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【関東大震災100年】池上三喜子(いけがみみきこ)

公益財団法人市民防災研究所 理事・特別研究員

主な活動地域
東京都 板橋区
最近の防災・減災活動
  • 2023年01月 東京都 江東区 防災講演「多様性に配慮した避難所運営と地域防災」

  • 2023年02月 東京都 江戸川区 防災講演[女性のための防火防災対策について]

  • 2023年03月 兵庫県 神戸市 防災100年えほんプロジェクト 最終審査会

    https://bosai100nen-ehon.org/
  • 2023年07月 東京都 渋谷区 東京消防庁災害時支援ボランティア・リーダー講習「阪神・淡路大震災に学ぶ首都直下地震への備え ~防災リーダーに必要なこととは~」

関東大震災から100年経ちましたが、教訓として伝わっていると考えられることはなんですか?

地震が起きた時に大事なことは、揺れている間は動かずに身を守ることに徹することです。怪我の大半は揺れている間に動き回って、転倒して打撲や骨折などをしている例が多いです。地震後の火災については、初期消火が大事だということを肝に銘じておくことです。市民防災研究所の創立者・籏野次郎さん(当時、小6)は上野の山に逃げて、延焼火災から家を守れませんでした。これを教訓に、防災の道を歩むことになりました。 100年前の神田和泉町、佐久間町のように、住民が逃げずに地域にとどまって延焼火災から自分たちのまちを守った好例を見習いたいものです。

いま、関東大震災級の地震が起きたら、心配なこと、解決していないと思う課題はなんですか?

地震対策(住宅の耐震化、家具類の転倒・落下・移動防止、ガラス対策等)、火災対策(住宅用火災警報器・消火器・感震ブレーカー等の設置)、助け合える人間関係の構築、要配慮者対策など、まだまだやらなければならないことが多々あります。また、災害が起きたら、安易に避難所に行けばいいと思っている人がいますが、コロナ禍でも分かったように、在宅避難が一番いいに決まっています。電気・ガス・水道等が止まっても避難所に行かなくてすむように備えたいものです。避難所はスフィア基準に合致したものになるよう産官学民で協力して推し進めたいです。

関東大震災からの100年に学び、子孫たちに何をどう伝えていくか、考えていることをお聞かせ下さい。

「ひと」を助けるのは「ひと」だということを知ることです。また、「防災はまちづくり」とも言われるように「人のつながり」が大事で、過去の被災地で助け合いがうまくいった所は顔の見える関係ができていたということがわかります。毎日、気持ちの良い挨拶から始まるよう、心がけたいものです。さらに、幼少時からの防災教育が大事で、あらゆる機会を通して「生き抜く力」が身につくような環境整備が大切です。家庭・学校・町内会・事業所などと協力して、子どもを育む活動を推し進めていきたいと思っています。
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