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防災関連の最新ニュースをご紹介
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【地域防災】原子力災害の避難先、半数「知らない」 日立市がマップ作製
茨城県日立市は原子力災害に備えた「広域避難ガイドマップ」を作製し、今月末から市内の全世帯に配布する。日本原子力発電東海第二原発(東海村)の30キロ圏内に位置する同市は、福島県内の17市町村と避難先として協定を結び、中小路地区は福島市、金沢地区が郡山市など、地区ごとに避難先を指定している。マップは避難先を四つに区分して4種類、計8万4千部作製した。各世帯には該当する地区のマップを配布する。内容は、一時避難場所や避難経路、避難先の体育館や公共施設などが具体的に記されているほか、避難手順や避難時持ち出し品のチェックリストが示されている。昨年11月に原子力災害避難訓練を実施し、参加者にアンケートを行った結果、半数の人が避難先を知らなかったことを踏まえ、市では、広域避難計画の完成前だが、避難先を市民に知ってもらおうと、マップ配布を先行させた。【7月27日 朝日新聞より】
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【防災施策】断水リスク浮き彫り 橋に付設の水道管、豪雨で流失/熊本
豪雨災害で熊本県を流れる球磨川が氾濫したことにより、球磨村に架かる「沖鶴橋」が崩落し、橋に付設されていた水道管も流され、断水を招いた。似たようなリスクを抱える地域は全国各地にあり、厚生労働省は「水害が激甚化しており、水道管の流失のような大規模な被害は各地で発生する可能性がある」と警告。水道管の補強などの検討を自治体に求めている。球磨村で沖鶴橋と水道管の流失が確認されたのは4日。この影響により、最大で約900戸が断水した。村災害対策本部の職員は「川に架かる大小さまざまな橋のほとんどが増水の衝撃で流されてしまい、水道管を守るすべもなかった」と話す。当面は、災害の影響を受けなかった給水ラインの活用などによってしのぐ構え。ただ、今後については、村をどのように復興させるかによって水道整備の考え方も変わってくるため、本格的な復旧は見通せない。こうしたことは全国各地で起き得る。厚労省によると、水道管が橋に付設されている箇所数のデータはないものの、担当者は「各市町村で一つの川に複数あるケースが多い」と話しており、相当数あるとみられる。2019年の台風19号では、福島県矢祭町でも被害が発生した。人口減少により水道事業の料金収入が減っていくことを踏まえれば、川の両岸に浄水場を整備するといった対策は現実的ではない。今回の豪雨災害を受けなかった自治体の水道事業担当者は「人手も限られているため、できる限りの対策を取るしかない」と話す。例えば、河川の水かさが増えた場合を想定して橋をより高い位置に架け替えることや、水道管が水の衝撃に耐えられるよう補強したりといったことが考えられる。厚労省の別の担当者は厳しい財政状況を踏まえて、「全国の水道管を一気に強化するわけにはいかない」と指摘。橋の老朽化対策と併せて計画的に取り組む必要性を訴えていた。【7月27日 時事通信より】
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【地域防災】岡山市消防局が複合訓練施設 地震や水害など実践的な救助学ぶ
近年の自然災害の激甚化、頻発化を受け、岡山市消防局が市消防教育訓練センターに整備していた複合訓練施設が完成した。施設は、訓練センター内の使っていなかった敷地約5千平方メートルを活用して開設した。地上部分と水域部分を組み合わせ、震災、水害、土砂災害と各災害に対応した訓練ができるよう、3種類のエリアを設けた。震災エリアでは、ビルの倒壊に見立てたコンクリートブロックを並べており、ブロックの下をくぐり抜けて救助に向かう訓練が可能。水害エリアでは、水上に家に見立てた建物を配置し、消防局が配備している水陸両用バギーなどを使って取り残された人を救助したり、悪路で走行訓練をしたりできる。土砂災害エリアは、西日本豪雨の教訓を基に整備した。砂利の中に家や車が埋まっており、重機を使った救出作業を行えるようにした。訓練施設は各消防署の職員らが使用する。消防局警防課は「いつどんな災害が起きても対応できるよう訓練を重ね、市民の安全を守りたい」としている。【7月20日 山陽新聞より】
