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【防災施策】「59万人避難指示」妥当? 鹿児島市が大雨対応検証

7月に記録的な大雨に見舞われた鹿児島県鹿児島市が、市内全域に避難指示を出した対応の検証に乗り出した。広く迅速に危険を知らせ、身の安全を守るよう促す狙いだったが、危険な場所を通って避難所に向かう人がいたり、住民が詰めかけて一時避難所の定員を上回ったりしたケースもあった。静岡大防災総合センターの牛山素行教授(災害情報学)は「市内で一様に災害の危険があったとは考えにくい」と市の対応に首をかしげる。「風水害犠牲者の約半数は屋外での行動中だ。避難所へ行くことが最善とは限らない」と話す。今回の全域避難指示を「全域で既に土壌の水分量が多い状況で、雨脚が強まると予想されたため」とする市は、さらに細かく区域を分類できるかどうか、他の自治体も参考に検討する考えである。鹿児島大の地頭薗隆教授(砂防学)は「記録的な大雨では全域への避難指示もありうる。今回大災害に至らなかったのは偶然だ」と述べ、市の対応を妥当とみる。その上で「自分の住む地域の特性を普段から確認してほしい」と、住民の防災意識向上を求めている。【8月19日 日本経済新聞より】