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【歴史・教訓】震災の「つらい話」は… 若者の記憶「選択的継承」進む/神戸
阪神・淡路大震災から来年1月で25年となるのを前に、関西学院大の教授と学生が「記憶の継承」をテーマに兵庫県内3大学の学生445人にアンケートを行った。阪神・淡路を経験していない若者世代の意識を探ろうと、山中速人・総合政策学部教授のゼミが6~9月に関学大と神戸大、神戸常盤大で実施した。アンケートでは「被災地はおおむね復興を遂げた」「復興を進める上で災害の爪痕は消した方がよい」などさまざまな見方を示した上で、それぞれに対する共感の度合いを「そう思う」から「そう思わない」まで5段階で尋ねるなどした。その結果、「将来の防災に役立つ情報や知識を優先して伝えるべき」という意見については「少し」を含め「そう思う」が82%に達した。一方、「被災者の感情や思いの継承に力を入れるべき」では肯定派が59%にとどまり、「どちらとも言えない」も30%あった。他の設問で尋ねた「関心のある情報」でも同様の傾向がみられ、防災情報に比べて、震災犠牲者の記録や被災者個人のエピソードなどについては関心がやや低かった。山中教授はこの状況を「記憶の選択的継承」と表現し「『役に立つ情報が欲しい』『つらい話は聞きたくない』と、受け手の側が情報を選んでいる」と指摘。震災を自然災害としてのみ考える風潮が強まれば、被災者ならではの経験を次代につなぐのが困難になる可能性がある-と危惧する。【12月8日 神戸新聞より】