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【地域防災】コロナ禍の避難は「勧告発令」後 真備・岡田地区住民調査で傾向/岡山
西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町岡田地区のまちづくり推進協議会が住民を対象にした防災に関するアンケート結果(速報値)で、災害時に新型コロナウイルスの影響がある場合は、市が発令する避難勧告のぎりぎりまで逃げない傾向にあることが分かった。避難開始のタイミングについて、被災世帯にコロナの影響がある場合とない場合をそれぞれ聞いた。ない場合は「雨の降り方を見て」と「避難準備・高齢者等避難開始」(各25%)が最も多かったのに対し、ある場合は「雨の降り方を見て」(31%)「避難勧告」(29%)と続いた。調査に協力した兵庫県立大大学院の阪本真由美教授(防災)は「避難所で3密が想定されるコロナ禍では、避難行動が遅れる傾向が浮き彫りになった」と分析する。阪本教授は「コロナ禍では特に、事前に親戚や知人宅など複数の避難先を決め、早めに行動する自助が欠かせない。災害が激甚化する中、地域の防災訓練などに参画して共助の力を高めることも急務」と呼び掛ける。【7月19日 山陽新聞より】
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【地域防災】「なんとかしたい」豪雨復旧へ熊本一丸 県民ボランティアが奮闘/熊本
熊本県南部を中心とした4日の豪雨で被災した地域に18、19の両日、休日を活用して多くの災害ボランティアが集まり、本格化する復旧作業をサポートした。各地の災害ボランティアセンターが新型コロナウイルス感染防止のため募集を県民に限定する中、熊本地震の復旧復興を経験した「熊本パワー」が被災地に元気を与えている。同県球磨村渡地区の民家では19日、熊本市などから集まった11人が作業に当たった。球磨川の濁流の痕跡が2階の壁まで残る現場で、土砂や水没した家具の搬出に汗を流した。人吉市と球磨村にボランティアを派遣した市社会福祉協議会によると、18日と19日で計1237人が参加。同県八代市では計447人が参加した。ボランティアに加え、親戚や知人、職場の同僚らが、片付けを手伝う姿も見られた。片付け作業の終わりはいまだ見通せない。19日人吉市では最高気温31.7度を観測。マスクを着けたボランティアは蒸し暑さに悩まされた。被災地の各消防本部によると、ボランティア1人と作業中の住民2人が熱中症で搬送された。球磨村の中渡徹防災管理官は「ボランティアの皆さんに心から感謝したい。倒壊しかけた家屋などが多くあり、二次災害に巻き込まれないようくれぐれも注意してほしい」と呼び掛けている。【7月20日 西日本新聞より】
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【防災施策】内水氾濫、備え進まず 2割強はハザードマップ未公表/福岡
九州を襲った豪雨で、福岡県久留米市は筑後川の支流でポンプの排水能力が限界に達し、低地が浸水する「内水氾濫」が起きた。都市部で目立つ水害で、近年多発し浸水棟数は洪水を上回る。費用などの制約から2割強の自治体がハザードマップを未公表で、住民への注意喚起は遅れている。同市は筑後川の水位が上昇した際、支流への逆流を防ぐため支流の水門を閉めた。代わりに支流の水をポンプで排水したが、能力を超え、支流の水が地表にあふれた。市中心部など広域で浸水し、床上・床下浸水は約1950棟に上る。この地域は2012年の九州北部豪雨や18年の西日本豪雨でも内水氾濫が発生。市は県や国と対応を協議し、4月にまとめた対策で排水場のポンプ増設や貯留施設の整備を盛り込んだ。完成には5年程度かかるため、市は浸水想定を示す標識などを増やす予定だったが、間に合わなかった。【7月20日 日本経済新聞より】
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【地域防災】熊本豪雨の避難生活、ペットも安心 熊本地震教訓に同伴可や預かり支援
