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防災関連の最新ニュースをご紹介
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震災の記憶、津波「ここまで」/宮城
宮城県は、東日本大震災の教訓を伝えるため、津波が到達した高さを示す表示板を建物に設置してくれる個人や企業などを募集している。県の担当者は「街全体をハザードマップのようにする活動。ぜひ取り組みを後押ししてほしい」と呼びかけている。表示板は青地に白い文字で「2011・3・11 東日本大震災 津波浸水深ここまで」と書かれている。素材はアルミ製とシールの2タイプで、大きさは「30cm×60cm」「30cm×1m20cm」「60cm×2m30cm」の3種類。いずれも縦長と横長がある。取り付け費用は県が負担するが、維持管理費は設置者の負担となる。県では設置してくれる個人や企業などを「伝承サポーター」と位置づけている。【1月21日 読売新聞より】
▼宮城県「伝承サポーターの募集について」
http://www.pref.miyagi.jp/site/0311densyogensaip/mousikomi.html -
「全患者避難」想定して 大災害経験の医師・看護師らがシンポ/福島
昨年、福島市で開かれたシンポジウム(弘前大・摂南大・福島県立医大が共催)では、大災害を経験した医師や看護師らが、全患者避難を「あり得るリスク」として事前に想定し、備えることの大切さなど、教訓を共有した。2011年の東日本大震災発生当時、岩手県陸前高田市の県立高田病院長だった石木幹人さん(現・同市地域包括ケアコーディネーター)は想定の甘さを反省点に挙げた。「いざというときに『頼むよ』『分かった』で通じる関係をつくっておくことがとても大切だ」と強調した。福島市の福島県立医大病院で副病院長として対応した横山斉教授は、行政との情報共有の重要性を語った。病院の体制をよく知る中堅の医師が県庁に交代で詰め、対策本部に集まる情報を刻々と病院に伝えたことが役立ったという。04年の新潟県中越地震では、同県小千谷市の小千谷総合病院では屋上の貯水槽が破損。以後、8日間断水し、電気は5日間止まった。佐藤和美看護部長(当時)は「建物が使えてもライフラインが止まれば医療はできないと思い知った」という。病院ではその後、この教訓を基に災害対策を見直し、責任者を決めて訓練を充実。毎年の予算も計画的に配分、物心両面で備えている。佐藤さんは「最低限のマニュアルがあれば、いざというときそれ以上のことができる」と力説した。【1月19日 東京新聞より】
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防災教育を次世代へ 神戸で公開授業、分科会/兵庫
兵庫県神戸市教育委員会と小中高校などの校長会が主催し、「防災教育研究大会」が11日、同市長田区の市立真野小学校などであった。震災から20年が過ぎ、当時を経験していない市民や若い教諭が増える中、記憶や教訓を伝える狙い。この日は、同区の4小学校が18授業を公開。20~30代の若手教師が教科に防災を取り入れた授業を披露した。真野小6年の国語では、東日本大震災で被災した仙台市立東六郷小6年生8人を招き、真野小の児童と防災への思いを発表し合った。同小3年生の社会は、長田区で盛んな靴作りを学び、ベテラン職人から震災や仕事への思いを聞いた。参加した同区の4小学校の児童が考えた「神戸市小学生防災宣言」も発表され、児童が「誰にでも手を差し伸べられるような優しい人になります」などと力を込めた。【12月11日 神戸新聞より】
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<富岡町災害本部>混乱の跡 限定公開/福島
東京電力福島第1原発事故の避難区域に残る福島県富岡町災害対策本部の見学会が12月13日、初めて開かれる。東日本大震災を物語る遺物の保存を進める「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」実行委員会が企画し、当日は仮設のミュージアムに仕立てる。福島県立博物館や富岡町など県内8団体でつくる同プロジェクト実行委のアウトリーチ事業「震災遺産を考えるⅡ いわきセッション」の一環。見学会は、富岡町の協力で実施。町職員と博物館の学芸員が、会議室の見取り図などを盛り込んだパンフレットを基に説明する。見学会は高校生以上が対象で1人200円。案内時間やスペースの都合上、定員は25人限定。バスで移動し、富岡町職員が津波被害が残る富岡駅前なども案内する。【11月22日 河北新報より】
