運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

防災教育チャレンジプラン

防災力の向上を目指す、防災教育活動の情報提供の場

2009年度 滋賀県立 彦根工業高等学校 都市工学科

プラン名 かまどベンチづくり ~工高生のものづくりによる地域防災力向上~
プランの対象 高等学校の部
目的

災害時に役立つ「かまどベンチ」を高校生や小学生児童・地域住民らが自ら製作し、地域防災に役立てる。製作して終わりではなく、製作後にかまどを使って炊きだし訓練等を行うところまで活動を展開する。 活動の結果、実際に使用できる防災設備を「形」として残すことはもちろん、体験活動を通して防災意識 の高揚、交流活動を展開することにより、人と人、学校と地域等との「つながり」等を残すことができる。ものづくりを通して「物」と「者」をつくるプラン。

内容

1 通常はベンチとして利用し、非常時には炊き出しができるかまどとなる「かまどベンチ」を、本校近隣の小学校や公園等(避難場所)に、高校生が出向き製作する。
2 小学生児童や地域の方などとの共同製作や交流・連携をとりながら製作活動を展開する。
3 製作後においては、かまどを使用した炊き出し等訓練の体験交流活動の他、普及啓発活動を行う。

成果

・実際に使用できる防災設備を手作りで行ったことは、「物理的効果」と「心理的効果」の 両面で地域防災力を向上させた。
・手作りであるため「地域オリジナル」のかまどベンチが製作できた。またオリジナルで ある方が強い意欲や創造力をかきたてるとともに、愛着があり大切にする気持ちが生まれるなど、販売品に比べ高いコストパフォーマンスを実現できる。
・交流製作により、学校と地域、生徒と児童、地域の方に「出会い」や「つながり」をつくることができる。製作は6回以上交流しており、防災の基本である「つながり」・「協力」に深みが得られる。
・完成時の交流、完成後に炊き出し訓練(交流)等を行うことは、楽しみながら防災意識 を高揚できるもちろん、「完成の喜びを共有」でき、つながりを強化できる。
・かまどベンチは、炊き出し訓練での使用は別として、「災害が起きてから役立つ防災設備」 と考えていたが、河川洪水氾濫浸水深さなどの「防災サイン」をベンチに明示することや、構造や形状の改良、用途の拡大をすることにより、「防災モニュメント」や「防災サイン」として、普段の防災意識の啓発にも役立つ防災設備となった。つまり、普段はベンチとしての利用だけでなく、「災害が起きる前にも役立つ防災設備」となる。
・小学校での製作は、卒業記念製作とすれば、母校に「いつまでも忘れない地域防災に役立つもの」を残すことができる活動となる。
・なお交流した6年生児童は、全校児童や保護者等に紹介・炊き出し実演するなど学習機会まで行うなど、本プランが契機となり、予想以上の防災教育の展開となった。
・年齢や個人差による知識や技術レベルの違いがあっても、協力や交流により活動でき、それぞれの立場で防災力や防災知識を学ぶことができる。

【製作物】
活動の手引き.pdf

報告資料 最終報告書(PDF形式)
団体紹介

本校都市工学科は、土木工学系の学習する学科として、滋賀県内で唯一の設置科となっています。道路や河川をはじめとする、人々の暮らしのための「まちづくり(社会基盤)」の知識や技術を中心に学習活動を展開しています。なかでも近年は、琵琶湖をはじめとする地域の環境学習、まちを守る「防災学習」など特色ある取り組みをしています。測量や地図学習の発展として、地理情報システム(GIS)を活用し、近隣小学生児童と交流して「地域安全マップ」の製作など、社会や地域のニーズに応じた学習を展開しています。よろしくお願いいたします。

連絡先 0749-28-2201