熊本県南部を襲った豪雨災害で、「被災ペット」を同伴で受け入れる避難所がある。山江村で犬の飼育や繁殖を手掛ける大瀬明子さんは15日、球磨村の被災者を中心に犬の預かり支援を始めた。支援のきっかけは熊本地震。当時は被災地から離れていたため実際に預ける人はいなかったが、今回は「また一緒に暮らせるようになるまで被災者の皆さんには頑張ってほしい」と10匹までの預かりを予定する。一方、避難所の一つ、八代市の八代トヨオカ地建アリーナは、預け先が見つかるまでの間、ペットと一緒に同じ部屋で寝泊まりできる。これまで約10組が犬や猫と避難。人吉市の人吉二中学校でも13日の授業再開までは、卓球場で一時的に受け入れていた。「わんにゃん緊急災害ネットワーク熊本」の増子元美さんは「被災した自宅に残ったり、車中泊を続けたりしているペットの把握と、ペットと共に入居できる仮設住宅の整備などの配慮が必要」と訴えている。【7月17日 熊本日日新聞より】
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【普及啓発】高齢施設避難、課題多く 計画作成は半数以下―専門家「外との連携カギ」・九州豪雨
九州南部を襲った豪雨災害では、熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人の命が奪われた。2017年に水防法が改正され、自治体が指定した高齢者施設などに避難確保計画の作成が義務付けられた。球磨村によると、千寿園も計画を作り、年2回の避難訓練もしていたという。国土交通省によると、今年1月1日時点で避難計画を作成した対象施設は45%と過半数に満たない。都道府県ごとのばらつきも大きく、岩手県では82%に上る一方、熊本県は5%で最低だった。徳島大の金井純子助教(地域防災学)は「計画を作っただけでは実効性を担保できない」と強調。避難のタイミングと移送体制の確立に課題があると指摘する。金井助教は「入所者の移動には、健康悪化に加えて転倒のリスクが伴うため、判断をギリギリまで保留してしまう心理状態が働く」と分析する。その上で、避難計画には自治体が発令する避難勧告のほかに、独自の避難開始の目安を設定したり、移動方法や受け入れ先を明確にしたりしておく必要があるとする。金井助教は「作成には高度な知識が求められ、自治体など専門性のあるサポートは欠かせない」と話す。また、「中小河川はハザードマップがない地域も多い。リスクが見えていないだけで、どこの施設でも水害は起こりうる」と強調。過去の水害で、自治体や近隣の高齢者施設などの支援を受けて迅速に避難できた例もあるとして、「施設外のマンパワーを使い、連携・応援体制をつくり上げることが重要だ」と訴えている。【7月15日 時事通信より】
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【地域防災】豪雨で迅速避難、けが人なし 住民らの危機意識高く/岐阜
岐阜県内を襲った豪雨により、下呂市内で浸水や土砂流入などの被害が出てから15日で1週間を迎えた。今回の豪雨で、住宅に大きな被害があったにもかかわらず、同市内では人的被害は出なかった。8日未明に土石流が住宅地を襲った同市小坂町。土石流が発生した白土洞谷沿いに住む元市議の山下信義さんは、愛知県に住む娘2人から7日夜に早く避難するように何度も電話で促され、その日の夜に避難したことで助かった。「沢からガシャガシャと石が転がる音が聞こえてまずいなと感じていた。近所の人に声を掛けて避難した」という。約100世帯が住む大垣内地区でも下呂署小坂駐在所前の大垣内谷で土石流が発生したが、日頃から培った防災力で人的被害を防いだ。同地区では防災防犯隊を組織し、近所同士で声を掛け合う小グループを編成。今回は雨の状況を見て7日夜に地元公民館への避難をいったん取りやめたが、水路の水があふれるなど災害の予兆を把握すると、8日未明に再び避難を呼び掛け、1人暮らしの高齢者や土砂災害の危険が迫る地域の住民ら約30人を迅速に避難させた。「今までずっと訓練をやってきたので、住民の意識が高かった」と話すのは防災防犯隊長の石丸照彦さん。それでも降り続く大雨に住民の災害への不安は消えない。「大雨への不安が強くなっており、『この雨なら大丈夫』と言えなくなっている」と不安を口にする。【7月15日 岐阜新聞より】
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【普及啓発】桜島、過去最も高い噴煙を観測 6月の噴火、9000m超も/鹿児島