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地震で傾いた家、解体せず再生 阪神・淡路で工法考案/兵庫
地震などで傾いた家屋を建て起こす技術を継承しようと、兵庫県淡路市斗ノ内の建築業竹森勲夫さんが、非営利の一般社団法人「匠グループ」を設立した。阪神・淡路大震災の被災地で家屋再生を支援し、経験を基にした金属製の筋交いで特許も取得した。14年秋ごろから施工マニュアルを作成。効果的に普及させるため、淡路市市民協働センターの協力を得ながら法人化の準備を進め、今年10月には登記を完了させた。今後は全国で事業者の加入を呼び掛けるといい、「家を守れば人の流出を防ぐことができ、まちを守ることにつながる」と訴える。【11月17日 神戸新聞より】
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大震災と中越地震 減災へ中学生が教訓共有/宮城
2004年の新潟県中越地震で被災した旧山古志村(現在は新潟県長岡市)の山古志中の生徒が12日、東日本大震災で被害を受けた宮城県東松島市の矢本二中を訪れ、震災を考えるワークショップを合同で実施した。互いに震災で学んだ教訓を共有し、防災・減災意識を高めようと山古志中が提案し実現した。山古志中の全校生徒14人と、矢本二中の2年生131人が参加。生徒らは「避難」「避難所生活」「復旧・復興」「防災」の4分野ごとにグループに分かれ、「自分にできることは何か」をテーマに意見を出し合った。各グループは「復興には笑顔のコミュニケーションが重要」「防災に向け災害時に大声を出すための練習や、避難時に役立つ物の作り方を把握する」などと意見をまとめた。【11月13日 河北新報より】
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津波の恐ろしさ伝える紙芝居を映像化/岩手
子どもたちに津波の恐ろしさを伝える紙芝居を制作した大船渡津波伝承館の斉藤賢治館長らが28日、岩手県庁を訪れ、紙芝居を映像化したDVDを達増拓也知事に贈った。紙芝居10編のうち「吉浜のおゆき」を映像化。1896年の明治三陸大津波後、集落を高台に移した同市三陸町吉浜の史実を方言を交えて約20分にまとめた。紙芝居とDVDは伝承館で見ることができる。企画した斉藤館長は「紙芝居なら津波が来たらまず逃げることを子どもたちに伝えやすい」と意義を説明した。【10月29日 河北新報より】
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明治の濃尾地震、猛威伝えるスケッチやメモ発見/愛知
1891年(明治24年)10月28日発生の濃尾地震の被災地を描いた宮内省御料局嘱託・田中長嶺のスケッチやメモ約40枚が、愛知県西尾市で見つかった。長嶺は明治時代、全国にシイタケの栽培法などを広め、山村振興に尽力した。地震は、長嶺がマツタケ山調査のため京都へ出張中に発生。公務を終え、鉄道で岐阜県の垂井駅まで来た後、現在の同県大垣市から名古屋市までを3日間歩き通しながらスケッチを続けた。「地盤亀裂シテ 人墜チ死ス」「震災 火災 其ニ猛火 四囲人々途ヲ失フ」などの記述とともに、倒壊家屋の下敷きになった人たちや犠牲者の仮埋葬、白砂噴出(液状化現象)の様子などを描写している。これらは、長嶺の研究をしているNPO法人「田中長嶺事績顕彰会」理事長の中條長昭さんが今年7月、遺稿の中から発見した。【10月29日 読売新聞より】
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災害ボランティアが地域を変える/新潟
新潟県中越地震からの復興に災害ボランティアがどう関わったかを考えるシンポジウムが24日、長岡市の「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」で開かれた。中越メモリアル回廊推進協議会が、発生から11年となった地震の記憶を伝えていこうと企画。「きおくみらい」など長岡、小千谷両市にある4施設のスタッフ4人が有識者を交えてパネル討論した。「外から来たボランティアが地域の良さを気付かせてくれた」「棚田の復旧など、個人だけでなく地域全体を支援する必要がある課題が浮上し、ボランティア側も意識を変える必要があった」など、体験談を交えて報告した。報告などは来年3月までに冊子にまとめ、全国の防災関係者、団体に配る予定。【10月24日 新潟日報より】
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記憶伝える「遺構」岐路に 新潟県中越地震から11年/新潟
