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「土砂災害」地震は想定外 「豪雨」前提に警戒区域指定 基準に反映求める声も
「土砂災害警戒区域」の指定を巡り、地震による発生可能性も考慮すべきだとの声が上がっている。国土交通省によると、警戒区域の指定基準は、過去の豪雨時に発生した土砂災害のデータを基に(1)高さ5メートル以上で傾斜度が30度以上の急傾斜地(2)過去に地滑りした痕跡があり、地滑りを起こす恐れがある地域などとされる。しかし、昨年4月の熊本地震では指定区域外の4カ所で大規模な土砂災害が発生し、8人が死亡。国交省は「現実として熊本地震では警戒区域以外での土砂災害が起きているが、現在の科学技術では地震による土砂災害の予測は難しい」としている。東京農工大の石川芳治教授(砂防学)は「地震時には基準に満たない緩やかな傾斜地でも、火山灰由来など軟らかい地質の地域で土砂災害の危険性がある。地震時の地形や地下水を分析すれば傾向は導き出せる」と指摘。「突発的な地震では豪雨時のように事前避難も難しい。地震による発生を想定した基準が必要だ」と話す。【4月3日 西日本新聞より】
▼国土交通省 各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域
https://www.mlit.go.jp/river/sabo/link_dosya_kiken.html