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【防災施策】倉敷市が「田んぼダム」導入検討 水害低減に効果 実現にハードルも/岡山

西日本豪雨で甚大な浸水被害に見舞われた岡山県倉敷市は、水田に雨をためることで水害を抑える「田んぼダム」の導入を検討している。田んぼダムは、水田の排水口に排水量を抑える装置を設けて雨水を一時的にためることで、河川や用水の流量を抑制し、流域の水害を低減させる取り組み。一定程度水をためても稲作への影響はなく、2002年度に全国に先駆けて導入したとされる新潟県では、2018年度に水田全体の1割超に当たる計1万4640ヘクタール(15市町村)に広がっている。新潟大の吉川夏樹准教授(農業水利学)が2011年の「新潟・福島豪雨」のケースを調査したところ、田んぼダムを2900ヘクタールで実施していた新潟市白根地区では、浸水面積と氾濫水量を各2割以上減らせたという。ただ、「田んぼダムは装置の設置がゴールではない」と吉川准教授。数十年に1回の確率で起こるような大雨での効果が期待されるため、取り組みの継続が求められる。だが新潟・福島豪雨では、半数以上の装置が適正に管理されていなかったとの調査結果もある。また、実施している地域よりも下流域の方が恩恵が大きく、事業の負担者と受益者が必ずしも一致しない。大規模に取り組むほど効果は大きいが、水田を管理する農家の協力をどう広げ、維持していくかも課題となっている。【12月31日 山陽新聞より】