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【普及啓発】予知失敗、100回中99回 南海トラフ地震で学者回答 実用化の難しさ浮き彫り
南海トラフ巨大地震について、事前に発生する時や場所、規模を正確に言い当てる直前予知を100回試みても99回程度は失敗すると日本の地震学者が考えていることが、林能成関西大教授(地震学)が行ったアンケートで分かった。アンケートは、日本地震学会の代議員ら138人のうち90人が回答。予知情報を出すのに必要な「事前に異常現象がある」「異常を観測できる」「危険が高まったと短時間で判定できる」「判定をすぐ公表できる」の4段階について、それぞれ成功する可能性を、経験や直感に基づき10%刻みで回答してもらった。その結果、100回の巨大地震で予知を試みたとしても、4段階をクリアして事前に情報を出せるのは平均で5、6回(5.8%)。情報が当たるのは5、6回のうち1回程度(19.7%)となった。林教授は、予知の難しさが市民や行政担当者に正しく伝わっていないと指摘。「突然の地震でも被害を少なくする防災を進めるのが先。予知を防災の前提としてきた過ちを繰り返さないようにすべきだ」としている。【5月24日 日本経済新聞より】
▼日本地球惑星科学連合2019年大会 地震学者を対象とした南海トラフ地震の事前予測の可能性に関するアンケート調査
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpgu2019/subject/SSS13-02/advanced