リレー寄稿
地域防災の担い手をご紹介
髙橋亜弥子(たかはしあやこ)
社会福祉法人世田谷ボランティア協会 災害担当職員
NPO日本防災士会世田谷支部 理事
西日本豪雨災害支援おかやま笑顔プロジェクト 共同代表
シングルマザー防災減災部 代表
- 主な活動地域
- 東京都 全域
- 最近の防災・減災活動
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出身地:東京都世田谷区
最近の防災・減災活動:西日本豪雨災害被災地(主に岡山)での支援活動と、地区防災会議や防災塾の講師。企業の女性職員向けの「日々の備え」についての講座や、全国心身障害児福祉財団でのスペシャルニーズのある方向けの防災講座のほか、高校での災害ボランティア講座や避難所運営委員会での講話などが最近の主な活動です。
http://www.city.setagaya.lg.jp/setagaya/11500/11502/d00154353.html
・防災に取り組み始めたきっかけは?
東南アジアでの駐在時に孤児院や伝染病等の罹患者の支援活動を通じて、一度失ってしまったものを取り戻すことは出来ないということを学びました。そして、東日本大震災後に現地で活動をする中では、多くの方々の涙に触れながら、発災してしまってから出来ることは本当に僅かなのだということを実感しました。時を選ばず、場所を選ばず、人を選ばずに、災害は大切なものを奪っていきますが、その被害を少なくするために平時に出来ることはたくさんあります。平時に取り組むことで、守れる命があるということに気がついたことが、防災活動のきっかけです。・ご自身の活動の中で、一番のエピソード(うまくいったことや、いかなかったことも)という事例をひとつあげてください。
2018年に防災士になり、大阪北部地震・西日本豪雨災害・北海道胆振東部地震の被災地では、各地の防災士のかたと情報交換したり一緒に活動したりしました。 例えば岡山では、現地の防災士の方たちと「おかやま笑顔プロジェクト」を立ち上げ、避難所支援含めてさまざまな活動をさせていただきました。「二次被害を起こさない」「次の災害に備える」ということを常に話し合いながら、災害支援活動を通じて、地域での防災活動にも取り組むことが出来たと思います。・防災活動は「つながり」が課題ですが、ご自身で感じる現状の課題についておしえてください。
防災マニュアル等に『いざというときのためにも地域とのつながりを持ちましょう』という言葉が掲げられていたりしますが、自分自身にとって「つながり」は簡単なことではありませんでした。発達遅延の子どもを抱えたシングルマザーだった私は、防犯上の理由から隠れるように住んでいましたし、「助けて」と気軽に相談できる人も近くにいませんでした。つながりたいと思っても個人の努力だけではなかなか難しいときは、「つなぎ役」が必要なのだと思います。 現在の仕事は、その「つなぎ役」の仕事ですので、ささいな困りごとでも気軽に相談できるような場をどうやって作っていけばよいのか、そして、そのためにはどんな人や団体とつながっておくとよいのか、お互いに助け合える地域づくりに日々取り組んでいます。災害にもつよい地域をつくること。それが自分の大きな課題です。・ご自身の活動の中で、繋がれるといいなぁ(繋がってよかった)と思われる(地域、企業、団体、個人など)についてご紹介ください。
被災地での支援活動でも、地域の防災活動でも、ご縁のあった全ての方々へ感謝してもしきれない思いです。その中でも、JRVC日本レスキューボランティアセンターの木家浩司さん(消防)と中澤真弓さん(日本体育大学)には専門的な知識やスキルを教えていただいたり、学生さんにお手伝いをしていただいたりしています。特に、木家さんには、惨事ストレスへの対応や、ピアサポートの大切さを教えていただきました。また、西日本豪雨災害の被災地での支援活動では、現地の事情に詳しい鳥取県西部地震展示交流センターの山下弘彦さんに、少し角度を変えてみることの大切さと「泥を見ないで人をみる」ことの大切さを教えていただきました。・TEAM防災ジャパンサイトについて、期待されることについてメッセージをお願いいたします。
防災が、特別なことではなく、あたりまえのこととなり、生活の一部となるように。 TEAM防災ジャパンサイトは、そのための貴重な場であり、大切なつなぎ役でもあると思います。防災の知識や情報を広げることだけにとどまらず、有機的なつながりを次々と生み出しながら、全国をつなぐ架け橋として。一緒に取り組んでいきたいと思います!- 関連タグ
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