運営
内閣府政策統括官(防災担当)
協力
防災推進協議会

ニュース

防災関連の最新ニュースをご紹介

記事が削除される等の理由で、リンク切れとなる場合があります。ご了承下さい。

【地域防災】「水害タイムライン」先進地も被害甚大 住民周知に課題

熊本県人吉市は「暴れ川」といわれる球磨川を抱え、過去にもたびたび水害があったことから早期にタイムライン策定に着手。今年6月には球磨川の支流河川の氾濫や土砂災害への対応を定めた全国初の「マルチハザードタイムライン」の試行版を完成させるなど先進地として知られている。同市は豪雨直前の3日午後4時にも球磨村や、国土交通省八代河川国道事務所、気象台などとタイムラインの運用会議を実施。早めの避難所開設などの対応を確認していた。市は計画に沿って3日深夜から一部地域に避難勧告を出し始め、4日午前5時15分には全域に避難指示を発令。だが、市内では逃げ遅れなどで18人(9日時点)が亡くなった。市幹部は「計画通りに動いたが、朝方だった事情もあり、住民の避難に結びついたかどうかの判断は難しい。今回の急激な水位上昇を踏まえ、計画の見直しが必要だ」と住民が眠っている時間帯の避難の難しさを口にした。隣にある球磨村も16年6月に作成したタイムラインに基づき、3日午後5時に避難準備の情報を出した。5段階の警戒レベルのレベル3「避難準備・高齢者等避難開始」にあたり、高齢者などに避難を始めるよう呼びかけた。村の防災担当者は「この段階で発令できたのはタイムラインがあったから。実際に避難した人もいた」と一定の効果を指摘する。だが、結果的に9日時点で19人が死亡、5人が行方不明となっており、被害を防ぐことができなかった。村の担当者は「タイムラインを作るだけでなく、役場や関係機関が計画に沿って行動していることを村民に理解してもらい、避難につなげる必要があった」と振り返り、「村民への周知が一番の課題だ」と話した。【7月9日 日本経済新聞より】