先月4日未明、鹿児島県鹿児島市の桜島で爆発的な噴火が起き、大きな噴石が火口から3キロを超えて居住地域の近くに落下した。この時は雨で視界が悪く、正確な噴煙の高さはわかっていなかったが、気象庁気象研究所が九州や四国などに設置されている、5つの気象レーダーのデータを用いて解析した結果、推定で、火口から7850メートルから9570メートルの高さに達したとみられることがわかった。気象研究所は「噴煙の高さだけが噴火の規模を示すわけではないが、指標の一つとして、レーダーによる監視を現場に導入できるよう研究を進めたい」と話している。【7月15日 NHKニュースより】
▼気象庁気象研究所 本年6月4日桜島噴火の噴煙高度は約8,000m以上
https://www.mri-jma.go.jp/Topics/R02/020714/020714_oshirase.html -
【災害想定】梅雨前線 今週いっぱいは停滞 局地的大雨のおそれ
西日本や東日本など各地の雨はいつまで続くのか。気象庁は、今後の見通しについて、「今週いっぱいは梅雨前線の停滞が続き、今後も局地的な大雨がおこるおそれがある」と、引き続き最新の気象情報に注意するよう呼びかけを行なった。梅雨前線と低気圧の接近で、西日本では13日夜から14日にかけて、東日本では14日、再び大雨になるおそれがあり、これまでの大雨で少しの雨でも災害が起こる可能性があり警戒が必要だと述べたうえ、周囲が明るいうちに避難の判断をするよう呼びかけている。今後の雨の予想について「梅雨前線は少なくとも今週いっぱいは日本付近にとどまる見通し。前線に向かって暖かく湿った空気が入りやすい状態が続くので、今後も局地的な大雨がおこるおそれがある」と説明し、引き続き最新の気象情報に注意するよう喚起している。【7月13日 NHKニュースより】 ▼気象庁 梅雨前線に伴う大雨の見通しについて https://www.jma.go.jp/jma/press/2007/13a/kaisetsu202007131100.pdf
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【地域防災】ハザードマップの作成進む みなべ町、11地区をHPに掲載/和歌山
和歌山県みなべ町は土砂災害ハザードマップの作成を進めている。2019年度までに11地区の分が完成した。各地区で全戸配布するとともに、町ホームページで紹介している。「土砂災害が起こりやすい場所、避難場所、避難経路を日頃から確認しておきましょう」と呼び掛けている。残りは10地区で21年度までに完成するという。マップは県の基礎調査データを基に作成している。19年度は堺、芝、滝、市井川、東神野川の分が完成した。残りは埴田、山内、谷口、筋、熊岡、晩稲、熊瀬川、土井、広野、島之瀬。熊瀬川以外9地区は20年度に、熊瀬川は21年度に作る計画で進めている。航空写真上に、土砂災害特別警戒区域(建物が破壊され、住民の生命または身体に著しい危害が生じる恐れがある区域)と、土砂災害警戒区域(住民の生命または身体に危害が生じる恐れがある区域)を示している。【7月13日 紀伊民報より】
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【地域防災】「水害タイムライン」先進地も被害甚大 住民周知に課題
熊本県人吉市は「暴れ川」といわれる球磨川を抱え、過去にもたびたび水害があったことから早期にタイムライン策定に着手。今年6月には球磨川の支流河川の氾濫や土砂災害への対応を定めた全国初の「マルチハザードタイムライン」の試行版を完成させるなど先進地として知られている。同市は豪雨直前の3日午後4時にも球磨村や、国土交通省八代河川国道事務所、気象台などとタイムラインの運用会議を実施。早めの避難所開設などの対応を確認していた。市は計画に沿って3日深夜から一部地域に避難勧告を出し始め、4日午前5時15分には全域に避難指示を発令。だが、市内では逃げ遅れなどで18人(9日時点)が亡くなった。市幹部は「計画通りに動いたが、朝方だった事情もあり、住民の避難に結びついたかどうかの判断は難しい。今回の急激な水位上昇を踏まえ、計画の見直しが必要だ」と住民が眠っている時間帯の避難の難しさを口にした。隣にある球磨村も16年6月に作成したタイムラインに基づき、3日午後5時に避難準備の情報を出した。5段階の警戒レベルのレベル3「避難準備・高齢者等避難開始」にあたり、高齢者などに避難を始めるよう呼びかけた。村の防災担当者は「この段階で発令できたのはタイムラインがあったから。実際に避難した人もいた」と一定の効果を指摘する。だが、結果的に9日時点で19人が死亡、5人が行方不明となっており、被害を防ぐことができなかった。村の担当者は「タイムラインを作るだけでなく、役場や関係機関が計画に沿って行動していることを村民に理解してもらい、避難につなげる必要があった」と振り返り、「村民への周知が一番の課題だ」と話した。【7月9日 日本経済新聞より】
