寄稿者様への御連絡は、各御所属先へお問い合わせください。
防災を取り組み始めたきっかけは?
東日本大震災直後に入社した日建設計が東北の大学生をインターンとして受け入れており、被災者である学生と出会いました。震災復興について真剣に向き合う学生に刺激され、復興の一助になりたいと強く思ったのが、防災に関心を持ったきっかけです。
その後、日建設計の有志で東北の被災地へ赴き、被災者の生の声を聴き、地元住民と共に避難における課題を解決するためのWSツール「逃げ地図」を開発しました。世界銀行の防災ハッカソン世界大会で大賞受賞したことなどを通じて、広く認知される「逃げ地図」活動が、防災活動の継続につながっています。
ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
防災意識の高い鎌倉市から「逃げ地図」WSを地元住民に向けて行ってほしいと招待を受けて現地で実施したところ、一人の地元住民が津波から避難するまでに12分要することが発覚しました。12分の避難時間は人命にかかわることであり、その避難時間を短縮する必要がありました。
そこで見つけた解決策は、隣地に梯子をかけること。梯子を上り避難するのにかかる時間はおよそ6分。半分の時間で避難が可能となり、一人の命を救える解決策がWSを通じて提案できたことは、一つの事例に過ぎませんが、このような避難における課題への気づきや解決策を事前に知るきっかけを提供できる「逃げ地図」は意義のある活動だと自信を持って言える事例となりました。
防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
私たち日建設計のボランティア部から派生した「逃げ地図」チームは、自ら東北の被災地に訪れてワークショップを行い、地元被災者が抱える課題を一つ一つ解決するお手伝いをしてきました。その活動が、地元メディアに取り上げられて、全国的な周知にじわじわと広がっていった背景があります。
特に自らが積極的に広報することもなく、周囲の関心でこの活動が認知されていったため、周知やつながりの課題は強く感じていません。
しかし、逃げ地図の活動は、あくまでも有志ボランティアで行っているため、継続における時間的制約が発生します。防災活動がビジネスにならないのが、一番の課題と感じてます。
ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。特に、つながれてよかった個人をリレー寄稿にご紹介ねがいます!
「Ibasho Japan」をご紹介します。Ibasho Japanは日本、及び、アジア等において、高齢化の進むコミュニティが抱える諸問題を地域住民が主体となり、解決していくための「居場所」作りの立上げと長期的なサポート、そして、高齢者が地域を支える存在となるための認識の共有、機会の提供を目的として活動しています。
「逃げ地図」メンバーは、東北の被災地である陸前高田市に「Ibasho ハウス」があったお陰で、そこで活動する高齢者に対し地域の安全性向上の課題と解決策を一緒に考えるきっかけとなりました。
TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
防災といっても、活動内容は様々であり、多様な人々が関わり輪を広げている様子が具体にわかるこのようなサイトは素晴らしいと思います。
今後も多くの方の活動を知るきっかけポータルとなってほしいです。
また、これまで知らなかった活動を知ることのきっかけから、新しい活動につながるようなマッチングの援助も事務局に期待したいです。
- 関連タグ
-
まちづくり
-
地区防
-
民間
-
防災教育