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【技術・仕組】「田んぼダム」貯水量自動調節へ 日大工学部、自然生かし防災/福島
大雨時などに上流の水田に一時的に水をため、下流の洪水被害を軽減する「田んぼダム」の普及に向け、日大工学部の研究チームが水田に設置する新たな水位調整装置開発に着手した。降水に反応して水田からの排水量や貯水量を自動的に調節する仕組みで、2019年秋の完成を目指す。「田んぼダム」は、水田が持つ貯水機能を活用した自主防災の取り組みで、農家の協力があれば低コストで始められるなどの利点がある。同学部の朝岡良浩准教授の研究チームは福島県郡山、須賀川両市と連携して田んぼダムの効果を実証。水位調整装置を設置し、降雨時の流量などを観測している。西川地区の地元農家でつくる田んぼダム協力会の円谷正美会長は「水田を使って洪水被害を軽減できる意義は大きい。ただ、仕組みを理解しなければ使い方を誤ったり、面倒くさいこともある」と話す。同地区では来年度、協力農家が倍増する見通し。地形や河川の規模で異なるが一般的に田んぼダムの効果実証には河川流域の6~7割の水田が必要とされる。このため同学部は、協力農家を増やすことが効果実証の鍵になるとみている。【1月2日 福島民友より】