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【地域防災】小松市職員や住民ら開設訓練 避難所での感染防げ/石川
石川県小松市は8日、市民センターで、避難所の開設訓練を行い、市職員や防災士、地域住民ら約120人が参加した。受付では防護服を着た職員が、避難者役を問診し、非接触型体温計で発熱していないかも確認した。発熱者役は別の入り口に誘導し、専用スペースに入ってもらうまでを実演した。続いてセンター内に移り、「3密」を避けるための間仕切り設置などを訓練した。間仕切りは高さ2メートルの紙製の筒を外枠にし、布をかぶせるまでの流れを手際よく確かめた。授乳者のための小型テントも設けるなど、感染症対策とプライバシーに配慮した運営を学んだ。市は新型コロナ感染予防のため、既に職員向けの避難所運営マニュアルを改訂するなど対策を進めている。市防災安全センターの村先俊彦主幹は「受け付けに時間がかかり過ぎたことが反省点。スムーズな対応法を検討したい」と述べた。小松防災士の会の山本政広会長は「段ボールベッドの組み立ては意外と難しい。参加者が練習できたことは良かった」と話していた。【7月9日 中日新聞より】
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【地域防災】西日本豪雨で農家と愛媛大 農業版ハザードマップ作成 災害の爪痕 後世に 松山市の興居島
2018年7月の西日本豪雨で被災した愛媛県松山市の興居島で、かんきつ農家と愛媛大学が連携し、農業版ハザードマップを作成した。西日本豪雨では、地区内91カ所で斜面崩壊が発生。そのうち40カ所が耕作放棄地となっている。農業関連の施設では道路の寸断や床下浸水、重油流出などが起きた。作成に当たって市の2500分の1の都市計画図を使った。農家5人が集まって、それぞれの記憶を頼りに被災箇所をシールやマーカーを使って作成した。崩れた農地の状況を色分けし、崩れた距離を矢印で示している。生活に必要な主要道、農業でよく使う準主要道が色分けされており、復旧の優先度が一目で分かる。個人が所有する約10台の重機の位置も示されており、発災時に役立てるように工夫した。愛媛大学大学院農学研究科の間々田理彦准教授は「農家の知識を顕在化、データ化する必要があった」と意義を強調する。被災直後に農家らが自力で復旧する際に、被災箇所と規模を地域で共有しやすくするため。作成後に地元の松山市や、九州の自治体から問い合わせがあった。中山間地域を中心に、農地やため池がある他の地域でも作成、活用できるという。今後は配布後に農家らがどのように活用するかや、地区の防災にどう生かすかを継続して研究を進める。【7月9日 日本農業新聞より】
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【災害想定】長野・岐阜県境付近の地震 再び頻発傾向 夏山シーズンへの影響懸念
長野県中部や岐阜県飛騨地方を震源とする地震が、再び頻発する傾向を見せている。4月22日から続く一連の地震活動とみられ、6月は計13回と減っていたが、7月5日から6日午後6時までに計19回発生している。上高地から横尾に向かう梓川左岸の遊歩道では、4月以降の一連の地震で落石や土砂崩れが発生。松本市山岳観光課は今月、落石を片付け始めたが、5、6日の地震で落石を再び確認した。5、6日の地震について、信州大の大塚勉教授(地質学)は「小規模。徐々に収束していくのではないか」と分析しつつ「梅雨の時季が重なり、雨で地面が緩むなど山の状況が変わっているかもしれない」と指摘。登山者は注意が必要とみている。 【7月7日 信濃毎日新聞より】
