リレー寄稿
地域防災の担い手をご紹介
【阪神・淡路大震災25年】中川和之(なかがわかずゆき)
時事通信社解説委員
- 主な活動地域
- 東京都 全域
- 最近の防災・減災活動
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出身地や活動地域:岐阜県大垣市生まれ、兵庫県芦屋市育ち、横浜市在住、東日本大震災後に山形支局勤務で東北にも縁
最近の防災・減災活動:災害を経験した市町村長のインタビューを行って、災害経験のない首長に「覚悟」を求める消防庁編集の事例集作成のお手伝いをしている。
https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/senmon/cat2/cat3/post-1483.html
あなたにとって、阪神・淡路大震災とはなんですか?
地震の基礎的な知識は学んで記事を書いていた科学記者でしたが、「地震」とは何なのかを思い知らされました。 もっとも情報が必要な地元に伝える役割を、マスコミが果たしていないということも分かり、日々の「報道ネタ」を追うこととは違う伝え方が必要であることも実感。少年時代にハイキングやキャンプで親しんだ六甲山が、繰り返す地震の証拠物件であることも認識していなかった無知を突きつけられました。 その悔しさを元に、自然の恩恵と災害は表裏一体であるとの認識を、社会と共有する活動を始めるきっかけもいただきました。社会にとって、阪神・淡路大震災はどういう課題を残し、それはどれだけ解決したと思いますか。
耐震化という基本のキについては、鍵屋さん、福和さんにお任せします。 地震後から1年、厚生省担当記者として、災害救助法の運用を目の当たりにしました。日常の生活が送れなくなった方々の応急的な衣食住をまかなう財源を提供する重要なのが災害救助法で、それぞれ規模や地域特性、時代によって異なる災害後の状況に対して臨機応変に対応が可能な枠組みでなのですが、相変わらずうまく使えていません。「臨機応変」は、行政マンに最も苦手な分野かもしれませんが、基本さえ分かれば使い勝手がいい枠組み。阪神後、現場の知恵の共有が徐々に進んでいましたが、東日本大震災で一気に阪神大震災より前の状態に戻ってしまったというのが反省です。残された課題の解決のために、社会には何が求められるとお考えですか。そのために、あたたは何をされていきますか。
災害時の創意工夫の経験の共有が大切です。困ったときには、多くの知恵が出てきますが、せっかく生まれたその知恵が共有されていません。人は前例があると動きやすくなります。担当者は、その前例を知っておくことが必要です。 TEAM防災ジャパンは、日ごろからいろんな地域で行われている災害を減らすための創意工夫を共有する場ですが、災害後の創意工夫ももっと共有していく必要があると思います。どういうことが役立つか、おせわ係の皆さんやTEAM防災ジャパンのメンバーと共に、質の高い情報を広く共有するお手伝いをしていきたいと考えています。中川和之さんのこれまでの寄稿はこちら