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【歴史・教訓】自然災害伝承碑 進まぬ申請 自治体関心に差 地図記号制定も知名度低く

「自然災害伝承碑」の地図記号を今年制定した国土地理院は、4月から全国の市区町村に申請を呼びかけている。市民らによって長く守られてきた碑が地図上に追加されていく一方、自治体の防災担当者が国土地理院の取り組みや碑の存在を把握していないために申請されない課題も浮かんでいる。大阪府では現在、3基が認定されたのみ。大阪市天王寺区の四天王寺には無縁墓に混じり、1854年に発生した安政南海地震の被害を伝える石碑がある。郷土史家の長尾武さんが古文書の記述を頼りに2010年に探し当てたが、他の墓石に埋もれ、碑文が十分に読めない。長尾さんの指摘で、大阪市教委が説明板を立てたが、地図記号の申請はされていない。大阪市教委は「碑文が見づらく、伝承碑として申請に適切か分からなかった」と説明。国土地理院によると、碑文に災害の概要が刻まれていなかったり、読めなかったりする場合でも、説明板や文献で補われた情報を寄せれば申請を受け付けるという。四国や東北地方の自然災害伝承碑の現地調査を続けてきた香川大の松尾裕治客員教授は「災害への啓発活動に、自治体によって温度差が生じている。地図記号化の動きを機に、市区町村の防災担当者は、郷土史家などの知恵も借りて把握していなかった碑の新たな発掘も行い、地域住民に次の災害への心構えを持ってもらうべきだ」と警鐘を鳴らす。【12月18日 毎日新聞より】
▼国土地理院 自然災害伝承碑
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi.html