▼長野地方気象台 令和2年4月22日からの長野県中部の地震活動について
https://www.jma-net.go.jp/nagano/jishin_kaisetsu/index_nagano.html -
【地域防災】岡山 平島地区で防災地図作成進む 避難所や危険箇所書き込む
西日本豪雨で砂川の堤防が決壊し、住宅約2000棟が浸水した岡山市東区平島地区の連合町内会が、避難所や危険箇所を記した独自の防災マップの作成を進めている。連合町内会の細川剛史会長が発案し、1月に加盟する各町内会へ作成を呼び掛けた。南古都町内会は、約280世帯の大半が床上・床下浸水となった。豪雨で浸水しなかった丘の上の神社と公会堂を避難場所にしようと話し合い、マップに書き込んだ。約80世帯のほぼ全てが浸水被害を受けたという平島新町町内会は避難の際に通る道路の安全を点検。「深い用水路があるので洪水時危険」などと記し、注意を促している。マップ作りには加盟14町内会のほぼ半数が参加しており、完成後は情報を1枚に集約し、連合町内会の全世帯に配布する予定。水害以外でも防犯や防災に役立つ情報が集まれば、目的ごとにマップを作る計画である。【7月4日 山陽新聞より】
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【地域防災】台風に備え防潮扉閉鎖訓練 関係者ら入念点検/大阪
近畿地方整備局や大阪府、大阪市などは5日未明、台風による高潮を想定した防潮扉の閉鎖訓練を淀川や神崎川などにかかる八つの橋で実施した。淀川大橋などは2018年9月の台風21号で防潮扉を閉鎖し市内の浸水を食い止めており、関係者らは操作手順や設備の状態を入念に点検した。同訓練は、台風期を前に万全の体制を図ろうと1977年から毎年7月に実施している。今年は新型コロナウイルスの影響で水防団の出陣式を取りやめるなど規模を縮小し、28の関連機関が参加した。大阪市西淀川区の区役所内に訓練本部を開設。大阪府西大阪治水事務所の九野康司所長が九州の豪雨で甚大な被害が出ていることに触れ、「高潮の脅威から人命と生活を守るため気を引き締め、訓練にあたらねばならない」と士気を高めた。【7月6日 大阪日日新聞より】
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【災害想定】西・東日本 あすにかけて大雨のおそれ 土砂災害などに警戒を
気象庁によると、東シナ海から日本の南にのびる梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、西日本では大気の状態が不安定になっている。西日本と東日本では、4日にかけて雷を伴った激しい雨が降り局地的には非常に激しい雨が降って大雨となるおそれがある。気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に警戒するとともに落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけている。【7月3日 NHKニュースより】
▼気象庁 気象警報・注意報
https://www.jma.go.jp/jp/warn/ -
【災害想定】台風19号の教訓生かし水害発生時声掛け「率先安全避難者」を導入/長野
昨年の台風19号の教訓を生かそうと、長野県は大規模水害発生時に地域内の声掛けで避難を促す「率先安全避難者」を導入する。全国で津波を想定した事例はあるが、河川氾濫など水害に備えた導入は珍しいという。今秋までに1000人程度に研修を実施し、「逃げ遅れゼロ」を目指す。台風19号では、長野市長沼地区の千曲川堤防などが決壊し、1700人以上が自宅に残され救助された。国などのアンケートによると、避難しなかった理由は「被害に遭うと思わなかった」「これまで被害に遭わなかった」と危険性を過小評価する「正常性バイアス」の影響とみられる回答が目立った。一方、避難したきっかけは「近所の人や自治会の声掛けがあったため」が目立った。そのため、県危機管理防災課は「リスクを気付かせる『トリガー情報』を住民に与えたい」と、「率先安全避難者」として地域内で積極的に避難の声掛けをする役割を住民に担ってもらう。数十軒に1人程度を想定し、市町村が地区役員や民生委員、消防団員を指名する。千曲川や天竜川流域で、被害の大きい浸水予想区域を優先して導入する。【6月29日毎日新聞より】