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【防災施策】大川小訴訟判決確定1年 学校防災進展に寄与8割 被災3県沿岸の小中学校アンケート
宮城県石巻市大川小津波事故訴訟で最高裁が市と宮城県の上告を棄却し原告遺族の勝訴が確定して1年を迎えるのに合わせ、河北新報社は岩手、宮城、福島3県の沿岸部の小中学校を対象に津波防災アンケートを実施した。判決確定から1年間の変化について「学校防災の見直しにつながった」が47.0%で最も多い。「津波防災の見直し」が15.8%、「教育活動全体の変化」が14.0%と続く。新型コロナウイルス感染症の対応や多発する水害に役立てたという回答も複数あった。確定判決は学校保健安全法を論拠に、学校と市教委が組織で担う安全確保義務を初めて定義し、児童の命を守る事前の備えや住民より高い水準の防災知識を求めた。大川小では地震発生時に校長が不在で、教頭ら教職員11人が児童らの対応に当たった。防災マニュアルは校長不在時の役割分担を定めておらず、避難の遅れにつながったとされる。管理職不在時の役割分担の確認の有無について「津波を含めた緊急時の対応を確認」が79.5%だった一方、「確認していない」は19.5%に上った。調査に協力した宮城教育大名誉教授の数見隆生氏は「多くの学校が判決を意識していることが分かった。一方、管理職不在時の対応などは検討が十分とは言えない。事故の教訓を踏まえ、改めて学校防災を見直してほしい」と指摘した。【10月10日 河北新報より】