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内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

リレー寄稿

地域防災の担い手をご紹介

寄稿者様へのご連絡は、各ご所属先へお問い合わせください。

正井禮子(まさいれいこ)

NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ

主な活動地域
兵庫県 神戸市
最近の防災・減災活動

生年月日:1949年8月12日
出身地:兵庫県神戸市
最近の防災・減災活動:1995年 阪神淡路大震災直後、女性支援ネットワーク発足。女性のための電話相談、女性支援セミナー「乳幼児を連れたお母さんの集い」等を開催。
災害時の女性へのDVや性暴力について情報発信を行う。「女たちが語る阪神淡路大震災」「災害と女性」資料集等発行。
2005年「災害と女性」~防災・復興に女性の参画を~シンポジウム開催
HP 「災害と女性」情報ネットワークが2008年の防災政策優良事例集に選ばれる。
2011年に東日本大震災女性支援ネットワークを発足し「災害時における女性とこどもへの暴力」被害の調査を実施。

防災を取り組み始めたきっかけは?

1992年に女性の人権擁護と男女平等社会の実現をめざして、神戸市内でNPO団体ウィメンズネット・こうべを発足しました。1994年には「女たちの家」を開設。そこには、夫からの暴力についてなどの相談も寄せられました。 1995年の阪神淡路大震災発災後に、無事だった、日頃から女性問題に取り組んでいたメンバーたちが集まって、女性支援ネットワークをたちあげました。物資の配布から始まり、女性のための電話相談や女性支援セミナー「乳幼児を連れたお母さんの集い」などを開催するなど、約2年間支援活動を行いました。

ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。

1995年に、震災後に女性限定の語り合いの会を開催した際に、一人の女性が赤ちゃんを抱いて参加されました。 彼女はシングルマザーで、買い物等に不便な地域にある仮設住宅で暮らしているため、近くに住んでいる男性が彼女の分もいつも買い物をしてくれていたそうです。ある晩、日頃のお礼にと彼を食事に招いたところ、性暴力被害にあい、とてもくやしかったと話しておられました。「すぐに警察に届けたの?」と別の参加者が聞くと「そこでしか生きていけない時に、誰にそれを語れと言うんですか」と涙をこぼされていました。私は何も言えなかった。 そのことがとても心に残って、翌年「私たちは性暴力を許さない」という集会を開催したのですが、その際、一部のマスコミからは、ひどいバッシングを受けました。 彼女との出会いが今も、私の活動を支えています。

防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。

災害救援に女性の視点が不足していて、そのため避難所でもさまざまなトラブルが発生することが多々あります。 各地で「災害とジェンダー」等の研修を行っていますが、それはもっぱら男女共同参画センターからの依頼で、防災関係部署からは少ないです。日本のジェンダーギャップ指数 121位の弊害でしょうか。 国連も「災害救援関係者は平時から性別や年齢を問わずジェンダートレーニングが必要だ」と言っています。日本では、ジェンダー主流化がなかなか進まないですが、防災課と男女課が横にうまくつながれば、防災担当者や地域の自治会長、防災士の方などを対象にした研修も出来るのではないかと期待しています。

ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!

八幡悦子さん。 東日本大震災で甚大な被害があった宮城県において、長年、子どもと女性への暴力防止の活動を続けているNPO 法人ハーティ仙台代表です。震災後、被災地女性と全国の支援者との思いを結ぶことを目的に、みやぎジョネットを立ち上げ、宮城の地で「ピンチをチャンスに」を合言葉に、被災地の女性を支援しながら、防災と復興政策への提言を行っておられます。 ほんとうにパワフルで、しかもハートのあったかい女性で、地域は離れていますが、いつもよき仲間というか、同志のように思っている方です。

TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。

東北の被災地でいくつかの避難所をを訪ねたのですが、阪神淡路大震災から16年を経ても、あいかわらず避難所運営のリーダーは圧倒的に男性で占められていました。女性がお手伝いではなくて、運営そのものに関わることのメリットはたくさんあります。 このサイトでは、男女を問わず、防災・復興に関してジェンダーの視点からの情報発信がなされること、そして、それが当たり前として共有されるようになることを期待しています。
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