護者の中でも、日本語に不慣れな外国人の対策は大変遅れています。
・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
私自身は、防災用品の企画・開発と言語データーの分析をし、その結果を実践しています。
毎年開催されるバリアフリー展と防犯・防災総合展inKANSAIの「要援護者の防災コーナー」のコーディネートする中で、物づくりや仕組みづくりをしているLLPユニバーサルデザイン企画と参加企業との繋がりや、多方面の来場者との繋がりに感謝しています。私自身はバリアのある所には行けなくても、共に活動を推進する、あおぞら財団との繋がりが地域へ要援護者の防災を広め、育んでくれています。
・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
要援護者の防災は、当事者参加型で考えていかない限り、解らない事が多々あります。
当事者が必要な①まちづくり②ものづくり③仕組みづくり④人づくりは当事者や家族にしか解らない事も多く、「福祉」と一括りにできる事ではありません。災害時に浮上する要援護者の課題解決に向けた活動に、ご支援ご協力頂けることを期待します。
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