2004年に起きた新潟県中越地震の記憶を伝える「遺構」が岐路に立っている。23日で発生から11年。長岡市の職員らが水没家屋の保存に向け9日、現地調査に入った。調査には県の復興基金約2700万円を充てる。保存計画を決めるほか、傷みが激しい屋根の補強も行う。一帯は地震後、メモリアルパークとして整備され、視察や観光の拠点となった。年間2万人ほどが訪れるという。かつての住民からは歓迎と戸惑いの声が上がる。自宅だった3階建ての家屋が保存対象となった松井キミさんは「残さなければ、中越地震は忘れられてしまう」。一方、公営住宅に移り住んだ上田久江さんは「当時、十分な公的補償を受けられなかった人もいる。今になって壊れた建物の保存に多額の税金を使うなんて」と戸惑いを隠せない。また、地震に耐えた手掘りのトンネルは崩落の危険があるとして今年4月から通行止めとなった。市は近く、補強工事を行い、来春に公開する方針。ただし、トンネル全体の補強には数億円がかかるといい、方法を模索している。【10月21日 日本経済新聞より】
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本が大災害後の心のケアに 学校図書館と災害支援で講演会/東京
「学校図書館の国際潮流と災害支援」をテーマとした講演会が10日、東京都渋谷区の文化学園大学ホールで開催された。まず、村山隆雄聖徳大学教授が「ネパール地震による図書館被災の現状」について報告。同国はヒマラヤ造山帯に属しており、80~100年周期で大地震に見舞われてきたが、「地震に関する記録がたいへん少ない」。大地震が発生するこの国で「記憶ではなく記録に残す活動が重要」と村山教授は訴えた。IASL(国際学校図書館協会)のディリジット・シン会長は、社会の変化に応じて学校図書館がさまざまに変容している姿を示した。利便性の一方で、地震や津波、洪水、建物の崩壊、火災などの大災害がいつでも、どこでも起こる可能性があり、甚大な被害をもたらしている。そんな中で図書館は、危機の前後でどんな情報提供や支援ができるのか、十分に備えておかなければならないと呼びかけた。20年前、兵庫県西宮市の小学校に勤務し、同県学校図書館協議会事務局に関わっていた曲里由喜子さんは阪神・淡路大震災の教訓から、今後は、危機管理意識を高め、防災体制を整備。書架を固定し5段以上は配架しない。直立式書架は全て倒れたので傾斜型書架にする。心のケアにふれる蔵書を充実させるなどが大切だとした。【10月19日 教育新聞より】
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忘れない普賢岳災害の歴史/長崎
雲仙・普賢岳噴火の大火砕流で旧校舎が焼失して24年となる南島原市深江町の市立大野木場小学校で15日、災害を語り継ぐ集会「メモリアルデー」があり、児童が記憶の継承を誓った。旧大野木場小校舎は1991年9月15日の大火砕流で、鉄筋など骨組みだけを残し焼失。現在は災害遺構として保存されている。同集会は98年から開催。5年生は土石流の速度や導流堤の仕組みを調べたり、両親らから体験談を聞いたりして学習した成果を発表。児童全員で、火砕流で焼けながらも再生した校庭のイチョウのたくましさを歌った曲「生きていたんだね」を合唱した。【9月16日 長崎新聞より】
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防災、多様な視点で 松代群発地震発生50年シンポ/長野
28日、シンポジウム「必ずやってくる大震災に備えて~松代群発地震から50年」が、長野県の信州大工学部で開かれた。同大は4月、「地域防災減災センター」を設置。防災、減災などについて大学全体として組織的に取り組むとしており、シンポジウムはその一環。1965年から長野市松代地区を中心に5年半続き、今年で発生50年を迎えた松代群発地震の教訓も踏まえ、今後、県内でも被害が想定される自然災害への備えについて地質学や歴史学などの観点から考えた。【6月29日 信濃毎日新聞より】
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アイヌ口承に災害の爪痕 7カ所で地滑り、土石流か 防災専門家が調査/北海道
アイヌ民族の口承を手がかりに、公式記録がほとんどない19世紀以前の道内の土砂災害を調べ、現代の防災のヒントにしようという研究が進められている。取り組んでいるのは、一般社団法人全国治水砂防協会(東京)常務理事で防災専門家の南哲行さん。南さんは北大大学院農学研究院の特任教授を務めていた今年3月までの1年間に調査を実施。口承内容を現地や今の地形図などで調査したところ、これまでに7カ所で、地滑りや土石流が起きていた可能性があることを確認した。【6月24日 北海道新聞より】
