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リレー寄稿

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【阪神・淡路大震災25年】浅野幸子(あさの・さちこ)

2020年4月14日

【阪神・淡路大震災25年】浅野幸子(あさの・さちこ)

減災と男女共同参画 研修推進センター 共同代表
早稲田大学地域社会と危機管理研究所 招聘研究員

出身地や活動地域:浅草(東京都)
最近の防災・減災活動:地域防災領域全般の活性化、ジェンダー・多様性の視点に立った防災力の強化。
内閣府の「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」検討会の座長、「避難所運営ガイドライン」委員のほか、内閣府、経済産業省、自治体の防災関係の委員などをつとめる。
著書に、『あなた自身と家族、本当に守れますか? 女性×男性の視点で総合防災力アップ』(日本防火協会)ほか。

あなたにとって、阪神・淡路大震災とはなんですか?

当時の私は卒業間近の大学4年生でした。関東大震災で丸焼けになった浅草で育ったので子どものころから災害が怖く、また、バブルによる地上げやバブル崩壊による経済不況、高齢化などで、まちの姿とくらしが変貌してくのを見ていたため、誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり(ハード・ソフト両方)はどうしたら実現できるのかに関心がありました。学生ボランティアとして入った被災地ではこの関心が復興課題そのものだったこともあり、現地に残って全焼地域で4年間の復興支援活動に携わりました。下町の被災者のみなさんの置かれた状況は、他人事ではなかったのです。


社会にとって、阪神・淡路大震災はどういう課題を残し、それはどれだけ解決したと思いますか。

ハードの復興まちづくりでは、以前から神戸のまちづくりに関わってきた都市計画・建築等の専門家と被災住民のみなさんがタッグを組んで、早期に復興計画をまとめることができた地域が多くあった一方で、復興事業の対象か否かや、土地の権利状況、そして専門家のマッチングや住民組織の状況等の面で条件が整わずに、長らく更地が残る結果となった地域もあります。また、地域外に避難した人たちが元のまちの復興計画の協議に関わる機会を持つことは簡単ではありませんが、ボランティアも郊外に建設された膨大な数の仮設住宅に暮らす被災者の支援で手一杯で、ハード支援の専門家とソフト支援のボランティア関係者の連携ができない状況が当初から続いたことも課題であったと思います。また災害発生直後から復興期に至るまで、災害時の女性の困難全般(育児・介護の問題を含む)に光があたらなかったことも残念です。


残された課題の解決のために、社会には何が求められるとお考えですか。そのために、あたたは何をされていきますか。

誰もが安心して暮らすことができるまちづくり(住まい、育児・介護、生業など)に、官民あげて「具体的」に取り組んでいくことに尽きると思います。もちろん、男女共同参画(ジェンダー)や障害者、多文化共生といった多様性の視点も不可欠です。
私自身は現在、研修や講演等を通じて、男女共同参画・多様性の視点による防災体制・地域防災活動の在り方について理解を深めていただく取り組みをしています。女性も組織の中でリーダーシップが発揮できると、被災者支援や共助活動の質の向上と、若い世代の地域防災活動への参画の広がりが期待できます。また東京では、首都直下地震に備えて災害ボランティアセンターの在り方に関する議論に関わらせて頂くとともに、女性視点の防災に関心を持つ人の繋がりを広げる活動にも仲間と一緒に取り組んでいます。