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【地域防災】西日本豪雨で農家と愛媛大 農業版ハザードマップ作成 災害の爪痕 後世に 松山市の興居島
2018年7月の西日本豪雨で被災した愛媛県松山市の興居島で、かんきつ農家と愛媛大学が連携し、農業版ハザードマップを作成した。西日本豪雨では、地区内91カ所で斜面崩壊が発生。そのうち40カ所が耕作放棄地となっている。農業関連の施設では道路の寸断や床下浸水、重油流出などが起きた。作成に当たって市の2500分の1の都市計画図を使った。農家5人が集まって、それぞれの記憶を頼りに被災箇所をシールやマーカーを使って作成した。崩れた農地の状況を色分けし、崩れた距離を矢印で示している。生活に必要な主要道、農業でよく使う準主要道が色分けされており、復旧の優先度が一目で分かる。個人が所有する約10台の重機の位置も示されており、発災時に役立てるように工夫した。愛媛大学大学院農学研究科の間々田理彦准教授は「農家の知識を顕在化、データ化する必要があった」と意義を強調する。被災直後に農家らが自力で復旧する際に、被災箇所と規模を地域で共有しやすくするため。作成後に地元の松山市や、九州の自治体から問い合わせがあった。中山間地域を中心に、農地やため池がある他の地域でも作成、活用できるという。今後は配布後に農家らがどのように活用するかや、地区の防災にどう生かすかを継続して研究を進める。【7月9日 日本農業新聞より】