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深浦で地震に備え防災訓練/青森
青森県深浦町は、1983年に県に甚大な被害をもたらした日本海中部地震から32年を迎えた26日、防災訓練を開催した。深浦町は日本海中部地震の被災地のひとつ。地元の学校や老人ホーム、農協などから約3000人が参加。昨年に引き続き自衛隊の協力を得て、対策本部を設置しての通信訓練や救助訓練、避難誘導などを行って防災意識高揚を図った。【5月27日 陸奥新報より】
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防災庁舎県有化に賛成60%/宮城
宮城県南三陸町は、防災対策庁舎を震災から20年間県有化して、解体を事実上見送る県の方針に関する町民からのパブリックコメントの結果を公表した。意見公募は町外に避難中の住民を含む約4200世帯を対象に行い、有効回答588件のうち、県有化に賛成350件(60%)、反対206件(35%)、その他32件(5%)となった。「時間をかけて考えるべきだ」「震災を教訓としてほしい」などの賛成意見に対し、反対意見では「見ていられない」といった遺族らの声もあった。佐藤町長は、6月中に最終判断を固める考えを示した。【5月25日 産経ニュースより】
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チリ地震津波55年 犠牲者へ黙とう/宮城
宮城県南三陸町は、1960年に起きたチリ地震津波の発災から55年を迎えた24日、犠牲者への黙祷を行った。この災害で、南三陸町では41人が犠牲になった。正午に防災無線でサイレンを流し、毎月恒例の福興市を開催する同町歌津の仮設商店街「伊里前福幸商店街」では、買い物客やボランティアが手を止めて一斉に黙とうをささげた。【5月25日 河北新報ONLINE NEWSより】
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阪神・淡路大震災20年 宝塚市などが冊子発行/兵庫
兵庫県宝塚市と阪神北県民局は、市民に公募した阪神淡路大震災の体験談などを写真を交えてまとめた冊子「明日へ伝えたい」を発行した。経験や教訓を次世代へつなぐ狙いで、市内の小中高校に全校配布し、防災の授業に役立ててもらう。冊子では、市政策アドバイザーの室崎益輝・ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、中川智子・宝塚市長、多木和重・阪神北県民局長の3人の座談を掲載。室崎氏は「被災者の力を引き出すように支援しないといけない。自分たちで解決していく力を持てるようにすることは、とても重要な教訓」などとした。市役所や公民館などで閲覧できる。【5月24日 神戸新聞より】
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安倍首相が阪神・淡路大震災の被災地視察/兵庫
安部首相は、発災から20年を迎えた阪神淡路大震災の復興状況を確認するため、兵庫県を訪れた。久元喜造神戸市長らとともに三宮の東遊園地を訪れ、「慰霊と復興のモニュメント」に献花。その後、「人と防災未来センター」で、河田恵昭センター長が震災直後の街並みを再現したジオラマなどを紹介しながら、来館者の6割が小中高生である状況を説明。耐震化や防災減災を社会に訴える拠点の重要性を伝えた。語り部3人とも意見交換し、阪神淡路大震災と東日本大震災の2つの災害の経験を今後に生かしたいと話した。【5月16日 神戸新聞NEXTより】
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内閣府、復興ノウハウ世界に発信 年度内に事例集作成
内閣府は、仙台市など被災地の協力を得ながら、2015年度中に東日本大震災を経験して得た知見やノウハウの事例集を取りまとめて国際社会に発信する。3月に仙台市で開かれた第3回国連防災世界会議での成果を一時的なものとせず、世界各国と共有できるようにする。事例集は復興に向けた取り組みの実現までの過程や背景、課題などを具体的に記載する。例えば、津波対策としての高台移転であれば、地域での合意形成の方法や高台移転と合わせた地域づくりのあり方など。完成後は災害復興の国際的な協力枠組み「国際復興支援プラットフォーム(IRP)」のサイトに掲載する予定。【5月14日 日刊工業新聞ニュースイッチより】